見出し画像

反ワクKARESHIと不親切な女②

自分語りもここに極まれりの別れ話②。下品です。
今ソファーでうつ伏せになりながらこの文章を打ってますが、お尻におキャット様の気配を感じます。少し肌寒い秋と暖かい尻です。


避妊に消極的なことが判明したKARESHI。夜のくんずほぐれつが終わって寝入りばな、私は気が滅入っていた。

こいつ、話が通じねえ。

2人で横になりながら色々な話をした。正しくは話をされた。私はマシンガントーク村出身なので一度喋り出したら止まらないが、KARESHIもなかなかにマシンガントーク島出身だった。相性が悪い。
KARESHIも自分の信条とするところが一般的には受け入れ難いことだと感じているようだった。その所為で元カノに振られたようなことを匂わせている。顔も知らない元カノと握手したくなった。茶をしばいて語り合いたい。
要は付き合いたてだからこそ、KARESHIは飛ばしたのだと思う。自分の譲れない部分を、彼女に最初から開示しようとした彼の作戦なのだ。KARESHIも自己開示してくれたのだし、今度は私の番と思い、日々考えていることをつらつらと話した。

自分はフェミニストであること。女性であることで不利益を被る場面に日々怒っていること。未婚でいることが「人生の途中段階」だと見なされて舐められていること(少なくとも一部の周囲には)。同級生は次々と母になり、そして復職、という段になっているのだけど、前のポジションに戻れず降格減給されたと笑いながら怒りを滲ませながら話してくれた、という話もKARESHIにした。
あなたはアンチエイジング推奨派かもしれないけど、私は歳をとって泰然としたいと伝えた。代謝は落ちて体型は崩れるし、体力がなくなるのは嫌だけど、歳を重ねることがネガティブに捉えられる世の中は嫌だと話した。

「そこは俺と違うんだなあ」

文字にすると理解がありそうな発言だが、声音は「ふーん?」だった。私のフィルターの所為でそう思えたのかもしれないが、現にさっきまで興奮気味で話していたKARESHIの寝息が聞こえてきた。言いたいこと言ってすっきりしやがったな。おやすみ。

翌日、KARESHIは仕事で、私は有給をとっていた。私は絵を描くことが趣味であるのだが、ちょうどこの日は自分の絵が展示されていたので会場に向かう。デパートの催事場で、花をテーマにした作品展。お花屋さんが企画した展示だったので、作品と共に生花が並んでいた。自分の作品の横には黄色い花が生けてある。オランジウムだったか。
花屋の社員が私の知人という、そのご縁で展示の一枠を頂いていた。正しくは前職の先輩が花屋の方である。前職場は倒産したのだが、社屋の片付けも大変で、その先輩と一緒に社用車のバンでゴミ処理場を何往復もした。

懐かしいよね、とランチタイムが終わったばかりのカフェで先輩がくすくす笑う。そういえは倒産間際に社長に怒られてたよね、何ででしたっけ、楽しそうに片付けてたからじゃない?、そうでしたそうでした。
ところで昨日KARESHIに魔法陣もらったんですが要ります?と先輩に聞くと何それと怪訝な顔をされた。私も昨日その顔できればよかったなあ、なんか傷つけちゃいけないと思って面白がって色々聞いちゃったよ魔法陣について。
かくかくしかじかこんなかんじと、一連の話をすると、先輩は冷静に「主義主張は個人の自由だけど、子供ができると、大変そう」と言ってティーカップを持ち上げた。
まさしく。私は子供を産めるなら産みたい派だが、KARESHIが子供にまでワクチン受けさせない派だったらどうしようと逡巡した。が、その価値観のすり寄せをしたいと思えなかった。やっぱ別れるべきだなと一気に紅茶を流し込む。勿体無い飲み方をしたと後悔した。

夜、鬱憤の発散が足りなかった私は妹夫婦宅に行った。妹を連れ出して管を巻こうと思っていたが妹が「旦那が聞いても大丈夫な話?」と人懐こい顔で言う。義姉の閨の話だよいいのお?と聞くと全然構わないと義弟が玄関で出迎えてくれた。妹夫婦は私の推しCPだ。

またもや、かくかくしかじかワクワクちんちんと話をする。義弟がボソッと「反ゴムの人なんだね」と言った。
ツイッタランドでもここでも反ゴム反ゴムと揶揄っていたが義弟の一言が元だ。私と妹は雛壇芸人よろしく手を叩いて笑った。幸せなら手を叩く時ってこんなんかな違うかなと思いながら笑った。ゴムにも鉱物が練り込まれてたらすんなり付けたかもねと義弟が言う。それ柔らかくなるやつ、と更に手を叩いて笑った。

増長!次で終わるはず、つづく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?