てんかん・うつ病患者が舞台を観た話

私は発達障害で、側頭葉てんかんとうつ病があります。昨年8月から現在も休職していて、来月も休職するようにかかりつけ医から指示がありました。
普段は引きこもっていて、用事がある時しか外出をしません。一日10時間以上睡眠しているような人間です。
一方でミュージカルや舞台を観劇する趣味もあります。一昨日は「HiGH&LOW 戦国」を観に新宿にいきました。そのことについてちょっと書き残しておこうと思います。

2/20(一昨日)は朝7時半の新幹線に乗って東京まで出て
・10時東京駅集合
・12時まで友人と買い物
・13時〜17時まで帝国劇場で「ジョジョ」を観劇
・18時に新宿へ行き、19時から「HiGH&LOW 戦国」を観劇
・23時ホテルにチェックイン、24時就寝
というハードスケジュールでした。
私個人の感覚としては「数ヶ月に一度友人と遊ぶから、たまにはがっつり遊ぶのもいいよね」の気持ちはありますが、実際はもっとしんどいものでした。
帝劇マチネで「ジョジョ」を観た後の疲れは全然想定の範囲で、作品はもちろん公演もとてもよくて「いいものを観たし来てよかった」と思いました。ジョジョファンとして本当に面白いものを観ることができたと思います。

しかし、「HiGH&LOW戦国」のミラノ座という会場が本当に、てんかん患者には絶対行ってはいけないと強く言いたい場所で、信じられませんでした。
下調べをしなかった私も悪いのですが、ミラノ座はジェンダーレストイレで話題になった歌舞伎町タワーにあります。
3階は電脳屋台村のような居酒屋風のフードコート?でとにかく電飾がすごい。電脳ワールドのような電飾です。もうこの時点で「やばいかもしれない」「てんかんの発作が起きてもおかしくない」と思いました。
エスカレーターを登って、4階はゲームセンター。ここもイルミネーションアクアリウムのような異様な電飾です。同行していた友人は「ちょっと見てきていい?」とノリノリだったんですが、私はもう耐えられずにエスカレーターの横で目を閉じてじっとしているしかできませんでした。
ゲーセンだし騒音は仕方ないでしょう。ですが照明(ゲームの照明ではなく建物としての照明)がさながらディスコのようで、とにかく無理です。
他の階に逃げることもできませんし、エスカレーターの壁も電飾がギラギラとしていて、その反対側はガラス張りなので目を背けても電飾が反射しています。私は偏光グラスを忘れたことを後悔しました。まさかこんなに激しい電飾があるなんて思わなかったから。とにかく今倒れていないだけマシなくらいです。
悪いことは言わないので、てんかん患者は絶対に歌舞伎町タワーに行くべきではありません。
他の階に逃げられないというのは「上の階に行くことは可能だが、くだりのエスカレーターがない」「電脳空間のような異様な電飾がビル全体に施されている」という意味です。完全にビルを出ないとそこからは逃げられませんし、ビルを出るためには結構迷宮のようです。(個人的にこのビルのデザインをした人は建物の意味を理解しているのかすら疑わしいとすら思いました)

コンサータの効果も切れ始めてきた頃、ソワレ観劇をしました。「HiGH&LOW 戦国」もとても面白かったし、ハイローを知らない私でもとても楽しむことができました。コンサータが途中で完全に切れてしまって大変だったけれど。
舞台の内容のよさと私の体調は別で、私はもうかなり限界でした。へろへろになってホテルにチェックインして、友人をそこそこに薬を飲んで寝ました。休職する直前も勤務中にてんかん発作を起こして救急搬送されたんですが、まだ自力でホテルにチェックインして眠っただけマシだと思います。

睡眠中、私はてんかん発作を起こしました。翌日もてんかん発作の名残であまり体調がよくありませんでしたが、スケジュールがあったのでお出かけしました。
同行した友人が寝落ちした私をみて「くも膜下出血や脳出血の人のようなひどいイビキをかいていたから、絶対に睡眠時無呼吸症候群だから病院に行け」と強く念押ししてくれましたが、その時の私はてんかん発作が起きていたんでしょう。
朝5時半まで寝ていたんですが、その間ずっといびきをかいていたようです。
原因は明らかで、間違いなく昨晩の歌舞伎タワーの電飾です。もちろん遊び疲れたこともあると思います。

昨日、友人と別れる前に「絶対に睡眠時無呼吸症候群だから、頼むから絶対に病院に行け」と怒られる勢いで言われたんですが、私は「てんかんの発作だ」と言い返せませんでした。
私も友人も歯科医療従事者でSASについては学んでいます。その危険性だって分かっていますが、昨晩の私はSASではなく、てんかんの発作でした。あんなにガーガーいびきをかくことはありません。眠剤の眠気の欠片もなく寝落ちすることも滅多にありません。翌朝の異様なだるさはてんかん発作後のだるさと同じでした。1日体調が悪かったのもそうです。
心配してくれた友人はありがたいし嬉しいのですが、持病のことを打ち明けていたにも関わらず見当違いなことを強く言われたのは同時にショックでもありました。助言をくれるということは私のことを心配してくれているし、お互いのことを友人だと思っているからこそだと思います。本当にありがたいと思います。「てんかん発作だ」と言えなかった私自身も悪かったです。
でも「てんかんの発作は気づいてもらえないのか」とも思いました。やっぱり歯科関係者はてんかんのことを何も知らないのだとも。

もう二度と歌舞伎タワーのミラノ座には行きません。
でも「HiGH&LOW 戦国」はとても良かったので別会場でだったら続編が観たくなりました。とてもいい作品なので、会場以外はおすすめです。

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