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ガクチカシャドウバース

【ガクチカ】
「学生時代に力を入れたこと」の略。就職活動におけるエントリーシートの記入項目や面接で聞かれることとして定番中の定番であり、多くの場合、アルバイトやサークル活動、ゼミ、留学などのエピソードが語られる。


これまでの就職活動

大学3年の9月に就活を理由にZEALを脱退し、年明けから本格的に就活が始まった。1月から2月にかけて3社のインターンシップを経験し、大したヘマも無かったどころかグループワークでは自分がグループを主導することすらあったので「行けるやん」と余裕になっていた。ただ、2月末から本格的にエントリーシートを作る中で、とんでもないことが発覚した。



ガクチカに書くことが無い

ここで一度『ガクチカ』という言葉について確認しよう。

【ガクチカ】
「学生時代に力を入れたこと」の略。就職活動におけるエントリーシートの記入項目や面接で聞かれることとして定番中の定番であり、多くの場合、アルバイトやサークル活動、ゼミ、留学などのエピソードが語られる。

ガクチカは就活とは切っても切れない関係であり、就活と言えばガクチカ、エントリーシートと言えばガクチカ、面接と言えばガクチカ……とにもかくにもガクチカガクチカである。
そして、ガクチカとして話されることは「アルバイトやサークル活動、ゼミ、留学などのエピソード」であるが、私はエントリーシート作成開始(2022年2月中旬)の段階で「アルバイト経験無し」「サークル無所属」「ゼミでは大した勉強をしていない」「留学経験無し」という役満どころかトリプル役満すら凌駕するクアトロ逆役満であり、唯一自慢できるエピソードは「JCG Shadowverse Open 17th Season Vol.8 4月11日 2Pick大会 優勝」のみだった(その上、試合内容は7tアイシィレンドリングで対面を破壊したりガンダゴウザを2枚投げつけて対面を破壊したりと酷い内容だった)。
本当に色々考えたが、何も無かった。これまでの人生を全て振り返ってみてもろくなものがなく、高校時代は皆が華々しい青春を過ごす中シャドバ甲子園に出場しプレーオフラインが7-0 or 6-1の中5連勝からの2連敗で負けたことくらいしか思い出が無いし、これまでの大学3年間でも皆が華々しいキャンパスライフを過ごす中一切の友達が出来ず過去問とは縁遠い環境の中一人で真面目に勉強し続け3年間フル単だったことしか無い。親とも話し合ったが、もう選択肢は残されておらず、「私が学生時代に力を入れたことは『Shadowverse』です」と言うことになった。


Gakutika for Shadowverse

もうシャドウバースをエントリーシートに書くことになってしまったので、後はもういかにそれっぽく見せるか。ここでガクチカの基本を確認する。


1.ガクチカは初見でも分かるように語らなければならない

これは当然の事である。面接官は全く知らない初対面の人間であり、年齢も離れていることが多いため、あなたが常識だと思っていることもそれを把握していないという前提で1から説明するように構成しなければならない。「私はRGW環境において早い段階から共鳴ネメシスが強いことに気付いており特にカシムのAOEがゲームのテンポにおいて……」なんか書いてしまうと終わり。そもそも「シャドウバース」という言葉を使うこと自体ダメで、より一般的な「ゲーム」や「eスポーツ」と表現するのが妥当(「eスポーツ」の方が面接官的には響きがいいっぽい)。
これを達成するには書き上げたガクチカを他人に見せてフラットな目線で見てもらう必要があり、友達のいない私は大変苦労した(親とシャドバ友達に見てもらった)。


2.ガクチカはそれで身についたことが就職先で役立つように語らなければならない

これも当然のことだが、ガクチカは基本的に「そもそも何に力を入れたか」「そこで起こった問題や課題に対してどう取り組んだか」「結果として何が得られたか」の3つから構成されている。そして「何が得られたか」の部分で「○○が得られました。これは御社で~~というように活かせます」と語るのが大切。計算能力を必要としない仕事に就くのに「私はリノ算やレイダー算が得意です」と言ったら一巻の終わり。
これは業界研究などに縁が深く、あらかじめ業界研究をしっかり行いその職業種に求められる人材や能力を把握しておく必要がある。


この2つだけは絶対に守らなければならない。では、私のガクチカはどうなったのか。


私のガクチカシャドウバース

1.ガクチカは初見でも分かるように語らなければならない

まずは「シャドウバース」は「eスポーツ」に書き換え。「JCG」は「大会」に、「アマチュアチームZEAL」は「コミュニティ」に書き換えた。「ルムマ」や「レート」は「練習」に。間違っても「レート2000を達成」とか「10先で圧勝」とか書かないように。


2.ガクチカはそれで身についたことが就職先で役立つように語らなければならない

本番はここ。私の目指していた業界はIT系(特にエンジニア)だったので、いっぱい調べたりIT系会社の説明会に行って理解を深めた。その結果、エンジニアに求められる能力は「(プログラミング言語を扱うので)論理的思考能力」「(チームで働くことが多いので)コミュニケーション能力」の2つだと分かった。これをシャドウバースに結びつけ(こじつけ)ていく。


その結果出来上がったエントリーシートがこれである。(本当に提出して本当にこれで通った)

ガクチカなんてこんなもんです、多分…



面接で シャドバの話を する男

結果的に、大企業ではないもののインターンシップで感触が良く待遇も良かった会社に入社できた。他の会社の面接で「eスポーツって書いてますけど何のタイトルをされてるんですか?」「あっ……シャドウバースっていう…」「へ~シャドウバースって賞金すごいイメージですけどそれで暮らしたり出来ないんですか?」ってやりとりになった時はもうどうしようかと思ったけど、何とか内定を確保して、私の就活は終了した。


「eスポーツって書いてますけど何のタイトルをされてるんですか?」
「あっ……シャドウバースっていう…」
「へ~シャドウバースって賞金すごいイメージですけどそれで暮らしたり出来ないんですか?」
「えっ……いや…そんなには儲からないっていうか…」
「そうなんですか?世界大会で1億円とか聞いたことありますけど。プロとかもいらっしゃるんですよね?」
「にょ~ん」
「…結果は後日お伝えしますので、本日はありがとうございました」
「もゅ」


そういえば、このガクチカの話をすると、勉強面や単位を気にする面接官が多かった。当然のことだと思う。なので、自分の今の単位数や、これからの単位取得の見通しなどを明朗に伝えられると、そういう不安を取り除ける。



あとがき

なんかバカ話みたいに書きましたけど、就活中のメンタルは本当にズタズタで、24時間「就職浪人になったらどうしよう」「就職できなかったら親不幸者になる」「面接怖すぎる」などをぐるぐる考え込んでしまい本当に辛かったし毎晩将来が怖くてちゃんと寝れなかったです。本当に就職決まって良かった……
やっぱりメンタル面は誰かに相談したり話聞いてもらったり、辛いことを忘れられるような趣味の時間が大切です。その点、シャドバは試合中考えることが多くて、就活のこと考える余裕がなくなるからそういう意味でも助かりました。
特に大した学歴や資格もなく、こんなガクチカだった僕でもそれなりの会社に入れたので、就活生の皆さんは僕を反面教師にしつつ適度に息抜きして取り組んでください!

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