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2021年10月の記事一覧
『BABY TEETH』
羊文学の塩塚モエカさんと写真家の川内倫子さんがコメントを寄せていて目に留まった。
“BABY TEETH”。
コバルトブルーの背景の中に佇む碧い髪と瞳の少女。絵本のように美しい装丁の告知ポスターに一目惚れした。
壊れていくほどに、死に向かうほどに美しく、儚く散っていく。誰もが誰かを愛しているのにすれ違う。創造的破壊から再生が始まる。
「普通」の少女だったミラ。彼女は心のどこかでアイデンティ
『SHORT TERM12』 駆け抜けた夜の先にある光
大学生のころ、ツタヤの棚で紹介されていた。
古い8mmフィルムのようなカバーに惹かれ、なんとなく手に取っただけだった。
それ以来、何度か繰り返し見ている。
私はその頃まだ実家暮らしで、親との激しい諍いが勃発している時期だった。
*
「どんなに深い闇が続いても、諦めなければいつか夜は明ける」
*
始まりは短期保護施設で働くメイソンという男性の、なんでもない陽気な雑談から始まる。
その昼下
『花束みたいな恋をした』
ショートフィルムみたいな空気感の予告と、タイアップされていたAwesome City Clubの曲に惹かれて、見に行った。
「期待」っていうのは、「どんな繊細な心理描写なんだろう」「どんな風に感動する物語なんだろう」「きれいな画面がみたい」、そんな期待だったのかもしれない。
物語を通して、私は考えたことがある。
映像はきれいにつくられている。
だけど、そこには確かに現実や、生活感が落ちていて、