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旅の恥は書き捨て:ボリビア編

旅の恥はかき捨て。誰一人として自分のことを知らない土地で旅するとき、人は普段では考えられないような行動をすることがある。この記事では、私が2018年夏にボリビアを訪れた際の思い出(教訓)を、随所に恥を散りばめながら書き捨てようと思う。

日本からかれこれ何十時間、やっとの思いで辿り着いたラパスの国際空港。私の記念すべきボリビア第1号の食事は、空港内レストランでのこのプレート。

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この食事中、私は人生最大の失態を犯す。「チキンうめー」と思いながら半分ほど平らげた時、体はこのフードを拒絶した。あろうことか、この料理をつくってくれた夫妻の目の前の席で、私は飲み込んだもの全てをリバースした。(幸いスーパーの袋は持っていたが、)彼らのドン引いた顔は今でも忘れられない。普段自宅のトイレでもリバースすることのない私がこの出来事に一番驚いた。将来ボリビアに行く方、アジア諸国の屋台飯で壊れるタイプのお腹をお持ちであれば、ボリビアで外食する際の油にはぜひお気をつけください(正露丸必須)。

ちなみに、ボリビアの家庭料理(下の写真はその一例)はものすごくおいしい。

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リバースからのお腹崩壊に苦しみながらも、命からがら憲法上のボリビアの首都、スクレにやってきた(実質の首都はラパス)。ここで1ヶ月間スペイン語の語学学校に通ったのだが、ホームステイ先から学校への通学路で、毎朝シマウマさんたちに声をかけている自分がいた。

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もちろん、日本では路上をうろつくシマウマさんに声をかけたことなどない。ボリビアのシマウマさん(おそらく地元警察交通課の人)はとてもフレンドリーだ。「ポニーでもこわい!」という華奢な人にもおすすめできるスポットである。


海外留学に行くと、語学学校で知り合った友達と週末観光に出かけることがあると思う。国内ではインドア勢であっても、海外では無理をしてアウトドアぶってしまうものだ。ある週末、私は語学学校で知り合った友達に「ハイキング」に誘われた。国内インドアの私だが、せっかく誘われたしと、見栄を張ってアウトドア好きですのフリをしてしまった。生まれてこの方「ハイキング」の経験がなかった私は、ハイキング≒ピクニック(遠足)という謎の認識を持ったまま意気揚々と出発した。

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上の写真は、そのハイキングの舞台となった場所である。日本で形成した「山」の概念を変えざるを得ないほど、緑はなく、何もかもが尖っていた。そこに日本の市街地を歩く用のおしゃれブーツで来てしまった。・・・ともあれ、私にはイギリス人の友達がついているから大丈夫。と自分に言い聞かせ、彼女の背中を必死で追いかけた。30分ほど歩いたときだっただろうか、彼女との距離が少しずつ開き始めた。やはり私のスタミナはしっかりインドアだった。「でも、きっとちょっと行ったところで待ってくれてるよね。だって私たち友達だもの(キラっ)」と期待したのは束の間、気づけば彼女の姿はかなり小さくなっていて、最後には私の視界から消えてしまった。

それから永遠に続いているような険しい道を、ひたすら歩いた。もう節々が痛く、これ以上歩きたくなかった。しかし、剥き出しの大自然の中腹まで来てしまったからには、歩かないと帰れない。辛い。でも誰も助けてはくれない。ハイキングをピクニックのようなもの、と思っていた代償は大きかった。その後無事にホームステイ先まで帰ってこれたが、数週間にわたる筋肉痛に苦しんだことは想像に難くないだろう。

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ボリビアのみならず、南米の国々を旅している人たちはほとんどカップル or 友達連れである(写真に二人並んで写っているのは、同じホームステイ先に滞在していたイギリス人カップルである)。観光地の随所で楽しそうにキャッキャ、ウフフしている彼らを見ながら、私がここに一人で来たことは果たして正しかったのか?という命題が何度も頭に浮かんだ。

私はなぜ一人でボリビアに来たのか?
 (学生)結婚したことだし、修論が始まる前の夏休みに最後の一人旅をしよう!自由がなくなる前に自由を謳歌しよう!
と、いつでも一人で旅に出かけられる人生が終わる前に、有終の美を飾りたかったからである。

ところが、英語が通じない・アジア人がいない(スクレ・ラパスの街中)・カップル(友達連れ)しかいない環境に来て、人生最後の自由を謳歌するどころではなかった。とにかく寂しい。夫に会いたい。夫と一緒に過酷な自然やおいしい料理を満喫したい、という想いが日に日に強くなっていった。この経験のおかげで、私は夫が隣にいないとダメなんだと気づくことができた。

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ボリビアで2ヶ月間生活して思ったこと。

自分にもっとスタミナがあれば、楽しめることが増えるだろうな
ボリビアは標高が高く坂道が多いため、普段の生活でさえ簡単に息切れしてしまう。ツアー化されている様々なアクティビティを楽しむためには、自分のインドアスタミナを強化する必要があると痛感。

次は絶対誰かと一緒に行こう
南米を一人旅している人はほとんどいないため、同じように旅をしている人たちと行動を共にすることが難しかったり気まずかったりする。スペイン語が堪能であれば現地で友達をつくることができると思うが、私のようにスペイン語が全く話せない状態で行く場合、誰かと一緒に行く方が絶対に楽しめる、と断言したい。




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