上演台本『光に至る一筋のそれも光』
かまどキッチンの８月の公演に書き下ろした「光に至る一筋のそれも光」の脚本を公開します。
本上演台本利用などの権利はかまどキッチンに帰属します。
登場人物
倉持
コウキ
ぴーな
まひる
かな
●
倉持、汗を拭いている。
ぴーなの家
ぴーな え、くらもっち あんなブスと付き合ったの？
倉持 ・・・え、
ぴーな コウキちゃんって経済の子だよね？
倉持 うん そうだけど
ぴーな え、正直センス疑うわ 萎えた
倉持 ・・・いや、え 目とか可愛いじゃん
ぴーな 目！ 目とかって、目とかじゃないんだよ、わかんないか、わかんないよね でもブスと付き合ってるとかダサいからね くらもっちーダサいから そこは自覚してね ダサいよ
倉持 え、何で、何でそんなこと言われなきゃないの
ぴーな じゃあ今日でお別れだね 金輪際会わない
倉持 えっ
ぴーな えって何 セフレ解消 当たり前でしょ きも
倉持 いや うん それはそうなんだけど、うん
ぴーな 出てって早く私の部屋
沈黙。
ぴーな ・・ていうか死ぬから 倉持くん
倉持 えっ
ぴーな 倉持くんは、ダサいから死ぬ
倉持 えっ
ぴーな ダサいから死ぬ
倉持 えっ
ぴーな 死ぬ
倉持 あっ
倉持、死ぬ
ぴーな 倉持くんは死んだ。ダサいから死んだ。お葬式ではみんなわんわん泣いた。でも次の日には、倉持くんなんていう何も成し遂げてない人が生きていたことなんてみんな忘れてしまった。倉持くんの友達もそう。ゼミが同じだった人もそう。私もそう。かわいそうな倉持くん。ダサいから死んだ倉持くんは、無念のあまり成仏できず、永遠に転生し続ける
●
ぴーな 最近、太陽が見当たらない。ある日突然、ある日というのは覚えてないんだけど、空から太陽が消えた。右左前後左右どこを探しても眩しいあれは見当たらない。だけど今日も空は青い。どこから差し込んでいるのか光に満ちている。この光のもとがどこなのか、太陽のなくなった今さっぱりだ。夏だというのに日差しがない。照りつける暑さがない。太陽がなくなってから過ごしやすい気候になった。太陽がなくなったからと言って何も不都合がない。だから誰も話題にもあげない。今日もなにもない空はぽかんと澄み渡っている。支障なく生きれるのなら、太陽が消えても、誰も何にも、さして興味はない。のだろうか
大学の中庭的なところ。
コウキが倉持に向かって話しかける。
倉持は蝉の幼虫に転生している。
コウキ 倉持くん。倉持くん久しぶり。偶然だね
コウキ コウキだよ。倉持くんが人間だった時に一瞬付き合ったんだよ。覚えてる？ 記憶ある？
コウキ ねえなんで黙ってんの
コウキ あっ、それ、倉持くん今セミなんだ。セミの幼虫なんだ。じゃああと７年は地中で寝てなきゃいけないんだ。そりゃ返事できないよね、７年だもんね すごい
コウキ 倉持くん、動けないんだね かわいそう 可愛い
コウキ ・・返事できないからって返事してくれなきゃ私もみんなみたいにあなたのこと忘れちゃうからね。ふふ。えへへ。言ったから。忘れちゃうから。
倉持 コウちゃん…？
その近くにまひるとかながいる。
まひる あのね、あのね、聞いて
かな うん
まひる 私殺したい人がいて
かな へーうん
まひる 今日、どうにかして殺そうと思ってるんだけど、今の所包丁などで殺そうと思ってるんだけど
かな うん
まひる ねーどう思う？
かな えっ えー うん 私は何も言えないケドそういう立場じゃないケド事情とか何があったか全く知らないケドでもまひるちゃんが決めてまひるちゃんが納得してまひるちゃんが幸せなら全然いいと思うし私は応援するよ！
まひる えーありがとー！
かな まひるちゃんが納得するのが一番だと思うよ
まひる えーありがとう好きー
かな 私も好きだよ おばあちゃんの次に好き
まひる えー！おばあちゃんっ子ー！
かな えへへ
まひる ねえ倉持くんって覚えてる？
かな え？ 誰それ
まひる この前死んじゃった人 経営の
かな へー
まひる みんな倉持くん死んじゃったこと覚えてなくて そういう私も倉持くんのこととか全然覚えてないんだけど 倉持くんって名前も今忘れかかってるんだけど だから殺しちゃってもまあなんとかなるかなって
かな えーまひるちゃんは誰殺したいって思ってるの？
まひる えっとねー、あ
まひる、コウキに気づき目をやる。
コウキ、去る
かな さっき、あの子、地面に喋ってた
まひる あいつ
かな えっあの子
まひる そぉ
かな なんで、何があったの
まひる 足を踏まれた
かな ああー足ね 足はねー
まひる 駅で足を踏まれて しかもヒール 厚底だったけど結構次の日くらいまで痛くてそれでムカついてあいつ経済のコウキって女だったんだけどそういうなんか名前とかアカウントとか特定してあいつの私服センスの変移歴代の化粧呟き交友関係学歴よく出かける街タイプの男 観察して調べ上げてもう好きかなってくらいイヤ好きじゃねえよ ソォ あいつのいいところ悪いところ調べ上げてあいつという人間を知るたびに好きと嫌いを行き来して更にムカついてきちゃってちょっと私の中で殺すほかどうしようもなくなっちゃうレベルまできてしまった感じかな わかる？
かな うん、わかる
まひる そぉ
かな えーいいと思うよ、だって元はと言えばあの子が足踏んだのが悪いんだもんね？ だって足だもん しょうがないよね
まひる えー本当いい人だよねあんたはさ
かな まひるちゃんが優しい子だからそう言ってくれるだけだよー
まひる やだー好き
ぴーながその場を通りかかる
まひる あ、ぴーな！
ぴーな あ、やっほー
まひる あとでねー
ぴーな ねーあとでー
ぴーな、通りすぎる
かな 授業？
まひる ううん、さっきのぴーなとやるの
かな あ、そうなんだ
まひる そぉ
○
倉持 人間にさして未練はなかった。が、コウちゃんとは付き合ったばかりだった。出会いは大学の最寄りの駅の前の広場にある喫煙所だ。ここ何週間か出会いを何度も思い返し心を熱くした、俺は恋に燃えた。初めての彼女だった。コウちゃんと会いたい コウちゃんとデートがしたい コウちゃんの姿形声を思い出す
倉持 ・・・
倉持 俺わかんないんだけどコウちゃんってブスなの？
コウキ えっ 知らない
まひるがコウキに発砲する
倉持にあたり、倉持死ぬ
まひる 外した！ きて
次はコウキにあたる
けどコウキは死なない
コウキ あの やめてください
まひるとぴーな、何発も繰り返し撃つもののコウキは死なない
コウキ 私はあの、死なないんで
まひる きゃー死なないのー！？ ぎゃーっ！
まひる逃げる
死んだ倉持(蟬)は、蝶に転生している
ぴーな あっ、あの、私は付き合いで、たまたま家に銃がある家庭だったので、あの子に、まひるに、頼まれて、あの、あの、あの、
コウキ 私ってキレイ？
ぴーな …化け物の類ですかキャーッ！！！
コウキ あ、違くて、さっき、人に、人っていうか、ブスなの？ って聞かれたから、どうかなって 正直に聞きたくて
ぴーな え、正直でいいんですか
コウキ あなたの正直で
ぴーな 正直に言わないと殺されるとか
コウキ あ、ないです 殺さないです、嘘ついても殺さないです ネガティブな意見にいちいち反応してても時間の無駄なんで
ぴーな …私の正直でいいます
コウキ うん
ぴーな タイプでは、ない
コウキ …なるほど！
ぴーな （蝶をみて）…あ
コウキの指先に蝶が止まる。
コウキ だって、倉持くん
ぴーな 倉持くんって誰ですか
コウキ え？ 倉持くん
ぴーな その蝶？
コウキ うん倉持くん
ぴーな コウキちゃんが名前つけたの
コウキ ううん決まってるの私にはわかるの、この蝶は、倉持くんなの
ぴーな コウキちゃん、やばいねって言われない？
コウキ やばいって、可愛いってことですか？
ぴーな …え、うん 違うよ
コウキ 違うのかあ
ぴーな …あのさ、ちょっとコウキちゃんだいぶ怖いんだけど 死なないの？ どうして
コウキ 太陽
ぴーな え？
コウキ 太陽です
ぴーな …え、こわ
倉持 コウちゃんダメだ、こんなんじゃダメだ、人間の指で触れたい、虫なんて惨めだ、君はこんなに大きいのに、僕はこんなに、小さく、無力
コウキ 小さくて惨めで可愛い
倉持 次死んだら人間になりたい
コウキ 無理だよダサいもん ダサい倉持くんがいけないんだよ
倉持 そうだ、コウちゃんの子供になりたい、コウちゃんの卵子になりたい、コウちゃんのお腹のなかでコウちゃんの摂取した食べ物と音楽だけで育ちたい、そして病弱な子供に生まれる、コウちゃんに抱きかかえられて生きてくんだ、おんぶにだっこで、わがままで、ことあるごとにベランダにでる、ガスの元栓を触る、ドライアイスを食べる、コウちゃんは構わずにはいられない、コウちゃんが目を離したらすぐ死んじゃう子供に生まれる、コウちゃんが僕からずっと目を離さないように、ねえコウちゃん…
コウキ きもい！
コウキ、倉持を握り潰す
ぴーな うわ、、グローい・・
コウキ えーでも今の気持ち悪くないですか？
ぴーな 確かに羽バタバタしててキモかったけど、でも、握り潰しちゃってさ、まあ、キモかったですけど
コウキ あれ恋人なんですけど
ぴーな え、蝶が？
コウキ うん
ぴーな え、やば
コウキ 私が人間になって初めて好きになった人です、
ぴーな なにそれ おもしろいですね
コウキ 面白いですか？
ぴーな うん はい
コウキ 面白いって、可愛いってことですか？
ぴーな えっ違う …かも かも 違わない
コウキ えっ
ぴーな 違わない 面白いって可愛い 私の正直で言うと
コウキ だって！ 倉持くん！ 私可愛いって！ 彼女可愛いってー！ よかったねー！
倉持、何か生命として渦巻いている。
コウキ 今 それ 何の虫？ ふ なんか面白い
コウキ 面白いだって！ 可愛いってことだよ
コウキ おやすみ
●
太陽は
今日も姿を現さない
なのに この光はなんだ
ただ満ちている
ただ溢れてる
２０年信じ浴びてきた
人生を照らしていたのは
太陽の光ではなかったか
●
まひる 燃えている、あいつへの殺意が。あの女の存在を、私は、許さない。私をコケにしたあの女を。素直に殺させてくれなかったあの女を。必ず、殺し、燃やし、砕き、肥料にして林檎などを育て美味しく食べる。もしくはお前の死体から出た油でキャンドルを灯しナイトタイムを素敵にする。そうしなければ私の心が許さない。この世界において私の心の平穏が一番大切というルールに世界自体が気づいていないからこの世界はバカ。お前を殺すことは私の心ないし世界のルールを正常に戻すことただそれだけ、それなのにわかってくれない世界人類不条理ツンデレね たまんねーわ、ゾクゾクするわ、痺れるわー
大学。
かな で、殺せなかったんだ
まひる そうなの、まじむかつく
かな むかつくね
まひる だから次は、核
かな えー！ 核
まひる そう、私北朝鮮になるから核で日本をバンってやるの
かな えーあたしまひるちゃんには日本人のままでいてほしいなあ、北朝鮮はやめといた方がいいと思う、就活サイトにもそう書いてあったし
まひる じゃあ沈める 東京湾に沈める
かな あはは！ やばい、ヤクザじゃん
まひる さすがに東京湾に沈めたら死ぬでしょ、死ななくても絶望でしょ、永遠に海の底！
かな 、え、…引く…
まひる えっ
かな それは さすがにかわいそう 永遠に海の底は かわいそう
まひる え、な、なんで…え、え、ヤクザみたいって笑ったじゃん今 笑ってたじゃん
かな でも 永遠に海の底は かわいそう
まひる あいつが生きてると世界のルールが狂うの、私だってさ元来優しい人間なわけ、そんな私が、そんな私が、こんなに怒り狂ってるの、おかしくない、え。え。え、え、
かな え、でも、永遠に海の底は、違う、違うよ、
まひる え
かな だって、殺したりするのとかと比べて話にならなくない？ 比べ物にならなくない？ 取り返しがつかないんだよ 永遠に海の底でしょ、
倉持 死ぬのも取り返しつかないけどー
かな 自分が何言ってるのかわかってるの？ 人間としてしてはいけないことをしようとしてるんだよ、永遠に海の底だよ、私、まひるちゃんがそんな子だって思ってなかった！ 友達だから止めるよ！ まひるちゃんがそんな子でも私見放さない！ 私友達だから！
まひる …
倉持 聞こえてない、ただ、そう、俺がダサいから、キモいから
倉持 せめて、真面目になろう、アリになろう、なります、アリ
倉持、アリになる
かな …あのね、わからないなら聞いてね、永遠に海の底っていうのは、本当にひどいことなんだよ、だって海の底にはユーチューブがないでしょ、だから毎日決まった時間に水たまりボンドがみれないの、焼肉とかも永遠に食べれないし、スープとか味噌汁とか液体の食べ物は食べようとしても波に流されると思う、漫画が無いし、雑誌がないし、小説がないし、そもそも光がなくて、そう光がないの！ 光がないから海の底は本当に真っ暗闇で…深海に太陽の光は届かないでしょ
まひる 太陽って なんだっけ
かな ・・・なんだっけ
倉持 いつまでも土の中にいられない 蝶みたく飛べない 巣に搾取されてもいい 生きてればいい 真面目に真面目に
ぴーなが現れる。ぴーなの足音が一歩一歩地鳴りのように響く
倉持 簡単に潰される
●
ぴーな 私の部屋に落ちてたギャツビーの汗拭きシート 絶対私のじゃない 兄弟はいない 男もいない お父さんも いない そう いない 何もかもない こんなにもない こんなにもなかったか、 きっと何か忘れてる 何かしら忘れている 忘れて 欠けたものを更新して 生きてしまっている
●
コウキ 倉持くん、今アリなんだ
倉持 コウちゃん、
コウキ なんかつまんない虫になったね アリはあんまり萌えないなあ
倉持 僕は諦めたよ アリでいい
コウキ そう
まひる うんこ！
かな まひるちゃんっ！
まひる うんこ！ おいうんこ！
かな うんこじゃないでしょやめなって！
まひる うんこ！ うわああああ
かな まひるちゃんやめなよ！
まひる 私はこいつを殺さないと殺さないと嫌なの！
かな まひるちゃん！
まひる だってバカみたいじゃんバカみたいじゃんあたし
倉持 踏まれるっ
倉持、踏まれないよう逃げ回る。
まひる あの、私の話聞いて、私の話聞いてくれない人はデッドなんですけど聞いてください、あの、あのちょっといいですか
コウキ はい
まひる 私 あなたに駅で足を踏まれて しかもヒール 厚底だったけど結構次の日くらいまで痛くてそれでムカついて あなた経済の女じゃないですか そういうなんか名前とかアカウントとか
コウキ えっ ごめんね
まひる ・・・・・・
コウキ ごめんなさい
まひる ・・・・・・
コウキ 痛かったよね
まひる ・・・・・・
コウキ 次の日まで痛いって相当だよね、なんで踏んだの気づかなかったんだろう、ごめんね
まひる ・・・・・・
まひる、とろける
かな あ とろけた
コウキ わあ
かな 多分すぐ戻ると思う
コウキ ほんとうですか？
かな うん たまにとろけるの なんか色々ごめんなさい
コウキ ううん！
かな すぐ連れて帰ります
かな、まひるをひきづっていこうとする
かな わっ アリ やだ よけて
コウキ それ、彼氏
かな あ、そうなんだ！ 尚更よけて！
コウキ あれびっくりしないの？
かな えー素敵だと思います いいじゃないですか 真面目そう 応援してます
コウキ ありがとう
コウキ 倉持くん、私太陽に戻ろうと思うの
倉持 太陽
コウキ そう、燃えるの飽きちゃって人間になったんだけど、なんかヒト大変だから戻ろうと思って
倉持 …そっか
コウキ 飲み込みが早くて助かります じゃ
倉持 えっ
コウキ、去ろうとする
倉持 待って！
コウキ ん？
倉持 ・・・・・・（もじもじ）
コウキ なに？
倉持 コウちゃん、そんないきなり、
コウキ いきなりじゃないから私の中では段階踏んでるから だからダサいんだよほんとに君はわからないね
倉持 えっ、あの
コウキ さよなら
倉持 俺も連れてって！ 俺も連れてってほしい、このままアリでいたってしょうがないんだ、君といないとしょうがないんだ、土の中も窮屈だったし、空を飛ぶのも向いてないし、人間として生きるにはダサすぎるんだろ？ もうウジウジしない、一緒に連れてってほしい
コウキ 地獄みたいに、熱いよ
倉持 うん
コウキ ふたりぼっちよ
倉持 うん
コウキ 夏に取り戻そうか
コウキ 倉持くん、いい？
倉持 うん
コウキ お互いの眼（まなこ）と手と手を合わせる そして純粋なあなた あたしでいるの
倉持・コウキ、手と手をとる
コウキ わかる？
倉持 …ほっぺが燃えてる
●
ぴーな セフレの倉持くんが突然死んでしまった。彼は平凡でなんてことないやつで私服もダサかったけど、彼はフレンドとしてとても好きだったからすごく悲しかった。フレンドとして様々な思い出があった。彼のおかげで生きていけた時期などもあった。白黒の間の影でこそっと泣いたりもしたけど、それはダサいので周りに悟られないように、でも泣いたことは忘れずにむこう数年は生きていこうと思っている
葬儀のあと街へ出た、コンクリートジャングルはかげろうがエグい。申し訳ばかりに植えられた街路樹の並ぶ道、至るところでセミが鳴いていて、今は夏だと思い出すと同時に太陽の存在を確認する。
太陽、すごい久しぶりに見た気がする
葬儀帰りの面々。
ぴーな ・・・暑い
まひる ねえタバコ吸いたい私タバコー
かな コンビニないよここら辺
まひる 喫茶店は？
かな えーと、カフェなら確かねー
ぴーな あ、喫煙所あった
●
喫煙所。タバコを吸う倉持
コウキ すみません、火貸していただけますか
倉持 あ、はい どうぞ（マッチを渡す）
コウキ えっマッチ？
倉持 あ、マッチの味が好きで
コウキ へー
コウキ、マッチを擦る。
コウキ こういうの綺麗ですよね
倉持 綺麗ですよね キャンドルとか
コウキ そうそうキャンドルとか、好き
コウキ、タバコに火をつけて吸い始める。
コウキ あっ確かに味違うかもです
倉持 僕経営三年の倉持です
コウキ え？
倉持 あっすみません・・突然名乗ってすみません・・
コウキ ・・経済三年の太田コウキ
倉持 コウちゃん
コウキ えっ馴れ馴れしい
倉持 あっすみません
コウキ いいよ
二人、タバコを吸う
倉持 あの、この後暇だったら、スタバとかいかない？
コウキ え？ なんで？
倉持 この前出たやつ夏の新しいやつ、あの、パイナップルまだ飲んでないんだよね
コウキ ・・へー、パイナップル
倉持 ・・
コウキ よく行くの？
倉持 ああうんもう好きでしょっちゅう行くかな、いつも行くな
コウキ ふーん
倉持 あの、奢るから付き合ってくれない？
コウキ えースタバ遠いじゃん
倉持 歩こうよ！ 歩きたい 俺歩くの好きだから
コウキ ・・じゃあ、行こっか
倉持 え！ うん
コウキ 私も歩くの好き
倉持 うん
コウキがたばこの火を消し、それをみて倉持もたばこの火を消す
コウキ 行こ
二人、立ち上がり歩き出す
コウキ ベンティ頼んでいい？
倉持 なにそれ
コウキ （ちょっと笑う）
倉持 えっ
コウキ （笑いながら）あの、ベンティは、スタバの一番大きいサイズ
倉持 えっ（嫌そう）
コウキ ふふ
倉持 奢りやめようかなあ
コウキ あっはっはっはっ！（倉持の肩を叩く）
倉持 痛っ
コウキ おもしろーい
おわり
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