【即堕ちグルメ】グルメな私が古民家カフェに行く
■役表(♀1)
私♀:
私M:ふっ、最近流行りの古民家カフェね。雑誌で紹介され、ツイッターでいいねを集め、インスタで映えていると噂の古民家カフェ。
私M:写真移りがいいのは分かったわ。だとしても大事なのは味よ。最近の映えればいい風潮、私はそれに一石を投じるわ。
私M:もちろん映えも大事よ。可愛い見た目がもたらす幸福感は人生を豊かにするわ。ペンシルベニア大学の研究でも証明されているわ、知らんけど。
私M:でもね、やっぱり美味しいのが前提なの。食べ物なんだから、美味しいのが前提にあってほしいの。味より映えを優先してるんだなって感じたら冷めちゃうのよ。
私M:そして、味。甘けりゃいいってもんじゃないの! 甘いのは美味しいわよ! 知ってるわ! でも透けて見えるときがあるのよね。「こうしときゃ喜ぶんだろ」って。あ、お砂糖多めに入れてるんだなーって。そうじゃないのよ! コンビニスイーツじゃなく、わざわざ電車乗って、カフェに足を運んで、ちょっとお高いお金を払うときは、本当に特別な時なの! 幸せになりたいの! 薄っぺらさは感じたくないの!
私:あ、一人ですー。
席に案内される
私M:内装もおしゃれじゃない。あのランプいいなあ。お冷は、レモン水にしているのね。さて、オーダーを決めなきゃ。
私M:ふーん、ショートケーキにモンブランにレアチーズ。ケーキも充実しているわね。で、ミネストローネに、オムライス、ごぼうのポタージュ。ご飯系もどれも美味しそう。でも、今日の私の目的は違うわ!
私M:今日の私の獲物はパンケーキ。バナナチョコに、ベリースペシャル、抹茶あずき。どれも魅力的でたまらないわ。へえ、BLTに、チリビーンズ。おかず系のパンケーキもあるのね。
私M:どれにしようかな~。あ、飲み物も色々あるのね。フルーツジュースの美味しそうだわ。
私:・・・あっ、すいませーん!
店員が注文を取りに来る。
私:えっと、このベリースペシャルパンケーキ、トッピングでバニラアイス、をセットで。飲み物はホットコーヒーで。お願いします。
私M:・・・みんな幸せそうにしてるわね。BGMも会話を邪魔しない音量、分かってるわね。あぁ、いいなあ。ずっとこの空間に居たい。
私M:でも、大事なのは味。雰囲気や評判で誤魔化されないわ。こう見えて私は趣味・カフェ巡り。色々なカフェを巡りスイーツを食べ尽くしてきたわ。中には雰囲気や見た目だけで、味はイマイチなお店もあった。味はいいんだけど、接客が残念だったり、インテリアで台無しにしているお店も見てきた。私は絶対に妥協しないわ。常に最高のお店を探し続けているの。そんな私を納得させられるかしら。
私M:あ、きたきた!
私:あ、ありがとうございますー。
私M:あら、美味しそう。流石映えるお店、見た目は最高。でもお味はどうなのかしら。28店舗のカフェのパンケーキを食べてきた私の舌を唸らせることができるのかしら。
私M:小麦粉、バター、卵。そして生クリームや果物のトッピング! それら全てに気を使わないと最高のパンケーキにはならないわ。
一口食べる
私M:はあああああぁぁぁぁぁぁん。なにこれー! 超おいしいぃぃぃ。あまぁぁぁい。おいしいーーーーー!!
私M:クリームもふわっふわ! 重すぎず、軽すぎず、ちょうどいいー!
私M:なにこれ?! 桃源郷?! この世の春?!
一口食べる
私M:ふあぁぁぁん。二口目もおいしいぃぃー! 変わらずおいしいぃぃ!
私M:幸せが無限に続く! この空間幸せしかないの?!
私M:なにこれ?! 私、ここの子になる! 私、ここの子になるわ!!
私M:次はアイスと一緒に。
一口食べる
私M:つめたぁぁぁぁい!
私M:アイスの冷たい美味しさと、パンケーキのあったかい甘さの共演! 冷たいものと温かいものを同時に食べる美味しさ! 包み込まれるうううう。
私M:今度はラズベリーと一緒に・・・。
一口食べる
私M:あまずっぱぁぁぁぁい!
私M:甘くなってきたお口の中を、ちょうど良く調和する甘酸っぱさ! フルーツの魅力!
私M:ラズベリーの甘酸っぱさが、パンケーキのバターと混じり合い、至福の香りを奏でてるわ!
私M:ここでコーヒーを一口・・・。
コーヒーを飲む。
私:んんあぁ。
私M:おい、しぃ・・・。このほろ苦さ、分かってるわね。聞こえてくるわ、ダバダの声が。
私M:普段はお砂糖とミルクをたっぷり入れるけど、今だけはブラック。コーヒーの苦味と香りが引き立ち、それがまたパンケーキの甘みを引き立てる。スイーツ会のベストカップル賞。普段は飲めないブラックコーヒーが、こんなに美味しいなんて、人生の豊かさが今まさに広がっているわ。
私M:そしてコーヒーでリセットされたお口にまたパンケーキを入れると・・・。
一口食べる
私M:んんんんんん!
私M:絶、景・・・!
私M:あ、まだメープルシロップ使ってなかったわね。
メープルシロップを垂らし一口
私M:ああああぁぁぁん。
私M:暴力! これは暴力! 暴力的な幸せ!
私M:メープルの香りは幸せの香り。新たな甘さ、新たな美味しさ、カナダに感謝。
私M:あ、もうよく分かんないわ。えっ、何が起きてるの!? 幸せが無限に押し寄せてくるわ。分かるのは唯一つ!! めっちゃ美味しくて、めっちゃ幸せで! もう分かんなくていい!!
間
私:ふはああぁぁぁぁ。
私M:おいし、かっ、たぁ。
私M:ああぁ、幸せ。
私M:古民家カフェ、さい、こう。
間
私M:さて。明日から、またがんばろ。