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青い10円を受け取った日
近頃はめっぽうキャッシュレス決済。
自分のここ数年はQUICPay or 楽天ペイ or PayPay の支払いで生きている。
ただ小銭がないと不便な時もある。寺社でお参りする時だ。
年が明けて三が日、フラっと浅草に行ったのだけれど、財布の中身をみると札しかない。
さすがに年始だからと言って1000円札をお賽銭箱に投げる訳にもいかず、参拝はしなかった(ただめちゃくちゃ混んでたというのもあった)。
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「財布には少しくらい小銭があったほうがいいな」そんなことを年が明けた5日目で思い出し、コンビニで1000円を崩した。
そしてその中に紛れていたのが、この青い10円である。
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お釣りを渡す店員の手から見えた青い硬貨。「いや、何ソレ!そんな汚いお金やめて!」との心の叫びはあったが、帰ったらまじまじと見ている自分。
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調べてみるとこれは「緑青(ろくしょう)」と言って銅が酸化してできるサビらしい。
確かに緑っぽくなってる10円はみたことあるけど、こんな青々としたものは初めて見た。
年号をみると昭和2…年と書いている。下一桁が見えなかったけど、昭和20年代の10円玉だ。ちなみにギザ10。
ギザ10は昭和26~33年まで発行していたらしいから、昭和20年代後半の10円と推測した。
まぁそんな推測はどうでも良いのだけど、昭和20年代といったら、自分の親も生まれてない。昭和26年の10円玉だった場合、72年前になる。
ちなみに昭和26年(1951年)の干支は卯。今年の干支と同じだ。
約70年も前の10円が長い旅を経て自分の元にやってきた。そう考えるとなんだかすごいことだなーと考えてしまう。
この10円に限らず、そんな長い年月が経ってる身の回りの所持品は「お金」くらいしかないと思う。
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まだ小学生くらいの頃、同じようなことを考えていたのを思い出した。
小汚い10円をみて「このお金はいろんな人の手を渡ってきて、自分の元にやってきたんだな」ということをガキんちょながら感じてたのを覚えている。
そしてその10円にマジックで自分の名前を書いて、自販機に入れた。
「まわりに回って、いつか自分の元に帰ってくるんじゃないか?」とかいうことを考えて。
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大人になった今、小銭を使う機会は減ったし、10円をまじまじと見つめる機会なんてほぼない。
小さい頃に書いた自分のサイン入りの10円。実際自分の手に戻ってきたとしても、多分気付かないだろうなぁ。
この小汚い青い10円も、明日自販機に入れてこよう。
入れた瞬間戻ってきそうだけど。笑
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