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スワンプマンは誰だ?

目 次


0.※Read me※

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『沼男は誰だ?』はma34様が作成された自作シナリオとなります。
ma34様リプレイ動画

ma34様ツイッターアカウント・・・・・https://twitter.com/ma3414

このNOTEは私がセッションでKPをするために引用、編集しているものです(逐次編集中)。
この項の以下の文は原本に記載されている事項です。
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・はじめに

『沼男は誰だ?』は自作シナリオとなります。公開セッションや公開リプレイに使用する際でも、自由に設定を改変して構いません。
二次配布はご自由に。

・リプレイについて

動画やテキストで公開することを許可します。それらによって広告収入を得ることも構いません。
ただし、書籍化や映像化等の商業利用はご遠慮ください。

・このシナリオを元にした創作物のガイドライン

このシナリオを元にした創作物(電子データも含め)の頒布を有償・無償問わず許可します。ただし同人レベルでの流通にとどめてください。
オフラインイベントでの使用を許可します。

・シナリオの概要

現代日本を舞台にしたシナリオです。
人口の密集した都市を舞台にするといいかもしれません。登場する地名や人名は自由に設定してください。
プレイ時間の目安は五~六時間ほどです。
このシナリオを始める前に、GMは[沼男]や[どこでもドアの思考実験]等の知識を補強しておいてください。ググると資料がいっぱい出てきます。
シナリオ運営が楽しくなること請け合いです。


1.シナリオの背景


Aという男がいました。彼は資産家の息子で膨大な財産を所持しています(シナリオに関わる要素ではないので、膨大な資産を所持しているという点を変更しなければ資産家の息子という設定でなくていいです)
彼は一年前に交通事故で妻を亡くしています。彼は妻を生き返らせるため、数多の冒涜的な知識を蒐集します。
そして、時間遡行によって遺体を蘇生させる方法を思いつきます。
しかし蘇生に失敗した上、ティンダロスの猟犬に狙われるようになり、自分の屋敷に猟犬が入ってこられないよう呪文で結界を張り、引きこもるようになります。
それでも屋敷の中でAは妻を生き返らせるためあらゆる手段を模索します。そして誕生したのが、外宇宙から取り寄せたショゴスを品種改良して作り出した神話生物スワンプマンです※詳しいスワンプマンの情報についてはキーワード項目を参照してください。
スワンプマンは人間を捕食します。そして、捕食した人間の姿、人格、知識をまるまるコピーして本人になり代わります。衣服から所持品まで何もかもが捕食された人間と同じなので、スワンプマンと人間を見分ける方法はありません。
その上、スワンプマン自身にも自分が化け物である自覚はありません。
スワンプマンに妻の死体の欠片を与えて、Aは妻を作り続けますが、うまくいきません。鮮度の悪い死体を素材にしているせいか、記憶が伴わないのです。それどころか、妻を素材にしたスワンプマンは、姿形も化け物のようです。
Aは余った妻の身体のパーツが少なくなると、それを補うために自分が金で集めた生きた女性をかけ合わせて、スワンプマンを作るようになります。
一体だけ、妻の姿とそっくりなスワンプマンを作ることに成功しますが、それでもAは満足しません。
記憶だけが、欠落したままなのです。
Aは妻を素体としたスワンプマンをより多く生み出すために、屋敷を出ようとしますが、猟犬が邪魔です。
Aは旧知である探索者のひとりに猟犬を押しつけることで自らを自由の身にしようと画策します。
そして、Aの預かり知らぬところで別の怪異が起こっています。それは、スワンプマンの増殖です。
数か月前にうっかり逃がしてしまった一体のスワンプマンは、既に世界中に跋扈し、その数は探索者達の住む町の人口を越えています。しかし、その変化に誰も気づけません。なぜなら、前述したとおり、スワンプマンは、見た目も知識も記憶も経験も、人体を形成する構造まで人間と同じだからです。ただ、誰にも気づかれないよう『増える』という一点を除いて。

2.シナリオの運営方針


探索者には常に沼男の思考実験を意識させるようにしてください。そのためのエピソード追加は自由にしてかまいません。
最終フェイズで発生する選択肢に影響します(そこまで到達できればの話ですが・・・。GMはここまで探索者を導けるようキーパリングすることを目標にしてください)。探索者達に考える時間をできるだけ多く与えてください。

3.探索者へのアドバイス

※この項目はGMへ向けたものです

シナリオの都合でPCのひとりに猟犬をあてがわなければなりませんので、その探索者に回避技能に高く能力を割り振るようそれとなく伝えるとよいかもしれません。(と、言っても猟犬を振り切る一番簡単な方法はPCをスワンプマン化させることなので伝えない方がいいかもしれません)
ロールプレイ重視のシナリオであることを伝えてください。

4.シナリオ導入 

(探索者達が合流後、共通して遭遇する事件)

探索者のひとりの元にSという人物が訪れます。彼女は探索者の旧友であるAの妻を名乗り、自分の屋敷へお食事に誘います。(なにか断りづらい状況を演出する必要があるかもしれません)
招待された屋敷で、探索者はAと接触します。Aは魔術によりその探索者にマーキングを施します。そのマーキングを追ってきた、正体不明の化け物ティンダロスの猟犬に、探索者は襲われます。
同刻。Sとまったく同じ姿をしたスワンプマン(Y)が屋敷を訪れます。彼女は、すさまじい怪力を行使し、Sを殺害します。

5.その他、シナリオ導入に使えそうな設定

(PCが事件に関わる動機)

《Aはスワンプマンの材料に、人身売買を行っています。》
PCの知り合いや家族を巻き込むといいかもしれません。

《血の池事件》
※詳しい情報はキーワード項目を参照してください。
発生現場を目撃させるといいかもしれません。

《Yからの依頼》
彼女はAを追っています。彼を探すため、彼女は協力者を求めています。

6.事件の真相、結末


当然、探索者はスワンプマンの存在を知れば、それを脅威とみなすと思います。しかし、彼らの増殖を止めるには、彼らを滅ぼす以外の方法がないことを知ります。
スワンプマンの中には、探索者の家族や友人や知人が含まれているでしょう。もしかすると、探索者自身がスワンプマンであるということもあり得ます。
果たして、探索者は偽物の世界を許容するのでしょうか? あるいはそれを看過してしまうのでしょうか。

7.その他、考えられる結末

 ※これらの結末にならないよう誘導しましょう。

Yを殺してしまう

探索者達は、スワンプマンの存在に気づかず、日々を過ごして行くことになります。

マーキングされた箇所を切り落とす

猟犬はそれだけで探索者を追えなくなり、Aの追跡を再開します。Aは次こそ逃げられないでしょう南無。

イベント④ナイアの接触でYを騙してナイアに引き渡す

Yを使い、ショゴスとしての異能を備えたスワンプマンが何体か生まれます(数はダイスで決めていいかもしれません)。しかし、その化け物は、残念ながら知性を持ちませんでした。化け物は生みの親であるナイアを叩き潰し、その場にいた探索者達に襲いかかります。

猟犬を殺してしまう

なにかの手違いで起こりえます。この場合、PC達がYに協力する理由はなくなるので、そのままYから逃げ出すかもしれません(個別にAを追う理由がある場合は、その限りではありませんが)。
Yは、協力を拒むPC達を不快に思い、その人外の力を遺憾なく発揮し、殺戮しようとするでしょう。
Yにとって、殺人は大した手間ではありません。ちょっとした理由でPC達は粉々にすりつぶされてしまいます。

8.真相解明に必要な情報

スワンプマンという神話生物の存在についての情報

《これは、Yから得られる情報です。》
もしくはスワンプマンについての情報が記されたキーアイテム『手帳』を入手する必要があります。ナイアの口から語らせてもいいかもしれません。スワンプマンの情報に関しては探索者へ半端な状態で少しづつ開示するようにするのがおすすめです。
例→Yから情報を得た場合は増殖の条件が抜けている等々

スワンプマンの母体

彼女を殺せば、他のスワンプマンは増殖をやめます。そして同時に、全てのスワンプマンは死に絶えます。母体の存在はキーアイテム『手帳』に記されています。ただし、母体を殺せばスワンプマンが全て死に絶えるという情報は直接母体と対峙したときに開示するようにしてください。

ティンダロスの猟犬への対処方法

①PCがスワンプマン化する。

猟犬は探索者を見失い、追跡できなくなります

②Aにマーキングを解除してもらう。

③Yに護衛してもらう。

しかし、Yは猟犬を殺害することはできません。あくまでその場しのぎです。

Aの潜伏先に辿り着くために必要な情報

・Aが人買いで有名だという情報
探索者が犯罪者や警察関係者なら、知識ロールで情報を与えていいかもしれません。
ヒューマンショップの顧客名簿
簡単には入手できないでしょう。Aの得意先を見つけて、うまく交渉等をする必要があります。

ナイアへの尋問

彼はAの協力者です。もちろんAの潜伏先も知っています。

9.その他の情報、キーアイテム

手 帳

《スワンプマンについての情報》が記されています。内容はキーワード項目に書かれているものと概ね同じですが、母体に関しての情報だけ、すこし異なって説明されています。手帳には母体を殺せば、全てのスワンプマンの増殖が止まる、とだけ書かれています(全てのスワンプマンが死に絶えるという情報は伏せられている)。
入手場所→ナイアが所持している。

日 記

・Aの書いたもの
内容はAが冒涜的な実験を繰り返し、狂っていく過程。日記帳を通してこの時点で探索者に開示する情報はGMの裁量に任せます。

Sが書いたもの
内容は子どもが書いたような幼稚なもの。徐々に知恵を付けていくような過程が読み取れます。
※日付が古い部分はひらがなで書かれていて、徐々に漢字が混じっていく等の演出。

生前のYが書いたもの

取り留めもない内容。毎日こまめに書かれていますが、彼女の死亡時期から日記は途絶えています。

10.イベント(時系列順)

※導入と被る部分が多々あります

①ティンダロスの猟犬との邂逅

発生条件→Aの屋敷に訪れ、Aと接触する。
探索者のひとりが、Aの発動した呪文によりマーキングをつけられ、猟犬に狙われるようになります。
猟犬を押しつけたあと、Aは逃げ出しますが、これを追うこともできます。もっとも、猟犬が邪魔になる上、Aは魔術を使うので軽くあしらわれるでしょうが。
このイベント以降、マーキングをつけられた探索者は、GMの裁量で発生する幸運ロールに失敗する度に、猟犬との戦闘に陥ります。最初の接触では、一度攻撃されるだけで猟犬が逃げ出し、戦闘が終了します。

②Yの襲来

発生条件→Aに逃げられたあと、Sとともに屋敷の外へ出る。
YはSを殺害するために人外の力を行使します。Sを殺害されないよう立ち回るのは難しいでしょう。YはSの殺害後、その場にいた探索者達にAを追う手伝いをするよう協力を願います。人外の力を見せつけられた手前、断るのは難しいでしょう。

③ヒューマンショップでのひと悶着

発生条件→人身売買のブローカーと接触する。
Aの情報が欲しければ、相応の対価を渡せと要求してきます。Yと行動を共にしていた場合、Yを渡すよう要求してきます。
(渡すという選択を選ぶとYはブローカーを殺害します)
ブローカーはYがAの死んだ妻にそっくりであることに関心を持ちます。
※この時に探索者達はAの妻が故人であることを知ります。
どうにかして切り抜けさせて、情報を与えて下さい。場合によってはYがしびれを切らして事を解決しようとします。
※例 ブローカーに暴力を振るう等。ここで探索者達がYを諭せば彼女は暴力をやめますし、探索者達とのズレた倫理感のすり合わせが行えます。

④ナイアの接触

発生条件→Yが探索者と別行動になったときに、GMの任意で発生。
時間が足りない時や、状況が停滞したときの潤滑油として便利に使って下さい。
ナイアはYを自分に引き渡すよう探索者達に提案します。(渡すという選択を選ぶとYの探索者への好感度が著しく下がります)ナイアはYを増殖させて、化け物の軍勢を生み出し、世の中を混沌とさせようとしているのですが、そんな真意は口にしません。引き渡すと答えた場合、Yを罠にかけるため、探索者の協力を仰ぎます。また交換条件として、マーキングを外してあげようと提案されます。
引き渡さないと要求を突っぱねた場合、探索者を攻撃し、力ずくでYを奪おうとします。
引き渡した場合、項目7.結末を参照してください。その探索者のマーキングは外れますが、別の探索者にマーキングが移るだけなのであしからず。

⑤二 択

発生条件→母体の元へ辿りつく。
彼女の口から、母体を殺せば、他のすべてのスワンプマンも死に絶える、という情報を手に入れます。
探索者は母体を殺すか、生かすか、選ばなければいけません。
基本的にGMは探索者達をこのイベントまで導けるようゲームを進行してください。

11.施設の情報

①Aの屋敷

二階建て、屋根裏と地下室あり。
地下室にはひとの形になれなかったスワンプマンの肉塊が、絶えずAの名前を呼んで蠢いています。正気度判定1d3/1d10
屋根裏には血だまりがあります(捕食の下手なスワンプマンがAを捕食する際に残したもの)。屋敷のどこかには日記帳がありAの書いたもの、Sが書いたもの、生前のYが書いたものがそれぞれあります。好きな場所に配置してください。発見させるのに、目星を使わせるといいかもしれません。
それ以外の部屋には特にシナリオに関係のあるものはありません。Aは冒涜的な知識の数々を蒐集していたので、ピックマンの絵や円筒形の脳収用器などおぞましいアイテムをトラップとして配置するといいかもしれません(ミスリードを嫌う場合にはお勧めしません)

②ブローカー宅

古びたアパート。とてもヒューマンショップを経営しているとは思えない寂れた出で立ち。
顧客名簿がPCのデータの中にあります。コンピュータに成功すると情報を取り出せます。
もっとも、PCを操作するにはブローカーの警戒を掻い潜る必要があります。これに成功すれば、ブローカーと交渉せず、Aの情報を手に入れることが出来ます。
ここで得られる情報は、Aの仮の潜伏先などです。
ナイアをシナリオで使いたい場合はその仮の潜伏先に配置すればいいかもしれません。

③Aの潜伏先(ラストダンジョン?)

Aの屋敷の地下室より深い位置に存在します。大きな広間です。壁や床、天蓋を蠢く肉塊が覆っています。
そして、部屋の中心には停滞キューブがAの妻の頭を浮かべて鎮座しています(死体の腐敗を防いでいます)。
さらに下へ階段が続いています。その先に母体が潜んでいます。
・セーフティールーム
母体の居る真っ白な部屋です。あらゆる危険から隔絶された不思議な空間で、時間の流れも曖昧。この場所を知っていてかつ来ようと思わなければたどり着けません。

12.NPCデータ

探索者へは、猟犬を押しつけて申し訳ないという気持ちがあるので、そう尖った対応はしません。反面、死んだ妻の話になると目も当てられないほど取り乱します。妻の蘇生に関しては、既に諦め気味。そして本人は気づいていませんが、スワンプマンです。Yの存在を全否定しています。
その理由は彼女の存在を認めてしまうと、今まで自分が作ってきた失敗作達の存在も認めなければいけないと考えているためです。
STR 10
DEX 10
CON 6
SIZ 11
POW 10
APP 12
INT 13
EDU 16
アイデア 65
幸運 50
知識 80
SAN 0
技能 クトゥルフ神話/39 

Aが作り出した、唯一Aの妻と同じ姿に固定することができたスワンプマン。意思薄弱で記憶がないため特に自分の考えを持ちませんが、Aを想う気持ちは本物なので彼には非常に献身的です。しかし、Aからの扱いは基本的に使い走り。上手くはありませんが料理を作るのが好きです。
STR 5
DEX 4
CON 3
SIZ 8
POW 5
APP 18
INT 14
EDU 6
アイデア 60
幸運 40
知識 30
SAN 40
技能 聞き耳/50 製作(料理)/30 

Aが作り出した妻を素体とした最初のスワンプマン。誕生当初はただの肉塊の化け物で、そのおぞましい姿に絶望したAに捨てられます。
捨てられたにもかかわらず、Aを想う気持ちのあまり、長い時間を掛けて今の人型の身体を形作ることに成功します。そのような生い立ちのため、自身のベースであるショゴスの力の一端を行使できます(怪力や変身能力等)
また、スワンプマンとしての捕食能力を利用して、死後一時間内なら人間を蘇生させることができます(もっとも、スワンプマンとして、ですが)
彼女の行動理念は二つ。Aに自分の存在を認めてもらうことと、自分以外のAの妻を素体にしたスワンプマンの殺害。また自身の存在に自信がなく、作り物の存在であることに酷いコンプレックスを抱いています。
彼女は生前の記憶を持たないので、基本的には世間知らずです。善意には善意、悪意には悪意で切り返す分かりやすい性格をしています。シナリオの展開次第で悪魔にも天使にもなります。ナイアに世話をされていた時期があるので哲学的な知識だけはそれなりにあったり、彼の影響で多少偽悪的な性格をしています。
STR 62
DEX 11
CON 30
SIZ 8
POW 10
APP 18
INT 18
EDU 6
アイデア 90
幸運 50
知識 30
SAN 50
技能 人体改造99(自身の身体を好きなように変質させることが出来ます。それによりキックや跳躍等々の肉体を使う技能をこの数値を流用してロール出来ます。また、死後一時間以内なら自らの捕食能力により、探索者をスワンプマンとして蘇生できます。)
聞き耳/50 製作(料理)/40 値切り/26 クトゥルフ神話/25 再生/死亡しない限り1Rにつき2P回復※ただし、燃焼によって与えられたダメージは回復しません。探索者達がYを倒そうと立ち回っている場合、炎に弱いという弱点をそれとなく漏らしてしまってもいいかもしれません。

ナイア

狂信者。Aに冒涜的な知識の数々を与えた、ある意味この事件の真の黒幕。ナイア、と名乗っていますが、這い寄る混沌本人ではありません。シナリオの難易度をあげたいのなら、ニャルラトホテプ本人に変えても構いません。
ひとの姿に変質することに成功したYに興味を抱いています。当初は肉塊の姿のYの世話をしていました。探索者達には横暴に、そして不愉快な態度で接します。高確率で探索者達と敵対するでしょう。自覚はありませんがスワンプマンです。
STR 7
DEX 7
CON 5
SIZ 9
POW 10
APP 14
INT 14
EDU 16
アイデア 70
幸運 50
知識 80
SAN 0
技能 クトゥルフ神話/70 聞き耳/60 図書館/50 目星/60 心理学/80
特殊な所持魔術
ラーの鏡※概要はキーワード項目参照

ブローカー

ヒューマンショップという人身売買組織を運営する女性です。言動がかなりエキセントリックですがその割に、思考は常識的です。疑り深く、探索者達に警戒心を解くことはないでしょう。場合によっては探索者達との取引にも応じますし、対価があるなら協力もします。
STR 16
DEX 17
CON 16
SIZ 12
POW 16
APP 15
INT 18
EDU 20
アイデア 90
幸運 70
知識 100
SAN 80
技能 聞き耳/89 目星/89 コンピュータ/65 心理学/89 マーシャルアーツ/85 キック/70 組み伏せ/80 回避/89

母 体

最初のスワンプマンです。探索者達へ選択を迫ります。善意も悪意もありませんが、探索者達がどのような選択を選んでもそれを尊重します。
フレーバー例
・人間だけで構成された探索者達を出迎えたとき
「ようこそ、人の子たち」
・スワンプマンが一人以上混成されている探索者達を出迎えたとき
「ようこそ、子どもたち」
STR 10
DEX 10
CON 10
SIZ 10
POW 18
APP 12
INT 10
EDU 10
技能 聞き耳/50

13.キーワード

①スワンプマン

《ショゴスベースの神話生物》
捕食した人間になりきります。見た目、知識、経験、人体の構造etc全てにおいて捕食された人間と見分けがつかず、本人にも自分が化け物であるという自覚はありません。ただ、本能的に増殖します。他の人間と二人きりの時に、痕跡を残さず素早く捕食し、増殖します。
しかし、中には捕食の下手な個体もいて、血痕などが残ることもあります(血の池事件の真相)。
 スワンプマン同士は共食いをしません←視線を気にせず、無差別に人間を襲いまくる突然変異のスワンプマンを用意して、PCに襲いかからせる、といった展開を作るとうまく機能する設定かもしれません。既にスワンプマンになっているPCだけが無事に生き残れるわけです。

②血の池事件

《数か月前から起こっている怪》
ひと月に四回か五回程度と頻度は多くないのですが、街中で突然、血だまりができます。不思議なことに血だまりが発生する瞬間を見たものは誰もいません。
血だまりの多くは致死量です。しかし、被害者は見つかりません。
この事件の犯人は捕食の下手なスワンプマンです。被害者はスワンプマンになっているので死体が見つからないのです。もちろん、血だまりの血液とそのスワンプマンの血液を比較鑑定すれば、情報は一致します。
この事件の詳細はYかナイアに語らせるとよいでしょう。Yは探索者への好感度が高ければこの事件の真相を語ることを渋ります。

③ティンダロスの猟犬

《時間の角に潜む不浄な獣》
猟犬と称されてはいますが、実際にはどのような姿をしているのか誰にもわかりません。このシナリオではスワンプマンとそれに捕食された人間とを別の存在として知覚します。

④ラーの鏡

《呪文》
元ネタは某RPGの道具。発動すると、Yの動きを封じることが出来ます。同時に、その場にいるスワンプマンの体調を崩します(頭痛、眩暈、吐き気等々)。これにより、誰がスワンプマンなのかをPCに匂わせることが出来ます。この呪文はナイアだけが使用できますが、展開によっては、PCに習得させてもいいかもしれません。発動に必要なリスクは1d6のMP消費のみです。

⑤母 体

《全てのスワンプマンに増殖と擬態を指示する、最初のスワンプマン》
増殖と擬態を指示するために、絶えず電波のようなものを発していますが、これは無意識に発生させているものです。
※母体の意思ではない。
母体は人と同じ姿をしていていますが、自身がスワンプマンという化け物であることを自覚しています。
彼(彼女)が死ねば、他のスワンプマンは擬態をやめ、元の肉塊の姿に戻り、ひとり残らず死に絶えます(自力で環境に適応してしまったYは別です)。

⑥継 承

《母体は自分以外のスワンプマンに自身の能力を分け与えることができる》
この能力に制限はないので、母体に意思があれば全てのスワンプマンに増殖と擬態の指示を自足させられるよになります(実質、スワンプマンを滅ぼす方法がなくなる)。
既にスワンプマンになったPCや、PCと親しいNPCに母体の能力を継承させる、という使い方をするといいかもしれません。
これにより、能力を継承させられたキャラクターまで殺害しなければ、スワンプマンをせん滅することができなくなります。
自己犠牲により世界を救う、大切な人を殺して世界を救う、等々のテーマ変更に使えそうな設定です(もっとも、スワンプマンはオリジナルとは全く別物だ! と言い切れるようなPCなら葛藤の余地はなさそうですが)。
母体のとどめを刺したものがスワンプマンの場合、母体の能力を強制的に継承してしまう、と言う演出も面白いかもしれません。能力を継承したことは本人しかわからず、母体を継いだものがそれを他の探索者に秘密にすればみんな何も知らずにスワンプマンの増殖を封じたと思い平和に過ごせる、というオチが作れます。

14.このシナリオの特殊ルール

①キャラシート作成後のコイントス

キャラシート作成後、各プレイヤーにコイントスを行ってもらいます。
コインが表なら人間、裏ならそのPCはスワンプマンになります。幸運の値を参照して1d100のダイスロールで決めてもいいかもしれません(このとき幸運を参照します、と宣言しないほうがいいかもしれません。さといPLならシナリオ中にこのダイスロールの意味に気づくかもしれません)
誰がスワンプマンなのかはGMだけが把握しておいて下さい。

②スワンプマン化

PCはスワンプマンと二人きりで接触した場合、スワンプマンになります。もちろん、PCはそれに気づくことはできません(PLは気づくかもしれませんね)。
スワンプマン化の際、GMは[探索者の意識は一瞬暗転しました]等々のぼやけた描写をするといいかもしれません。

③スワンプマン化による蘇生

死後ゲーム内時間で一時間内にYと接触することができれば、その探索者はスワンプマンとしてシナリオに復帰することができます。もともとスワンプマンの探索者はこの方法で蘇生出来ません。
※スワンプマンは共食いが出来ないため。キーワード項目参照

④猟犬が見ている

難易度緩和のためのルールです。猟犬に憑かれた探索者は、常に猟犬の視線に晒されます。そのため非常にスワンプマン化しにくくなります。
ゲーム開始時点でスワンプマンがPC内に発生してしまっていた場合、普通は早々に探索者は全滅しそうですがこのルールを採用すれば最低一人は人間のままゲームを進行したりできます。

⑤スワンプマンについての気づきによる正気度判定

PCがスワンプマン化していて且つシナリオ中に自分がスワンプマンであることに気が付いた時点で正気度判定を行うことになるのですが、その際の正気度の減少値はPCの考え方に依存するというルールです。
GMはPCがスワンプマンについてどのような考え方をしているのか↓の方法でPLに事前に確認をしてください。
・スワンプマンの存在を認知している状態で人込みなど人間の多くいる場面に探索者が遭遇したとき正気度判定を行う。PCがスワンプマンの存在に肯定的か否定的かPLに訊く。
肯定的・無関心な場合は正気度判定無し、否定的・忌避感を覚えている場合は1/1d3の正気度減少。
その後、PCが自分がスワンプマンであることに気付く↓
スワンプマンの存在に肯定的、無関心→0/1
スワンプマンの存在に否定的、忌避感がある→1d10/1d100
なおこの減少値の設定はGMの裁量で変えても構いません。

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