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【高速馬場のファンタジスタ】C.ルメール騎手の解説~一流騎手~

JRA重賞150勝、内G1を51勝。毎年のように日本や世界でG1・重賞を勝ちまくる。主戦場を日本に変えたのは大成功だ。近3年の重賞では勝率19%、複勝率47%。ものすごい。武豊騎手はディープインパクトに乗った時、初めて飛んでいるような感覚を味わったらしいが、ルメール騎手はおそらく何度もG1で飛んでいるだろう。それくらい強烈なキレのある末脚を何度も炸裂させている。きれいなスタート、まったく無駄のない1コーナーの入り方、自在な位置取り、完璧な道中の折り合い、人馬一体となった強烈にキレのある高速の末脚、芸術的な逃げ等、数々のビッグレースで神騎乗をみせつけてきた。また、距離が延びれば延びるほど好成績になる。ウデがいい証拠だ。天皇賞春や、とくに菊花賞での成績がものすごい。グランアレグリア、アーモンドアイ、イクイノックス等のコンビが有名。どの馬もまるで飛んでいるかのような末脚を発揮していた。ルメール騎手の特徴はとにかくその高速の末脚だ。ルメール騎手はJRAの騎手の中で「最も脚が速い」。陸上競技場のレースで一人だけスパイクを履いているかのようだ。それくらい他の騎手と違って見える。しかし、それ故に「高速馬場ではないとき」がルメール騎手の弱点だ。実はルメール騎手の凱旋門賞の成績はひどい。また、フランスではトップジョッキーにはなることができなかった。なぜか。それは「重い馬場では自慢の高速の末脚が使えない」からだ。欧州の馬場は重い。そこで馬を動かす能力が足りなかったのだ。そしてその能力が足りないことが、日本の騎乗成績でもわかる。「重馬場のG1」でまともに勝ったのは、G1約50勝の中で「ディアドラの秋華賞」だけだ。しかもそのレースは重馬場とは思えないほどのハイペースであり、後方から行ったルメール騎手の内の進路がぽっかり空いてロスなく上がっていけたというラッキーな結果である。繰り返すがそれだけだ。また、ダートのレースでも同じようにその能力の足りなさが分かる。明らかに芝より成績が悪い。そして、「直線の長い東京のダートコースではない、直線の短いダートコース」では重賞を6勝しかしておらず、その中の3勝は10年以上前でのものだ。つまりその苦手条件では、日本に来てから3勝しかしていないということだ。明らかに少ない。さらに、砂の深い地方競馬の成績は壊滅的だ。重馬場やダートのレース、地方のダートでは、高速馬場の芝でのレースより、馬の脚の速さは確実に落ちる。相対的にルメール騎手も脚が遅くなる。いや、相対的どころか明らかに遅い。全く飛んでいない。だから、成績が悪くなるのだ。ただ、近年ルメール騎手自身が苦手条件のダートの重賞や地方競馬のG1を避けているフシはある。ノーザンファームは芝馬が中心であるため、ダートではいい馬がまわってこないだけかもしれない。しかし、中京のG1チャンピオンズカップの成績がひどいことと地方競馬の成績が壊滅的なこと、だけは間違いのない事実である。飛ばないルメールはただのルメール。弱点は芝の重馬場・不良馬場、あるいは直線の短いダート・地方のダートであり、それだけが消し所だ。他の条件ではすべて消せない。それにしても、自身の能力にピッタリ合った日本競馬を主戦場に選んだことはすごい。日本の高速馬場では、前でも中団でも後方でも切れキレの高速の末脚。日本の芝レースの実力は世界一だ。まさに「高速馬場のファンタジスタ」だ。ちなみにつみたてWIN5ではほぼ軸にすることはない。なぜか。だいたい3番人気以内だからだ。そしてルメール騎手が勝ったらと、ビビることはない。少なくとも5回に4回は負けてくれるからだ。              

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