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話数単位で選ぶ、2020年TVアニメ10選

ルール
・2020年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。

 以下放送日時順で当時のツイート貼り付け+ちょっとした補足の簡素な感じで。
 ちなみにトップ画像はWEBでの無料配信なので10選に入れられなかったゼノンザード第7話のアヌビスおねーさんです。無念…なのでおまけに書いた。

ID:INVADED イド:インヴェイデッド
 第6話「CIRCLED 円環の世界」

 今年のベストアニメはこれです。全話面白いので何話選ぶか悩んだ結果、ちょっと雰囲気の違うこの話で。穴が空いたから生じた惨状だけど、穴が無ければ通じあえない…。
 ただしBDの規制解除版もありなら第9話。所詮私の主観だけど、あれはあまりにも良かった…少なくとも向こう数年あれ超える同質のシーンないでしょと思うくらい素晴らしい差し込み。キャラクターが血肉を獲得する瞬間ですよ。
 アニメ的に虚構であるキャラクターは当然生きていないし、その上カエルちゃんは最初から死を担ってきたキャラクターなので、ここで“どうすれば(これまでの死体とは一線を画す)死を描けるか”を直球でやって成立してるの本当に凄い。メイドインアビスの例のシーン好きな人はこれも好きだよ(最悪の薦め方)。
 せっかくなので見る気がある人はBDを買おうね。

 この辺「神様になった日」の動きの積層から作られる生と真逆で面白いですね(死体は動かないからね)(一応言っておくとスプラッタは別段好きではないです)。

群れなせ!シートン学園
 第8話「海の吟遊詩人 -カナとルカの話-」

 イドに続いてまた円の話してる…(たぶんそういうのが気になる時期だったんだね)。そしてたぶん私はジャンプする話が好き(10選候補だったヒープリ34話もそう)。
 感動回ではあるんだけどいつもの感じに進行していて空気が変わらないのが良い。「お前は…右脳!」とかいう台詞そうそう聞けないよ。
 生物のシステムとして生殖やら発情期やらがあっけらかんと描写されるのも実に健康的で良い。

ガンダムビルドダイバーズRe:RISE
 第5話「いま、翼ひろげて」

 後半も結構面白かったんですけど、話数単位だとここかなー。作中最もクリティカルなガンプラについての話だったと思うし、何よりパル君は最高に可愛いので…致し方なし。ガンダムはそこそこ見てるけどキャラを好きになるのは割と珍しい。
 やっぱロボモノはロボ自身が模倣を選択する瞬間が一番良い。

うちタマ?! ~うちのタマ知りませんか?~
 第8話「まつりばやし」

 基本的にトンチキ擬人化アニメなので普段のそれとのギャップもありつつ単話としての完成度も高い。近しい人を失う話といえば今年はミュークル28話が強いだろうけど、私はモチーフを繋いでガンガン使うのが好きなのでこっち。
 補足として最後の季節を感じ取るシーン、よくあるアニメ的な風(=その局面において重要な“それ”の訪れ)がキャラクターではなく(自身を含めた)世界にあり(風鈴~)、それにキャラクターが気付いて納得するのがとても良い。
 旧作のまつりばやしは人/祭りの中にある遠ざけられた死へのフォーカスで、今作はノラにとっての生死なんだけど、それらが雫(生に伴う水/汗/血に対し、それを遠ざける固形としての祭りの提灯と不変の月)によって接続されることで(全くの別物ではなく)新たな視点を織り込んだ語り直しとなっているのもリスペクトあっていいんじゃないでしょーか。
 ……そういえばこれも円/球が中心にある話だね。

キラッとプリ☆チャン
 第100話「お願い、ダイヤモンドコーデ! 届け、私たちの思い!」

 話数単位というかこれまでの積み重ねなんだけど、まぁ入れないわけにはいかないかなと。こういうクライマックスのバンク模倣(切断され隔離されていたものの取り戻し)ってやっぱいい。

かくしごと 第12話「ひめごと」

 アニメのことな~んも分かってないのにまたテキトー言っとる…感がある(だからアニメ見てるのはそう)。ともあれやっぱちゃんと走るべきときにちゃんと走れるアニメは強い。OPも10選やるなら入りそう。反射としてのハイライト芸も良かった。
 ちなみにその反射ハイライト芸の今年ベストはストライクウィッチーズRtB第6話で、光によるメッセージが(物語展開とキャラクター個人の感情とアニメ的用法の全てにおいて)希望として渡されてハイライト回転に転じるやつ。

本好きの下剋上 第26話「夢の世界」

 一番10選に入れるかどうか悩んだ話数だけど、なんだかんだ「ぎゅ~」が好きだったので。
 一応補足しとくと、儀式が前振りというのは莫大な魔力(円形に広がる草)とその中のちっぽけなマイン、さらに見えざるその中身(前世)という3段が、本と文字と物語(意味)、そして顔と涙と気持ちへと続いている。
 その上で神官長の涙をああやるなら円形の草の段は対抗として画面もっと強い(引き寄せる)方が良かったな~と思った…気がする。
 普段から画面が良いので余計に気になったのかなー(まぁ私の好みというか勘所の問題かもしれないけど…)という感じ。

THE GOD OF HIGH SCHOOL
 第5話「ronde/hound」

 みんな大好き作画やばアニメ。作画のことなんも分からんけど作画凄いっぽい(アニメの何某かを分かったことナシ)。
 回想が色を失い粒子となってドン底状態、そこから手紙/筆致を経由して墨画による戦いの中で主線やら彩色やらを辿り世界を再獲得する。強い。
 これまた全話強かったけど(3話とかも結構好き)、なんだかんだこの回かなぁ。

神様になった日 第4話「闘牌の日」

 それなりに麻雀を知らないと全然面白くないだろうし、それなりに愛着があると居心地が悪いだろう回で、つまり私はそのどちらでもなかったのであった…。
 なんか悔しいけど、まぁ、正直爆笑しました…くそぅ。なんか知んないけどそういう精神状態だったんですね、たぶん。
 イザナミさんの突っ込みがとても良い。こういう突き抜け方を選ぶその心意気やよし(せっかく野球回削ったのに丸々一話麻雀やっとるやんけ!)。全編それなりに居心地の良い楽しさより、やっぱ幅がある方が思い出としてはちゃんと機能する。

 ツイッターで書いてなかったし、ついでに最終回のことでも。
 奇跡によるトゥルーも悪運によるバッドも退け、ただ人の手による日々を積み重ねた先にあるまだ見ぬノーマルエンドを目指した作品だったなーと思う。
 神(奇跡の行使者)によって感動が提供される物語ではない以上、少なくとも彼らの生き方を見た側が勝手に感動する形になるべきで、そしてそれは視聴者からのヒナを感動の器と見做す視線(施設のスタッフがヒナに幻影纏わせたことに同じ)を振り払った上での感動であるべきなのかなと思う(なので撮影演出もりもりな施設でのラストシーンは逆効果かなと。綺麗ではあったけど)。
 なので視聴者にとってキャラクターが不幸な目に遭って欲しくない存在となれていたか、フィクションのキャラクターとしてちゃんと生き生き映っていたか(幻影を跳ねのけられていたか)というような、まぁ単純な話、視聴者に(己の手が届かない存在として)キャラクターの幸せを願わせられたかだけが問題。
 で、私はそれらはそこそこ出来てたかなーと思うし、タイトルも綺麗に回収してたなーと思っているので、まぁ、良いんじゃないですかね! という感想です。はい。

 この辺上手かったのはやっぱイドの飛鳥井ちゃんですね。視聴者には無理なので頼むよ名探偵…としか言えない。死体にしたのも視聴者だけど(マッチポンプである)。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
 第6話「笑顔のカタチ(〃>▿<〃)」

 虹は大体良い話が詰まっているんだけど、個人的に一番はここ。表情やガラスやスマホといった平面・表層的なものの取り扱いのオチとしてボードからEDへの手渡し。本編(作品の持つ物語)にとってのEDではなく璃奈にとってのひとつの表情として回収される歌。良い。
 最終回が好きな人は音楽少女を見ればいいと思う。あれはアイドルアニメのマスターピースなので…。

おまけ:Webアニメなので10選入れられなかったやつ

ゼノンザード THE ANIMATION
 第7話「Leites -Like a human-」

 はい、WEB無料配信なので本編貼っときます。前後の繋がりがないショートアニメなのでいきなりこれ見ても大丈夫。

 サブタイ通り、あらすじにするとSFあるあるな話にしかならないんだけど、このスクショ↓の周辺が本当に良かった。

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 量産された身体の一部=手にシールを貼ってもらい、その手でアトラクションとしてのデジタルな世界(観)/シールを攪拌する。それはテーマパーク/演者としての嘘と本当の攪拌でもある。境界に重ねられる境界としての手。良すぎる…。
 上司のシールもドラマが感じられて良い(それは時間を止めて保存するような更新され得ない代替不可能なものになってしまったし、その保存行為が自己とテーマパークの在り方でもあるけど、そこまでの時間によりシールの境界線は融解している)。
 OPも今年見たアニメの中でだいぶ好きなやつです。他の話もバラエティに富んでて面白いのが多いし簡単に見れるのでオススメ。アイドル回とかバカ料理回とか。私の好きなものが詰まっていて本当に良い作品だった。
 なのでその、二期、ください…………。

おまけ2:10選候補だったやつ

ヒーリングっど♥プリキュア 第34話「わたしがライバル!? ちゆの求めたツバサ」

 フォンテーヌのバックにある夕焼けの空と海のカット良かったので。個人的にはもっと引いた(空と海が広い)カット欲しかったけど…。
 後の女将の話(38話)もそうだけど両方取るというのが良い。ただしこの34話は両方を固形として選ぶより先に、空と海の境界よろしく恐らくはそこから二つの選択を掬い取れるだろう、という曖昧無形な場所全体を取る/認識することでの両取り。

 プリキュアについてだけ残しときたかったので以下はタイトルのみ。

A3! 第1話
pet第13話
アクダマドライブ 第12話
ノブレス 第7話
プリンセスコネクト!Re:Dive 第2話
ミュークルドリーミー 第28話
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった… 第11話
文豪とアルケミスト 第9話

 以上、おしまい!

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