
話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選
ということで今年も10選です。
TOP画像はゲーム白夜極光の1.5周年記念動画からクラリンとガルーです。かーわーいーいー。結構面白いんだけど観測範囲内でやってる人見たこと無い。あと全てのソシャゲはこのガチャシステムを見習ってほしい(天井引き継ぎ型)。
■「話数単位で選ぶ、2022年TVアニメ10選」ルール
・2022年1月1日~12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。
・集計対象は2022年中に公開されたものとします。
<以下、例年のルールからの追記>
・昨年の実施の際にTV放映よりも先行して配信が行われた『平家物語』等のTVシリーズは対象かどうか問い合わせをいただきました。映画やOVA作品が特に顕著ですが、アニメ作品のカテゴライズは年々難しくなっていっている傾向があります。弊サイトで1つ1つの作品を判定していき事前に正誤表のようなリストアップを行うのは非常に手間が掛かり対応が難しいです。いったんは各参加者の皆さんに判断を委ねまして、弊サイトでは機械的に集計していこうと思います(よっぽど外れたもの等あれば集計から外すこともあるかもしれませんが)。
・集計対象は、10作品と併せてそれぞれに選定コメントが書かれたものを集計していきます。皆さんの選定理由を読むのが楽しみで集計作業を行っているところもありますので、コメントがないものに関しては集計の対象外とさせていただこうと思っています。Twitter等のブログ形式でないものもなるべく拾っていくつもりですが、目視で探していく作業となりますので漏れがありましたらすみません。
・皆さんの参加あってこその企画ですので、色々と柔軟に対応させていただきたいと思います。ご意見やご要望ありましたら、フォームなどからご連絡いただけますとありがたいです。今回もよろしくお願いします。
今年も「aninado」さんが集計してくださるとのことです。ありがとうございます! 推奨タグ:#TVアニメ話数10選2022
そんなわけで以下、放送順に当時のツイート(あれば)+簡易コメントでお送りいたします。
ワールドトリガー 3rdシーズン
第14話「覚悟」
カタルシスやばーーーーーーーーーーーーい! というわけでシリーズ通算では第99話のこちらです。流石にノータイム選出だった。
確かリアタイ時は13話の方をより評価してたようだけど、見直してみると千佳が頑張る14話の方が好きになっちゃったので。1年前の私の意見なんて知ったこっちゃありません(だからこそ当時のツイが欲しいんですけどぉ……)。
人を撃てない千佳をサポートに回す=貫けない弾を使わせることで生じる、瓦一枚で弾が阻まれる弱み。修が千佳を精神面において徹底して守ろうとすることが、そのまま千佳へ向けられる射線/視線を遮る物理的な防壁として表れ、しかし同時に千佳からのそれも遮断する。
それに対して千佳は扉を開け瓦礫の山を登り崩れた壁を乗り越え、そして最後にガラスを撃ち抜く。最後の壁を前にして、スナイパーとしての視線は既に通ってるっていう図が格好良すぎる。
あと視線ということだと遊真の二宮さんへの「つまんない嘘つくね」とかもそう。二宮さんは修を侮っていないのだから、勝つための大切な一手は三雲修への一手。それを遊真に見抜かれ、千佳に潰され、それでもなお(ヒュースではない)修を圧倒し得る二宮さんは、それ故にか最後の一瞬に修を「見切った」と視線を外すことで撃ち抜かれる。千佳は直視し、二宮さんは視線を外した。立場や方向の差を表すカメラワーク良い。
視線を外すことが死を招くけど(まんま死角)、それをフォローし合うのがチーム。チームバトルのお手本アニメだよ。最高に良かった。
デジモンゴーストゲーム
第23話「ウメク蟲」
物語やキャラにとって特に重要でもなさそうな回でなぜかちょいちょい良作画が出現する日朝アニメから。良い回がいっぱいなのにライダーの裏なのが可哀想……。まぁ私は全部録画派なんですが……。
サブタイ通りパートナーデジモンが急に虫みたいになってカサカサしだす話なんだけど、部屋を立体的にカサカサするデジモンのキモさ、迫力ある構図、やたらと上手い作画(煽り気味の顔やらちょっとした所作、奥から手前への走りなど)と明らかに出来が良い。クシャミするガンマモンとか襲われる面々が可愛いのも良い(特に喰われそうなとこの宙と瑠璃の顔、めちゃくちゃ良い)。あとデジモンをゴルフクラブで直接ぶん殴る珍しい描写もあるよ!(なぜかサンライズ立ち。遊び心いっぱいよ)
そこからの解決編、虫の鱗粉から赤い月と人工衛星に飛躍するのも良い。確かにカッコイイけど、その絵やりたかっただけでしょ感すごい。なんたって縦軸的に特に重要な回ではないし、そもそも特に話らしい話がない。オチだって虫化=知性の剥奪をちょっと皮肉った程度のやつだしね。
それでもかなりの満足があったので、キャラの良さと画面の良さがやたら気に入ったっていう自分でも中々珍しい選出かなと思う。
しかしこのアニメ、人もデジモンも(殆ど)死んだりはしないんだけど、それはそれとして主人公らも結構な頻度でめちゃくちゃ酷い目には遭う、っていうあまり他では充足されないトコをずっと供給してくれてありがたいね(まぁジョジョみたいなもん。身体が植物化してお腹突き破って蠢いてたり、身体が螺旋状にギチギチ捩じれて引き千切れそうになったり、全身に眼球がぼこぼこ浮き出てたりするよ)。
CUE!
第16話「二十歳になった私へ」
CUE! 第16話。が、画面越し最高すぎる…。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) April 30, 2022
ゲーム画面、ドラマ撮影、新幹線やファミレス、教室の窓、写真、過去と未来。中でもモーションキャプチャー(想像に身体が反応し、身体にも想像が反応する相補性)が導線としてめちゃくちゃ良い。向こう側のものがこちら側にもあるとする相互転写。
まほろは
過去のまほろを抱きしめないし、最後の写真も画面越しだけど、でもちゃんとこちら側にも転写されて伝わっている。そういうのを信じる/信じさせるのがこの仕事。向こう側のお仕事アニメとして良すぎる。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) April 30, 2022
ただそうあれとするだけでなく、力を込めて握り、自分で掘り出し、そうするだけの価値があると信じ
るべきこと。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) April 30, 2022
まほろからの手紙、「がんばれ」の部分は書いてないのでまさに正しく幻視/想像なんですよね。そして未来からの幻聴と、赤い風船を幻視すべき場所としての空で締め。きっとそうして振り返り見上げた瞬間がどこかにあったんだ、という現在からの転写。良すぎる…。
あとファミレスシーンも
好きで、光の主張とか、窓越しとか、まほろが自分の手をにぎにぎしてるのとか(自分自身/同じ側にある手はいくらでも握り握り返される…)が劇伴の良さ相まって本当に良い。過去という既に向こう側になったものに臆するまほろ(こちら側に届くのか、そもそも届いたとして何も変えられないことに直面す
— 小手鞠 (@tumayouzidane) April 30, 2022
るだけじゃないのか、みたいな逡巡もありそう)と、それをいつもの(同じ側にある、慣れ親しんだ)笑顔で引っ張る美晴。もうこの時点でちょっと泣いてたからね…めちゃくちゃ良かった…
— 小手鞠 (@tumayouzidane) April 30, 2022
こどくでも大丈夫な自分というアバターを、薄っすらと纏っていた幼少期。アバターは嘘ではないし、本心を隠しているとかでもないし、世界を完全に隔てる殻でもない(間接的にでも触れていたからこそ「懐かしさ」は発掘される)。だけどモーションキャプチャー(追跡、ひいては回顧)にて再現されなかった小さな取りこぼしはあり、それを示唆するための越境する声って感じかな。
要するに、友達から送られてきた写真からは楽しそうな声が聞こえるよねってこと。
プリコネ2期3話でも越境する声の話しをしてたのでなんかそういう時期だったっぽい。
薔薇王の葬列
第22話「Use your head more, damn brat. Don't die even if you are weak.」
薔薇王の葬列 第22話、「もっと頭を使えクソ餓鬼。弱くても死なんようにな」。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) June 13, 2022
魂を飼い慣らされることなく成長し、悪徳を乗りこなし、為すべきことを全て為し、しかしそうして積み上げた強さ/茨により死ぬ。陽の当たる地獄に墜ちた回想からの、陽の当たる処刑…(黒い装束/柄を経て表れる白い手/指
輪、光る涙からの、日により浮かぶ首の影もめちゃくちゃ良い)。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) June 13, 2022
王冠でも指輪でも唇でもなく、(ただの処刑人と王の狭間にある者として行われる)葬送の涙/血を誓約とする。キングメイカーでもバッキンガムでもなくヘンリー…。
EDの入り(歌詞合わせ)だとか王冠や指輪の扱い方も良かったし、最期の
表情もめちゃくちゃ良かった…
— 小手鞠 (@tumayouzidane) June 13, 2022
今話のクライマックスである処刑シーン、斧の先からじわじわとカメラが登っていって握る手に到る瞬間が本当に素晴らしい。
斧が揺れて表れる顔、振りかぶられた斧とそれを握るあまりにも細い腕のシルエット、細く落ちる涙(Aパートの戦場での逢瀬にあった、時が止まったかのような、或いはそうであればどれほど、という雨雫)、そして血の誓約。あまりに素晴らしい……。
主人公の斎賀みつきさんは勿論のこと、杉田智和さんの熱演も素晴らしい。ここ最近の杉田さんでは一番の良さ。秋アニメだけでも老いた官吏から一般不死男性、果ては烏に無機物と幅広いけど、なんだかんだこのバッキンガムみたいな屈託を腹の底に抑えつけ口の端から苦しみを溢しながら進むような役柄が一番良いよ(まぁでも大抵のイケボはそうかもしれない)。
緑川さんが居るのもポイント高い。
てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!
第5話「ランプの章」
てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!! 第5話、良すぎる…。漫才は一日サボったら二週間、じゃあループすれば解決。一枚噛んでるっぽい ちほり、存在がボケなので友情の発揮方向がSFかつトンチキで良い。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) July 31, 2022
ループで違う話題が出ても変幻自在にボケと乗っかりを添えられる二人、強すぎる。でも最後の方では普通に
ゆいなも突っ込みとして付いてけてるし、意識さえすればちゃんと日々の会話が練習になるし成果も出る(最初の素朴すぎる「浮くんだね」を思えばだいぶ成長したもんだよ…)。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) July 31, 2022
宇宙人に漫才を披露する形式でもあるからか、ロケーションを殆ど変えず会話で回し、そして最後のサービス問題でツッコミがボ
ケたのでやり直しのもうええわ。「なんで帰んなきゃいけないのー」「しょーがないよー」。漫才とは構成美と見つけたり。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) July 31, 2022
ループ含め宇宙人の仕業という落着をミスる ゆいな、一周回って宇宙人キャラが成立している…のかもしれない(ちほりと同じく特異なものと認識できない)。
ともあれループを経て
「ただのボケ」にもそれなりに突っ込みを入れられるようになる=日常(回想)を漫才にするこれまでの方式を獲得(他チームに比肩)したと。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) July 31, 2022
キャラを魅せつつ真っ当に漫才のお約束(基礎)をやり、アニメ的にも単に前話までの方式を外すだけでなく成長回として回収する、という凄い良い回だった
キャラが沢山いるので1話1チーム紹介していきましょう、みたいな流れでこんな話が来るの凄い。それでいてお笑いというフォーマットがちゃんとある。9話の方が笑えたけど、単話としての凄みはやっぱこっち。
クッシーがざぶーんするしょーもな描写も好き。入れるタイミングというかたぶん演出的にも凄い効果的なんだろうけど、それはそうと絵面がめちゃくちゃしょーもないの良すぎる。
そういえばツイッターで検索するとそこそこ「てっぺん!!!!!!!!!!!!!!!」表記があってちょっと面白かった(「!」の数に気を払いすぎて「っ」を忘れている)。
神クズ☆アイドル
第7話「STAGE.7」
神クズ☆アイドル 第7話、Aパ最後の雄弁な画面が良すぎる…。こーゆーとこちゃんとしてるから夕陽やペンライトの演出が効く(数多の星に対する太陽と循環する切り替わり)。そっからラストの、心象風景から身体描写へと降ろすあの瞳ですよ。強い。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) August 14, 2022
「愛です!」の後ろにある(逆)光、というか光の前景
としてある愛(物理的に、光を受け止められる者とそうでない者…)。だからこそアサヒの前景としての仁淀があり、瀬戸内―仁淀inアサヒのラインでも成立するバラード。“まるで”最上アサヒからメッセージを貰ったかのような、なんですよ…。愛はエネルギーなので相互で循環。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) August 14, 2022
瀬戸内くんの独白もう全部良
いけど、ほっかむりまで綺麗に回収されてて本当に良い。瀬戸内くんが自他に隠しておきたかったものたち…。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) August 14, 2022
ここぞの新曲も良かったしで文句なしにめちゃくちゃ良い回だった…
およそ半年ぶりに見たけどやっぱ回想からのAパートラストカットがめちゃくちゃ良いなぁ。たぶんここだけでも10選候補には余裕で上がってたと思う。それに負けない語りを出してくるBパート、ほんと凄い。
アサヒは死んでしまったので今の(=幽霊の)最上アサヒとしてはもう充足されないだろう(それは常に死者に向けられ通過するので留め置けないし、もう減る一方でしかない)ことを、空っぽになっていた瀬戸内くんの挿話としても綺麗に収める凄い回。愛/エネルギーのことであり、ファンそのものの話でもある。
当時は完全スルーしてたけど、バラードが目を瞑ても構わない曲ってのも良い。ダンス(身体と目撃)ではなく語りが前にある。瞳に映らなくても留め置ける。
あと「仁淀inアサヒ」は「愛です!」が基なら敢えて逆にしてるのかな……と思ったけど、たぶん素で間違えてるね!(恐らくは「瀬戸内―仁淀―アサヒ」を念頭に、そこに纏ってる感を入れたくて崩したから……)
咲うアルスノトリア すんっ!
第9話「う~う~うぉ~~」
咲うアルスノトリア すんっ! 第9話、雪回だーーーーー!!!
— 小手鞠 (@tumayouzidane) September 1, 2022
雪を学び、雪から学び、雪を契機に学ぶ。塔に掛かる月、即ち雪から未踏の月(の土)への転換。ロケットで月で旗と。ロシアってそういう…。
「楽しい」が月に届くこともある、それを仲間と学ぶ場としてのアシュラムであり、それが表れる魔
法の世界。スノーエンジェルもイエティも雪のために「そう見える」ただの幻想。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) September 1, 2022
向かう先がどこであろうと、止める権利は誰にも(騎士団にも)無い。そしてマッチカットからのかき氷で魔法はおしまい(お腹に入ったら実際も幻想も一緒、区別のない原動なのです)。
しっとり気味の後半だけでなく前半の
わちゃわちゃ作画も楽しかったし、すごく良い回だった…。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) September 1, 2022
というわけで雪回です! 坂を転がって雪玉になるやつ、Aパだけで3回もやるアニメそうそうないよ~(好きすぎる……)。この前半だけでかなりの満足感がある。あとやっぱこれくらい会話に隙を作ってるアニメの方が好き。あとあと劇伴とその使い方がめちゃ良い。「仲良し」は名曲。
そしてまぁ実際に見てれば分かるんだけど、本編では特に月の話は出てないので、ほんのり幻覚というか飛躍したツイートとなっております。
ただ今作は所謂「アニメの様式美(≒予兆/Warning)」を「この世界/自分たちを型にはめる規律(≒魔術)」と見做すので(彼女らが書の精霊で既に記述を終えられた存在というのもありそう)、私が一層恣意的にこのアニメを解釈することもまたこのアニメ的だということなのです。たぶん。
ちなみに、その規律への反抗として日常があるわけです。たぶん。
ともあれ、わちゃわちゃした楽しさだけでなく、やってる本人らも(……なにこれ?)とかなってたり、学園内でガチ遭難だとか、旗ぶっ刺した黄色いかき氷食べて一件落着!(何が?)とかやってる奔放さがとても嬉しい回だよ。規律なんてどこにもないぜ!
原作ゲームも最終話見てから手を出してみたんですけど、あれを元にこのアニメが出来るの本当にすごく良いなと思ったし今でもそう思う。情報の出し方、取捨選択の上手さ、換骨奪胎の大胆さと、ソシャゲ原作アニメとしてかなり好みの作りだった。
うん、だから、とても良いアニメだった。

……縦長なのでTOP画像に使えなかったのである。こういうのがいっぱいあるのもゲーム版の良いところ。来年3月でサービス終了ということで図鑑もシナリオも全開放中なのでこういうの好きな人は今すぐDLしようね。
連盟空軍航空魔法音楽隊ルミナスウィッチーズ
第10話「故郷の空」
ルミナスウィッチーズ 第10話、見えることと聞こえること。白昼夢から醒めたかのように瞬きひとつでパッと消えるの大好きすぎる…(プレアデス最終話…………)。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) September 12, 2022
ガリアと違い夢の残滓すら無く(古びたリボンはこれまでとこれからの時間を有しているし、「遅すぎた」も時間の話)、地続きたるこれから
(時間)が見えないジニー。では聴く力も失ったのか、届ける力は本当になかったのか、ということで最終話かな。(ナイト)ウィッチでなくとも大切な/聞きたいと思える音を聴くことは出来る(鈴の音)けれど、ジニーにとっての歌(モフィ)が選ぶまでもなく見せられていた夢だったのならどうなのか。忽
— 小手鞠 (@tumayouzidane) September 12, 2022
然と消えたそれを、それでも信じ選び直すことが出来るのか。これからの時間をどうするのか。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) September 12, 2022
まぁそんな中でグレイス隊長は当然見えないし聞こえない、だけどそれがあることを(信じるまでもなく)知っているわけで。隊長はジニーに先駆ける形で既に歌を選んでいる人だし、何話か前の治療の人もそうい
う人だしで、ジニーもまた自分の時間を自分で選べることは間違いない。そもそもそうでなければ、戦争の中でそれらを取り戻せると飛んで歌って来た甲斐がない。「そんなときだからこそのルミナスウィッチーズでしょ」、真実すぎる。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) September 12, 2022
個人的にはモフィに会う旅をして欲しいところ(見えなくても会いに行
くことはできるし、歌えば聞こえるので)。プレアデスじゃんはそう。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) September 12, 2022
エリーの故郷のとこだとリボンや鈴は勿論、空を取り戻すのがどういうことなのかを、川面や瞳に反射する光で示してるのが良かった。鳥は見えないけどエリーと同じく鳥を送る空を見上げる隊長もだいぶ良い。モフィを送るジニーもそう
あれると…。
— 小手鞠 (@tumayouzidane) September 12, 2022
それぞれが持っている時間を映す情景と語り(見ると聞く)のどちらも雄弁でかつバランスも素晴らしく、後半ゆったり時間を魅せてからの突然のさよならが本当に良い最高の回だった…。
ネウロイによるガリア占領は過去のことで、世界はもうとっくに次を見据えている雰囲気。そんな世界/時勢に少し取り残された感じのエリーと。
書いてないとこだとガリアの川が既に濁りを流し終え清流となっているのも良い。エリーに合わせるとか置いていくとかじゃなく、ただそういうものだからそうなっている。
そういうただ流れるものとしての時間が持つ不干渉性(ただ偶然、今その瞬間に/が訪れただけ)のようなものを語りつつ、Bパで最終話へ向けて最後の問題を提示するというのも良いところ。
メイドインアビス 烈日の黄金郷
第12話「黄金」
ここまでの話も良いし、画面や音響だって強いんだけど、なによりやっぱりファプタの存在の良さがある。その自由さ、ひいては気高さ。
最後の方の、ヴエコはファプタのものではない、所有できないというくだりと似た話だと思うんだけど、作品(或いはその近傍にある物語)の所有物であるキャラクター(最初の使命/生まれた理由=作品への寄与)みたいなところに対して、キャラがそこから逃れ自由になる=描かれなくなることってやっぱ大切だと思うわけですよ。少なくとも、そうあれると示しておくことは。
その真っただ中にあったファプタは自身の命に片を付けて光となる。そんな光の遠さ、手の届かなさ、彼我の距離こそが冒険を生じさせる。めちゃくちゃ良い。だからファプタには同道して欲しいけどして欲しくない……。
原作読んでないからこれからどうなるかは知らないけど、この最終話での、光となり、ただファプタの残した声と文字だけがあるっていう締めはやっぱすごく良い。
……ところでこういう作品とキャラクターの話の最前線って今どこなんですかね?(全然更新されていない)
不徳のギルド
第7話「ムリゲー/ミントアイス」
全話通してめちゃくちゃ面白かった。たぶん全話締めにアイリスアウト/イン使ったよね。すごいアニメだ……。今年全体で見ても1,2を争うレベルで毎週楽しみなアニメだったよ。
その中でも目立ってたということで7話です。でも一番好きなとこは「ご笑納ください」です。迷ったけど人妻パワーすぎるかなって……。
この7話は「これまで魔物による死者も普通に出てるらしいけど、なんか君ら毎回ポップにエロいことされてるじゃん」というギャグアニメな印象を吹っ飛ばす激ヤバなボス戦(邂逅編)です。そうやってマジで吹っ飛ばせるの中々に凄いよ。
人よりデカく知能があり極めて俊敏で致死毒を持ち敵意を察知し先んじて回避行動を取れる鉄より強靭な糸を持つ蜘蛛、怖すぎる……。これが最初のボスとか新人にはキツいよ。トキシッコさん普通に死ぬ流れだったよ(なぜいつもの捕獲≒エロ導入でなく必殺動作だったか、にもちゃんと理由が……)。
日陰を進みつつさらに深い影に踏み入って(演出的な予感から)一拍遅らせた奇襲からの一連、ほんと良かった。刺された時の演出がよくある小さく時間飛ばした止めの絵を繋ぐやつだったから、服薬の瞬間は画面に映ってなかった(表現として当たり前に欠落してたのを利用した)っていうのも面白い。なにその発想。トライナリー?
そこ以外も全編通して特にトキシッコの作画的かわいさが凄い。だうな~とか振って杖の炎消す所作とか。あとその蜘蛛やべーって厨ポイント数えてるときのトキシッコの手もなんか好き。
その後のエロシーンもちゃんとえっちくて良い。歌のアニメが歌で勝負するのと同じなので、まぁ大切ですよね。ボス戦の緊張感としょーもなお色気&ギャグパートの緩急の良さでもある。ギャグが面白いので安心して見てられるよ。
この作品全体のことでもあるけど、何気ない描写や状況が後々のための前置きや伏線になってて感心する。今回のヨケグモ編も後半でキクルが街(他人)を避けて来たことに繋げて落とすしね。そんな硬派なエロコメだよ。
以上話数10選でした。
こうしてみると、好きなキャラが居るかどうかが結構選出に影響してる気がする。例えば10選候補に挙がってた明日ちゃんとかヒラガ、DIYやぼざろなんかは、画面の良さはめちゃくちゃ感じるんだけど、キャラに関して個人的好みのラインに乗らなかったって感じかなぁと思う。
ともあれ、ちゃんと好きなアニメを挙げられた気がして満足です。
おまけ1・2022年アニメOP5選
が! ちょっと文量が物足りないな……ということでおまけのOP&EDです。やったことなかったしね。
WEB配信系のアニメは今年そんなに取り上げたいの無かったなーというのもある。MVだとやっぱ22/7の「曇り空の向こうは晴れている」が良かったけど、それ以外のを碌に見てないのでまぁ。ナナニジアニメ2期やろう?
明日ちゃんのセーラー服 「はじまりのセツナ」
本編も10選入れるか最後まで迷ったくらいの出来の良さなんだけど、OPに関してもま~強い。ちなみに入れるなら1話だった。7話はピアノの切り方がめちゃくちゃ気になってしまって……。
頭サビ終わりの小路の顎引きとサビ入りの足のタイミングが気持ち良すぎて好き。
デリシャスパーティ♡プリキュア
「Cheers!デリシャスパーティ♡プリキュア」
あまね合流後の現行版が公式に無かったのでこちらでぺたり。
正直なところ歴代プリキュアOPで1番好き。
まずド頭の一人ひとり入ってくるとこでもう最高になっちゃう。単純にカワイイってのもあるけど、特にあまねの曲合わせの入りがめちゃくちゃ良い。この時点で泣ける。その遅れが追加戦士でも全然間に合うよって感じの受け入れ方に思えるのも良いしね。マリちゃんに拓海も入ってくるのもすごい良い。調べてないけど、最初のカットからプリキュアと妖精以外が居るのって珍しい気がする。
そっからもずっと可愛いし、ブラペと一緒に空から来るのもプリ5的なヒーローの側面ですごい良い。そしてゆいの笑顔で締め。もう完璧よ。
ただまぁ、私自身は食に全く興味ないってことだけがアレ。
てっぺんっ!!!!!!!!!!!!!!!
「てっぺんっ天国 ~TOP OF THE LAUGH!!!~」
映像的にも曲的にも今年一番好きなOPだと思う。上でも書いたけどセレブリティーパートが特に好き。ティーカップ持った手が上に流れてくとことかめちゃくちゃ良い。画面的には次いでヤングワイワイパート(頭もサビも)が好きかな。動きが良すぎる。
このOPからあれらの本編が飛んでくるのホント酷くて良い。
メイドインアビス 烈日の黄金郷 「かたち」
OPもつよつよアニメなのであった。曲は勿論のこと映像も良い。上下分割からの光の線、瞳、硬貨あたりの光の転換とか好き。その果てのファプタなのかなー。
モブサイコ100 Ⅲ 「1」
これの6話と最終話も10選候補だったやつ。本当に良いアニメだった……。
私はこういう、歌詞を単なるテロップじゃなく画面に埋め込むようなOPがあんまり好きになれないんだけど(最近増えててちょっとアレ)、これはサビ後半の手のラッシュがめちゃくちゃ良いので良い。泣いちゃう。
おまけ2・2022年アニメED5選
続いてED編だヨー。
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 「selfish」
二期決定おめでとうございます!!!!!!!!!! 素朴に嬉しい。
私は異世界転生系アニメってあんまり上手く乗れないことが多くて、別にこれも乗ってたわけではないんだけど、乗れてなくたって割と好きなアニメってあるよね。それです。
キャラクターに愛らしさとか愛嬌とかを感じられたし、話も「メタ知識持たされた主人公って、そのために根本的に世界からハブられてて、ちゃんと転生が出来てないよね」みたいなところが見えて、主人公のそういう無自覚な態度にヒロインが中指立てるっていう、結構キャラの関係性含めて面白いアニメだった気がする。
で、このEDはそんなキャラの愛らしさがめちゃくちゃ上手く表れているEDだと思うんですよね。まぁ要するに好きな曲で、キャラも好きになれるEDだなって。
ヒーラー・ガール 「Believe like Singing.」
やっぱこういう系の歌が好きっぽい。本編も文句なしに面白かったですね。会話や表情、所作などのやり取りや、やりたいこと表現をやるための設定も丁寧に作られてたし、言わずもがな作画面的にも常に一段上の出来だったと思う。
このEDも止め絵を前振りとしつつ(それも良い場面ばかりではあるけど)、サビの歌詞に合わせるような「師匠」で(それこそ師匠とリンクするように)ぐいっと意識を今に引き戻す。やっぱここが一番良い。
Extreme Hearts 「SUNRISE」
youtubeになかったのでこっちでぺたり。
最終話とか結構良かったんだけど、ライブ曲よりいつも聞いてたSUNRISEの方が好きだったのでやっぱり難しい。ていうかだからこそブログで視聴版出したから聞いてねーってしてた(らしい)のかな。ブログの存在は1話時点で知ってはいたけど、まぁ、私そういうの全然手出さないタイプだから……難しいね。
悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました「ノミック」
めっちゃ良い曲! ということでこちら。フルも良い。
モブせかのとこで書いたようなことをライバルが背負って、唯一対等と見做せる主人公にちょっかいかけてる感じ。
んで、このEDの歌詞のように、主人公は自身も含め関わる「キャラクター」たちを愛で破壊していくと。
烏の行進や影絵だったりと中々に魔術的、儀式的というか、まんま悪役の主題歌って感じで良い。それらを動かすタイミングも良いし、こういうSD系というか本編からズレた絵柄のEDでは珍しく好きなやつ。
……まぁ殆ど歌手追いしない反動として、ブルリフRの影響が全くないとは言えない気はする。
万聖街 「まわりまわる」
可愛らしい男どもを見たいならこれを見ろ、でお馴染みの万聖街のEDです。ぶっちゃけ中国の方がそういうの上手いよね(時光も良かった)。
同居人が増えて交流が増えて、トラブルも当然増えてまぁ色々とごちゃってなったりするけど、離れがたい緩やかな繋がりも感じている、そういう真っ当で素直な世界がこっちにも伝播するような良いEDだなあと思います。
モブせかやヒラガもそうだけど、個人的にはこういうちょっとアルバムを捲るってくらいの、ささやかな日常があるEDが好き。
曲自体めちゃくちゃ良いし、フルのMVもだいぶ好き。
以上!
振り返ってみるとやっぱり今年も面白いアニメがたくさんでとても充実したアニメ生活だったなーって思います。
来年もいっぱい良いアニメ、楽しいアニメ、好きなアニメに出会うため、アホほどいっぱいアニメを見るぞー。おー。