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ロマンティック化。

ロマンティック化(Romanticize) ── 深刻な問題を美的に変える若しくは覆い隠す事によってさほど深刻でないかのように感じさせること。


私にはこの傾向があるように思える。多くの海外コミュニティでは禁句だけれど。

正直に述べると、問題を問題視しないことはそれほどいけないことなのか?と疑問に思う。私は事なかれ主義なので何でもかんでも深刻に扱う人は面倒臭く感じる。




ところで話は少し変わるけど、精神疾患に対する神話というものがあるのだけれど。「神話」というよりは「誤った解釈」といった方が近いかな。
簡単に言えば「精神疾患は芸術性を高める。精神疾患を治療すると創造性が失われる。」といったようなもの。

私はそれが誤っている事が分かる。本当に精神疾患が深刻な時は芸術どころではない。それを身をもって経験した。なのでそういった状態から回復するために治療は必要だ。
「精神疾患の状態にある時ほど創造性が高まる」というのは大きな間違いだけど、「精神疾患の状態を経験したことによって創造性が高まる」というのは間違いではないように思える。精神疾患を経験する事によって健康な精神状態の時には感じられなかった何かを感じることができるのだから、それだけ視野が広まったのではないだろうか。

「精神疾患をロマンティックにする人」は精神疾患の患者を軽視したり差別したり侮辱したりなどは決してしていなくて、病的な精神状態を経験してある程度回復してきた時に当時の心境を芸術として残しているのだと思う、少なくとも私はそうだ。そしてそれがしばしばロマンティックになるのは具体的にネガティブ面を描写するほどフラッシュバックや症状の再燃を起こすから避けているのだろう。

そう考えると、精神疾患のロマンティック化はそれほど悪くないように思える。
精神疾患の “状態” は創造性をもたらさない。しかし、精神疾患の “経験” は創造性をもたらす。つまり治療の先に創造性を手に入れることができるのだから治療は必要である……という結論に行き着いたのだが、どうして精神疾患に由来したアートはこれ程も批判されるのかが理解できない。

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