紡いで編む*春待ちの靴下
ソックヤーンでの靴下は何度も編んでいますが、そのうち自分で紡いだ糸でも編みたいなとぼんやり思っていました。
ソックヤーンというのは靴下編み用のウール混紡で、市販品の多くはウールに7:3や8:2などの割合でナイロンなどの合成繊維を併せているものです。
自分で紡げばこの素材も割合も自由自在。
「糸から考えて作る靴下」というのも楽しそうじゃないですか。
手紡ぎ糸で編むのはまた風合いも違うでしょうし、洗濯でのフェルト化もどうなっていくのか知りたいです。
なので、ウール100%の靴下から始めてみたいなと思いました。
メリノ100%を50gが空色に染めてありましたので、これを紡ぎました。
水色がベースで、所々に黄色やピンクや緑といった色をアクセントに染めたメリノ100%のスライバーです。
スライバーをこんな風に多色染めをするのは楽しいのですが、どう紡ぐかが悩めるところです。
このまま紡ぐ、割いて紡ぐ、軽くカードしてしまうなど方法が沢山あり、それぞれ色の出方が異なる糸になるのです。
初心者の私は双糸にする事を前提に半分に割き、またその半分をいくつかに分割して紡ぐことが安定のやり方になっています。
こういった部分も色を生かすような形でゆっくり計画しながら紡げたらなと思うのですが、なかなか安定の方法へ逃げてしまっています。
次回こそは違うやり方に挑戦しよう。
使いなれているので、中細サイズを目指して紡ぎました。
思う細さには出来ているところもあれば、合太?というようなところもあり、均一な太さというのが難しいままです。
紡いでいる時は張っているので少しの差に感じるのですが、双糸にして糸が膨らむとグンと細さの違いが目立ちます。
それは手紡ぎの持ち味でもあるので良い面でもあるのですが、もう少し控え目なメリハリ程度になりたいなぁと思います。
まだまだ回している回数が少ないですから、やっぱり練習あるのみですね。
先にご紹介したスライバーだけでは足りない事が予想できたので、20gずつ青と緑の羊毛も紡ぎました。
写真を残し忘れましたが、緑も青と似た感じです。
これらは濃淡があるように染めたのですが、紡いだらほぼ目立たない結果になってます。
単色で濃淡の糸にするには、もっと色の差が必要なんですね。
さて、ようやく糸も出来たので編みましょう。
糸がいつもより太いですし、パターンは用意せず編みなれた模様の無い基本タイプにします。
トゥアップでジャーマンショートロウのカカト、ショート丈で2目ゴム編みのリブです。
私のBasicソックで編むときは2.25〜2.5mmの針で、20目始め60目の足回りなんですが、今回は糸が太めなので3mm針で16目から48目にしました。
細いのに慣れてしまっていましたが、太い糸は早いし弾力が凄いです。
ザクザクと編み進むと、素朴感満載な編み地が出来上がっていきました。
多色染めのスライバーのおかげで、柔らかな滲むような色が見えます。
先染めの色はこんな風にじわっと出るのが、いいところだと思います。
インステップ中間で、早めに緑を色替えで編み入れていきました。
カカトは青にしてポップにまとめます。
今までぼんやりしたトーンでしたが、一気に引き締まって元気な感じが出ます。
レッグに戻り、残量も心配なので短めな位置でリブにしました。
リブもまた引き締まるよう青を使いました。
カカトとバランスが取れてしっくりきますね。
少し時間を掛けながら、もう片方も編みました。
初めてのメリノ100%靴下です。
暖かい!段違いで暖かいです。
そしてモギュモギュの踏み心地がします。
伸びのある編み地で締め付けもなくて、ほわーっとした履き心地がしました。
スキーも登山もしないので厚手の靴下とは無縁でしたが、足を入れて「そうか…そういう事だったのか」と、納得の感触でした。
寒さと暮らすには、この厚みと保温力は間違いなく恵みの素材必要です。
蒸れるようなじっとりさもなく快適です。
メリノですし、今のところチクチクとした嫌な感じもありません。
今後心配なのが履いた摩擦や洗濯などのお手入れで、どのくらいフェルト化が進んで行くのだろうという点です。
出来るだけ綺麗に長く使いたいと思いますから、確かめて書き残せればなと思います。
今週はまた寒さがぶり返すと聞きました。
春が来る前に完成出来てよかったです。
末端冷え性なので、暖かい飲み物とこの手編みの靴下で乗り切っていきたいと思います。
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