見出し画像

染めて編む*Ripple Lake Cardigan

昨年素敵な夏ものカーディガンを見つけたのですが、すでに秋が始まっていた為タイミングを逃し編みそびれました。
それがRavelryのこちらのパターン。

中細糸で編むレーシーなデザイン。
背中側にはタックが寄せてあり、ゆったりしたシルエットが可愛いのです。
今じゃないけれど、絶対編みたい!と心は決まっていたので、その場でパターンも購入しました。
ゴテゴテな編み地はあまり編んだ事がないので、難しかったらどうしよう?と多少の心配はあったのですが、Joji Locatelliさんのパターンは以前にもSPECTERというプルオーバーを編んでおり、とても分かり易い構成や手順だったので多分大丈夫だろうという楽観的な気持ちで臨みました。

季節が巡り春。
販売制作等で押され、少し遅い梅雨時期からのスタートとなりましたが、極細なシルクレースを染め用意しました。

パターンサンプルの青も素敵だったのですが、黄色に染めました。
1色で編むより深みが出ると思うので、3色を引き揃えて編みます。

実はこの糸、某オークションサイトで工業糸として激安出品されていた物でして、編み機の練習にと思い購入しました。
1着編んで、やはりお値段だけあってあまり良い糸ではなかったんだなと思っていました。
それが何だか洗濯を重ねるうちに、良い触りとなっていったのです。
もしかして洗いが足りなかっただけかもしれないと、今度は染めの前に念入りにソーピングをする事にしました。
工場糸なので余分な油も纏っています。
濯ぎ水が茶色、茶色、茶色と濁っていたのですが、念入りに回数を重ねるうちにそれもスーッと消えて絹のキュッとするような白さのある生成りに変わりました。
これなら今度は最初から手触りの良いもので編めそうです。

スワッチです。
SNSで工業糸ならば編んだ後に、縮絨をと教えていただきました。
不勉強でしたが、工業糸は大きめに編んでソーピングや縮絨するものなのですね。
私は染めの為に先に洗ってしまったので、これで作業は済んでいる状態と思ってました。
縮絨はしたほうが手触りが良くなるそうです。
スワッチで試しましたが、糸が細いせいなのか、恐る恐るしたせいなのか、目立った変化の無い結果となりました。
糸により違いもあり、加減は好みだと思うので今回はこれでヨシです。
こういうのは経験を増やすしか無いと思いますので、また別な糸で違いを試したりしてみたいです。

左身頃を編んだところ。
このパターンは裾や襟ぐりから編むタイプじゃなくて、前後をつなげた横向きで編むものなんです。
左右身頃の半分の長さ同士が繋がって後ろ身頃になり、残った半分の長さが前身頃として、左右に分かれるわけです。
うーん、説明が難しいですね。

左右身頃を編んだところです。
この下半分を繋ぎます。
上のカーブが襟ぐりになるんですよ。
そして念願のタックを作りました!

これ、模様がずれない様に留めるのが凄く難しかったです。
ここがサンプルパターンは、綺麗に蝶のような模様になってるんですよ。
サイズによってそれは変わってしまうのだと、編んでから気が付きました。
その美しさが一目惚れした理由の一つだったので、ちょっと残念です。
タッグが綺麗に出るかは、この模様の位置にもよると思いました。
私のサイズではウネるガーター模様が膨らむので、羽織り方によりヒダが斜めによってしまいそうな気もします。
ズルい作業かなと思いましたが、あまりズレが起きないよう後ろから共糸で縫い止めておきました。

襟を編み、袖を編みます。
長袖も考えましたが、元々半袖のパターンなのでそのままにしました。
長袖を編む場合は、袖ぐりから拾うと逆模様になっちゃいますよね。
模様が繋がるよう袖口から別パーツで編むほうが良さそうですね。

編み上がった状態です。
この後、縮絨をしてみました。
洗濯機でガンガン回すというのはちょっと怖いので、手で軽くしました。
スワッチのことを考えてもほぼ変わらないと思いますが、サイズが変わるほうが困るのでそれで良いと判断しました。

Ripple Lake Cardigan 完成です。
ダボっと羽織りたいのでXLを編みました。
7月から9月半ばなので、少し掛かりましたね。
こんなに模様しっかりも久しぶりなので、かなり充実感ある作品です。
色も好みにバッチリでした。

遠目には単色に見えても、近寄ると混色の良さが出てます。
くすんだ色を引き揃えに入れる事で派手さが無い発色になれたのが、狙い通りで嬉しいです。

後ろのスタイルも良いです。
後ろ身頃側は少し下がるので、十分に背中側をカバーしてくれています。

暦は秋といえど、今日も外気温32度という暑い毎日ですから、まだ暫くは着られそうです。
秋口ならシャツに重ね着というのもアリですよね。
慣れるまでは模様編みが果てしなくて、続けて編めない日々もあったのですが、なんとか着られる時期に間に合って良かったです。

あー、楽しかった!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?