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憧れの糸紡ぎ機

糸紡ぎに興味を持ってから、いつか糸紡ぎ機で紡いでみたいと憧れていました。
素敵ですよね。
カラカラと回転する糸車と、手からスルスルと伸び紡がれていく糸との静かな時間。
童話の世界に出てくる昔の道具、特別な技術を習った方が使う道具、というような認識でいました。
なので、こんなにもスピニングが人気があり、プロアマに関わらず糸紡ぎ機を愛用している方が多いとは思わなかったです。
編み物はずっと好きでいましたが、糸のその手前の状態の楽しさに気付かずに過ごしてしまったのは、勿体なかったなぁと思います。
羊毛フェルトも結構遊んだのに、その流れの中にスピニングがあったとは!
灯台下暗しですよ。

遠回りはしたものの、やっと辿り着いたので早く挑戦してみたい所なんですが、思っていた以上に糸紡ぎ機というのは高額でした。
安くても5万円台。
送料も掛かるし、他に紡ぐ前の道具もいるし、欲しい取付パーツもあるし、紡ぐ為の羊毛も山ほど欲しいです。
しかも、ベテランの方の記事などを読むと複数台お持ちのご様子。
湯水のようにお金が掛かる恐ろしい趣味じゃないですか。
え、こわ。

糸を紡いでみたいが、そんなに注ぎ込めるほどの財力がありません。
鹿児島は羊より和綿と織りの地域なようで、近くで習うのは無理だと思います。
ネット情報のみが頼りな環境なのに、そんな高額なものに手を出して良いのか非常に迷いました。
そもそも、紡ぐ事を楽しい!もっとやってみたい!と感じられるかどうかも分からない状態なんですもの。

やってみない事には、楽しいのか、出来るのか分からない。
結果的にそう判断して、初心者の基礎の基礎であるスピンドル紡ぎを、最低限の道具だけ購入してやってみました。
買ったのはスピンドル2本、羊毛を解す為のハンドカーダー、紡ぐ為の羊毛です。
全部で8千円くらいだったでしょうか。
長い放置の期間を経てはいますが、何とか先日糸として形になるものまで辿り着けました。

一度とはいえスタートからゴールまでは行けたので、何だか自信はつきました。
俄然楽しかったですし、もっともっといろんな色が混ざって糸の形になるのを見てみたい、そう思えました。
丁寧に進めている感触で、スピンドルで紡ぐ事もとても楽しかったです。
机上でしか知らなかった糸になる過程が、スピンドルのお陰でゆっくりと手を通して理解が出来ました。
ただ、時間が掛かるのが難点です。
私、編み物もしたいし、染め糸も作りたいし、やりたくない仕事もしなくてはなりません。
あんまり時間を取られてしまうのは辛いです。
やっぱりここは数倍も早い糸紡ぎ機を手に入れたいところ。
これから出逢えるかもしれないワクワクと時間を天秤に掛け、思い切って後悔しないような1台を買うことに決めました。

数ある糸紡ぎ機から後悔をしない1台を選ぶ。
初心者のくせに随分とハードルを上げた選択ですが、その後の出費もそこで大きく変わってしまうので、慎重に選ばないといけません。
初心者の一台はAshford社のトラディショナルを選ぶ事が多いようです。
The  糸紡ぎ機!という感じで、絵本の世界で登場するようなフォルムは、無茶苦茶素敵です。
シングルドライブ、ダブルドライブとあり、はずみ車の回転の調節の仕組みが異なるので好きなタイプを選ぶ事になります。
他に白木のままかワックス塗装済みかでも、値段が少し違ってきます。
はずみ車の回転比というのは数字が大きいものは早く回るそうです。
少ない数字が並んでいるものは、沢山ペダルを踏んで回転させる必要があるようでした。
そいういういろんな点から見て他の機種と比べ、最初の一台にとっても良い選択となるのだなと納得出来ました。

ただこのトラディショナルさん、横に大きいんですよね。
形は凄く素敵なんですが幅を取ってしまうので、うちの狭い部屋では辛いところです。
なので、出来ればコンパクトな縦っぽい形のものが欲しいかな。
例えペダルを多く踏む必要があるとしても、それは運動を兼ねられるとポジティブに捉えようかなと思います。

何社かありますが購入出来そうなお値段で選ぶなら、やっぱりAshford社でしょうか。
キウイ3、トラベラー、ジョイ2、この辺りで選びたいのですが、レビュー記事を見ると賛否ある状態。
うーーー、どうしたらいいのぉ!と毎日毎日、やっぱりこれ!やっぱりこれ!とコロコロ決断が変わって注文出来ないでいました。

そこへなんと!思いもしない救世主が登場です。
販売サイトも見ながら、同時に各種フリマ系サイトもチェックしてたんですが、出てたんですよ、掘り出し物の糸紡ぎ機が!
Spin Olution社のEchoという機種です。
アメリカ製なんですが、HPを見るとsince 2015とあるのでまだ新しい会社のようです。

理想的な形やペダルの揺れ方など、動画を見て一目で惚れ込んでしまいました。
備わっているものだけでも十分に細い糸からアートヤーンまで幅広くこなせるのですが、別にフライヤーを買い足したり、パーツを付け替えることで、複数台持たなくても将来的に楽しみを増やして行けそうです。
まさに出逢いです!出逢っちゃったんですよ。

私は中古品でも全然気にならないので、即この商品で決断しました。
お値段は想定していたものよりかなり上だったんですが、他を新品で買うより、傷があろうが絶対お得だと思ったんです。
出品者様にも非常に良い対応をしていただき、あれよあれよという間に自宅に届きました。

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早く組み立てて動かしたいところですが、染め糸出品を控えてたので簡単に動作等の確認だけして数日保管でした。
すっごく軽くはずみ車が回るので、びっくりでした。

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そして一昨日、やっと組み立てです。
と、言ってもネジ止めるのは両側のパーツのみ、計4箇所です。

ジャーン!
こちらで完全でーす!
可愛くて機能的なフォルムですよ。

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はずみ車の中央、パカっと開いてここからブレーキベルトを通して、はずみ車に引っ掛けました。

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これがフライヤーパーツです。
下の黒いネジで本体と合体します。
これは8ozなんですが、この部分が他に4oz、16oz、32ozと変える事が出来ます。
8ozで十分大きいのですが、32ozが必要なアートヤーンってどんなモコモコさなのでしょうね。
(この機種は使えませんが64ozというのもあります)

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テンションの調節はここで。
どのくらいにして良いのかよく分からないですが、とりあえずカタカタ言わない程度に締めてみました。

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この会社の製品は、オフィリス(吸込み口)がマグネットでくっつくところが画期的です。
ボビンの向こう側もマグネットでくっついてまして、交換が非常に楽です。

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ボビン3個と2種のオフィリスが付いてました。
アートヤーンにはフックが良いみたいですが、動画を見ると普通タイプな糸もフックでされてました。
どっちでも良いのかなと思いますが、しばらくの練習はチューブタイプでしてみようと思います。

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前所有者さんが紡がれていたご様子の羊毛がボビンに付いてました。
いろんな色が混じっていて綺麗。
私はモッコモコなアートヤーンより、普通なタイプの糸で色が楽しいものを紡ぎたいなぁと思ってます。

ちょっと紡いでみましたが、ショートドローというオフィリスに近い地点で紡ぐのは出来ていそうなんですが、ロングドローという長く後ろへ引っ張って紡ぐのがとっても難しいです。
すぐ後ろに引く羊毛が細くなって千切れそうなのです。
動画見てると、ゴムみたいに伸びてるんですよ。

一度も触った事のない道具なので、練習あるのみだと思います。
羊毛フェルト用に買っていたコリデールとメリノのストックがあるので、これを全部紡いでしまおうと思います。
もう買ってから10年くらいになりそうなんですが、捨ててしまわず取っておいて良かったです。
当面の目標としては、安定した中細糸が作れるようになる事を目指したいと思います。

まずは夢の第一歩、

おめでとう私。

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