オンラインで原毛洗いを受講
羊毛紡ぎにおける初心者の壁の一つで、原毛洗いがあると思います。
原毛とは刈り取った状態の毛のことをいいます。
洗い済みのもの、綺麗に整えてある状態のものも販売されてるんですが、洗うところから自分ですることが出来れば、工場に頼ることなく自分の手だけで作った糸となります。
羊を育てる、刈る、の部分は牧羊地などを持たないと無理な話なので、現在の自分には到底叶えられませんが、洗うところからだったらされている方も多いし、何とか頑張れるかもしれません。
ただ、その洗い方がとても繊細な作業です。
温度や動かし方を間違うとフェルト化してしまい、思うような柔らかな毛糸には紡げません。
私が最初にスピンドルで作った毛糸のチェビオットは、無知のまま雑な洗いをしたので硬く縮れた仕上がりになっています。
ギリギリかしら?と思えましたが、今考えればあれはフェルト化だったと思います。
また、動物たちは当然お風呂には入ってないので、刈り取ったばかりの毛には沢山ゴミや汚物がついてます。
書籍や動画を見ても、これをいつ落とすべきなのかよくわかりませんでした。
動画で見たものは、最初わら屑だらけだったのに洗ったらほとんど無くなってました。
え?いつ消えたの?お湯で自然ととれるものなの?
疑問が湧くけれど、数年前にUPされた動画にコメントはしづらいです。そんな、楽しそうだけど難しそうと足踏みしていた私に、Twitterでとても気になる情報が入ってきました。
え!オンラインで教えてもらえるの!?
いつも講座の募集は遠いところばかりだったので、見ても行けないよーと悲しむばかりでした。
オンラインとはなんて素敵なんでしょう!!
早速、販売サイトの方を覗きにいきました。
お!私と同じBASEじゃないですか!
オンライン講習つきで送料込みなのに。。。。や、安い!
そして説明にも惹かれる一文がありました。
国産羊毛は外国の羊毛と種類も飼育方も違うことから、汚れのつき方も違います。
サポートするのでぜひ挑戦してみてください。
なるほど!
それならば尚更教えてもらったほうが良いに決まっています。
日本の羊毛の多くは捨てられてしまうと聞きましたし、気軽に利用できるようになれるなら、積極的に国産羊毛を紡いでみたいです。
迷う理由はゼロなので、即ポチりました。
ついでに私、BASEでのお客さん側を初めて経験します。
ほうほう、購入をするとこういう感じでメールが来るのねと、その辺りもしっかり勉強もさせてもらいました。
購入から暫くして、商品が到着です。
羊毛が2種類、ネット袋、洗剤のネリモノゲン、解毛作業練習の為の洗い済み羊毛がセットで入っていました。
その後、先生とメールで大変ご丁寧なやり取りをして頂いて、日程を決め洗う日を待つ事になりました。
嬉しかったのが、羊たちの写真が入っていたことです。
洗う日を待ち遠しく思いながら、この子達なの毛なのかーとセットを開いては、まだ汚れている羊毛に触れてみました。
洗っていない羊の毛は、防水効果のあるラノリンという分泌された脂分でベタっとしています。
ラノリンは化粧品や工業品のグリースとして使われてきたとか。
全然知りませんでしたが、羊って知れば知るほど生活に密着している生き物なのですね。
凄いよ羊!
そうして、今日ついに待ち望んだ原毛洗いの日を迎えました。
ドキドキしながら画面越しのご挨拶です。
笑顔が爽やかな明るい先生で、緊張も徐々に解れていきました。
作業は段階的に指示をしてもらう流れでした。
こうしておいて下さいねー、何分になったらまたオンラインで繋ぎますー。
何をしているの?とうちのビビさんも堪らずちょっかいを出しに来ます。
獣臭が強いので、興味津々ですよ。
白い羊毛はチェビオット、柔らかそうではあるけど黄ばんでガザッと纏まってます。
黒い羊毛はサフォーク種だそうで、ボテっとした手触りでした。
毛先が油分と汚れでくっついて固まってます。
このベッタリ重そうな毛が本当に柔らかくなるの?と思ってしまいますよね。
技術的なことは書けませんが、先生は細部までとても丁寧に教えて下さいました。
そして、常にこちらの羊毛の状態も確認もして下さいました。
やっぱり、先生に確認してもらえるというのが、講座で教えてもらう一番の利点だと思います。
そして、もうお一人一緒に受講されている方がいたので、沢山情報も教えて頂きながらワイワイと賑やかな時間でした。
同じ共通点をもち参加している方と話す事ができる。
これもまた講座を受ける醍醐味です。
どれどれ。
ちゃんと洗えているのかしら?
洗いながら、中身をこっそり確認してみました。
ちらっ!
おおー、柔らかそう!
明らかに最初より、白くなっているし解れているのが分かります。
ここから濯ぎ作業も終えて、計4時間30分ほど掛かりました。
待ち時間や休憩時間もあり、話の盛り上がりもありつつなので、体感としてはそんなに掛かったんだ!と驚くくらいあっという間でした。
緊張の出来上がり、フェルト化チェックです。
おおおおお!どこも固まった感じは無いです。
わー、嬉しい!!成功ですよ!!
白い毛は光ってるし、黒い毛はどしっとした重さが抜けフワッとなりました。
これで洗いは終わりですが、まだ濡れているので乾燥させて本当の完成です。
残念ながら大雨警報なので、家の中で乾燥です。
いやー、面白かったですよ!!!
洗う作業も、オンラインで受講出来たことも、羊や紡ぎのお話が聞けた事も、全部が貴重な4時間30分でした。
なんといっても、次は原毛で買ってみよう!という自信が出来ました。
多分いつものように、動画や書籍で調べたままだったら国産と外国産の違いなど、分からないまま洗ってまた失敗していたと思います。
独学で調べ間違う事も大事だとは思ってますが、このように利用出来る機会に恵まれている時は出来るだけ挑戦してみたいと思っています。
吉田先生、良い機会を作って下さりどうも有難うございました。
今回教えて頂いた事を活かしながら、楽しく紡ぎを勉強していこうと思います。
今日まで夢は紡いだ毛糸でウェア編むだったんですが、羊の毛1頭分で買って紡いでウェア編むに変更したいと思います(笑)
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