新入生必見!教養教育科目について先輩に聞いてみた!

教養教育って何??

大学を卒業するうえで学部を問わず履修しなければならない科目群、それが教養教育科目(以降、教養科目と表記)です。この記事では、「そもそも教養科目とは何なのか」「どんな特徴があるのか」「どんな科目があるのか」などについて書いていきたいと思います!

I. 教養科目の履修方法

教養科目のうち選択科目は好きなものを自由に履修できますが、注意しなければ履修できない・卒業要件を満たせないという条件が設定されています。以下では、人社に入ったとある新入生が、知り合いの先輩に履修相談をしている場面を通して、これらの条件について解説していきたいと思います。

※以下では『現代政治を見る眼』という科目を例に挙げました。内容等はあくまで昨年度のものですので、今年度履修を希望する方は各自シラバスを確認しておいてください。

新入生:先輩、今日はよろしくお願いします!
先輩 :よろしくね!

新入生:早速ですけど、『現代政治を見る眼』って科目、どんな感じなんですか?
先輩 :そうだね... たしか、日本の選挙制度とか政党政治とかについての基礎的な内容を取り扱っていたと思うよ。この科目、興味あるの?

新入生:ありがとうございます!政治について興味あるので、履修したいな~って思ってます。
先輩 :そっかぁ~ 念のため、学務課が出している教養科目の時間割表を見てみようか。

新入生:わかりました! あれっ? 僕の学部だと『現代政治を見る眼』が開講されている時間帯は空白になっていますよ... これってどういうことですか? 先輩 :それはね、君の学部の学生はこの時間帯の講義を履修することができないという意味なんだよ。

新入生:それじゃあ、僕はこの科目履修できないんですか?
先輩 :いや、そうとも言えないよ。ほら、下の方を見て。2年生だと履修できるみたいだよ。
新入生:それはつまり、今年は無理でも来年度なら履修できるかもってことですか?
先輩 :その通り!

新入生:なるほど… あと、これはあくまで万が一の話なんですけど、もし事実上必修みたいな専門科目と教養科目がかぶっちゃった場合ってどうすればいいんですか?
先輩 :まあ、1年生ではなかなか起きないことだけど、確かにそういうことはあるよなぁ… 事実上必修みたいな科目と被っちゃったときとかは教養科目を3年生になってから履修するってのもありだね。

新入生:えっ、3年生で履修してもいいんですか? てっきり2年生までしか履修できないものとばかり思ってました…
先輩 :そうだね。これ、ときどき誤解する人がいるんだけど、別に教養科目は無理して1・2年生のうちに取り切らなければならない科目じゃないからね。実際、俺の知り合いには3年生だけど教養科目履修するって言ってた奴もいるからね。特に教養科目の履修すべき単位数が多い人社だと『3年だけど教養科目取らなきゃ...』って言う学生も少なくないんだ。」

新入生:なるほど... 要は卒業までに必要な単位数を取ってればOKってことですね?
先輩 :その通り!

新入生:ちなみに僕、理科とか数学とか苦手なんですけど、そういう感じの科目を履修せずに卒業することってできますか?
先輩 :もしかして、自然&科学技術を履修したくないってことかい?? 悪いけど、それはできないんだよ... 履修の手引きを見てごらん。君の学部だと最低でも4単位は取らないと卒業できないシステムになっているよね。

新入生:・・・
先輩 :履修の手引きにある『修得すべき単位数の表』にある必修単位はね、必ずその単位数は修得してないと卒業できないよって意味なんだ。

新入生:わかりました。選択の方は好きな科目を合計10単位分履修すればよいということですか?
先輩 :そうだよ。つまり、必修単位さえしっかり修得していれば、選択は好きな区分の科目を履修することができるんだ。ただ、各区分の上限単位数を越えちゃうと卒業要件外っていう扱いになっちゃうから、そこだけは注意しな。

新入生:わかりました!今日はありがとうございました!
先輩 :いえいえ~ 履修申告頑張ってね!

II. 教養教育科目とは??

ここまで教養教育科目の履修方法を見ていきました。

では次に、教養教育科目とはそもそも何なのか、またなぜ履修しなければならないのか、これらについて押さえておきましょう!

履修の手引きには、教養教育の目的として次のように書かれています。

岩手大学は、すべての学生が共通に学ぶべき教養教育を提供し、それぞれの学生が所属する学部にかかわらず、多様な学問領域の基本的知識と基本的思考方法を修得するとともに、幅広く深い教養と総合的な判断力を身につけ、社会や文化の持続的発展に貢献できる豊かな人間性と高い倫理観、並びに多様な人びとと協働するためのコミュニケーション能力を培うことを目的とする。

この内容を要約すると、「専門教育だけでは得にくい知識、思考方法、スキルなどを得る機会として教養教育を行うことにしているよ~」ということになるかと思います。例えば、地域経済の研究をしたい場合、経済学の知見”しか”ない人よりも、経済学以外にも様々な分野(例えば文学や物理学など)の知見も持ち合わせている人の方が、同じテーマでも研究内容に広がりや深みが出てくると考えることができるでしょう。

では、岩手大学の教養科目には具体的にどんな特徴があるのでしょうか? これについては次のセクションにて説明したいと思います!

Ⅲ. 教養科目の区分および特徴

教養科目には、全員が必ず履修しなければならない必修科目と学生各々の興味・関心に応じて選択できる科目の2種類があります。

ここでは、履修の自由度が高い「学問知科目」について紹介したいと思います!

01. 文化科目
文学、心理学、歴史学などの各種文化や人間の心に関連した学問分野について学べる科目群。
ex) 哲学の世界、日本の歴史と文化、欧米の文学、心の理解 など

02. 社会科目
法学、経済学、社会学などの社会問題に対する諸見解を学べる科目群。また、キャリア教育に関連した科目もこの科目群に分類されている。
ex) 市民生活と法、経済のしくみ、地域と社会、対人関係の心理学 など

03. 自然&科学技術科目
物理学、生物学といった基礎的な自然科学の分野に関する学問分野および、工学などの応用的な自然科学の学問分野に関する内容について学べる学問分野。
ex) 数理のひろがり、生命のしくみ、物質の世界 など

04. 環境科目
岩手大学における環境教育の出発点として位置づけられている科目であり、前期末に行う希望調査の結果に応じてクラス分けされる。詳細については別記事で改めて紹介します。

05. 地域科目
岩手を題材に地域社会の複雑な諸問題に柔軟に対応できるような総合的判断力を培うことを目的とした科目群。地域課題演習もこの科目群に含まれる。
ex) 宮沢賢治の世界、三陸の研究、地元の企業に学ぶESD など

Ⅳ. 参考文献

岩手大学(2020)『履修の手引き 2020年度(令和2年度)入学生用』、pp.18-37

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