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音楽の出身地(P-MODEL/平沢進)


音楽というものに、
故郷や出身地があるならば、
私は、間違いなく、
「P-MODEL」であり、「平沢進氏」だ。

東北の小さな田舎町にあった、
小さなレコード店で、
さらに小さな「日本のロック」というコーナーから、
私は、聴いたこともないP-MODELを見つけた。

当時、
何か新しいもの、刺激的なもの、個性的なもの、
そんな特別な音楽を必死に探していた。

「日本のロック」コーナーには、
YMO、プラスティックス、ヒカシュー、ARB、etc・・・、
雑多にまとめられたその中から、
ジャケット、そして「歌詞」で、
私の脳天を撃ち抜いたのが、
「P-MODEL」だった。

大昔のレコードは真空パックで売られてなかったことが幸いして、
私は店内で、歌詞カードを取り出し、
堂々と、熟読した。

そこで、
「美術館で会った人だろ」の衝撃。
何度も読み返しては、
どうしても、この曲を聴いてみたいと、
強く強く思った。

当時からの同級生で、
やはり、音楽の出身地が「平沢音楽」であると公言している友人は、
私の、「ジャケ買い」ならぬ「歌詞買い」について、
いまでも笑いのネタにしてくれる。

さて、
「IN A MODEL ROOM」のLPを自宅に持ち帰り、
さっそく聴いた。

前奏が鳴った瞬間から、
私の心は、まるっと全部、彼らの音楽に持っていかれた。

学生だった当時の自分と、
平沢音楽との出会いはクリアに覚えていても、
「何を感じていたのか」まで正確に記憶を遡るのは難しい。

今の私の言葉で語るのなら、
「美術館であった人だろ」の、
やんちゃで、破壊的なロマンチスト感。

これにドハマリして、中毒になっていた。

あの頃から変わらず、
私は、
平沢氏の歌詞から、
飛び出してくる、
孤高なロマンチスト感に、
いちいち魂を撃ち抜かれている。

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何処ぞの奇特な方、
私に、
真正面から、
「キミは何処の音楽の出だ」と、問うてはくれないだろうか。

これまでは、
「マニアックなんで」と、
はぐらかしてきたし、
「本気で知りたくもないくせに」と、
はね返してきた。

今なら、こっちも真正面から、
その出身地を答えたい。

が、
それにしても、

私がよそ見をしている間に起こっていた、
今の「平沢進現象」は謎だ。
この違和感は、
私が知らずに世界線を移動してしまっていたかのようだ。

ある意味大惨事。

良くも悪くも。

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