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平沢進+会人「HYBRID PHONON 2566+」二日目(夜・配信)

夜はホテルの部屋でLive配信鑑賞。

「叫ばない」から始まったライブは、
既視感ありあり。
昨年9月の東京公演に参戦しているのだから、
これは当然のこと。

追加公演では、
セットリストが本公演とほとんど同じだったため、
「余韻と復習」のプレイリスト聴き込みが功を奏し、
更に「メモカ」の助力も相まって、
ライブの世界観を能動的に楽しむことが出来た・・・と思う。

それにしても、
数多ある平沢楽曲の中から、
こんなにクリアにコンセプトに合致した選曲が出来て、
説得力のある構成になっているってことは、
当たり前だけど、
彼の発信していることの一貫性を思い知らされる。

「白く巨大で」の抽出作業に見とれていると、
次の、
「MONSTER A GO GO」。

今回、この曲が始まると、
ああ、この素敵世界と時間がもうすぐ終わってしまうーーーと、
切なくなった。

平沢氏の歌詞は、
月、夜、夢、バスや、
知らなかった心理学用語等々のワードが、
普段遣いの日本語にはあるまじき配列で並べられ、
音と混じり、彼の声で発せられると、
この言語だけでいい、
この言葉で紡がれる世界だけでいい、
そう今でも思えるし、
そこに自分が描けるストーリーは、
最高にクールで、奇妙奇天烈な「夢」以上の面白さを与えてくれる。

そんな中
「MONSTER A GO GO」というキャッチーな名の曲は、
歌い出しの不思議展開メロディに対して、(というか平沢節)
なんとも懐かしい郷愁ただようサビにある、
「kamikaze」というワードが中々のインパクトで、
ぐいっと引き込まれる。
もはや抜け出せないレベルまで。

からの「Lotus」は、
前奏ですでに反則技。
頭の片隅に花を咲かせ続けることを私は忘れませんから。

そして「ANOTHER DAY」で大暴れ。

そしてそして、
今回の追加公演をドラマチックに締めくくったのが、
「QUIT」

じっちゃんの声で、
「名前、控えておいてくれませんか」も違法レベルだが、
終わり方は、圧巻の芸術性炸裂。

歌い終わった平沢氏が、
ステージから去るその時まで、
俯いて佇む姿は、
本人は、ただタイミングを図っているだけだとしても、
こちらにとっては、
「この人は人生の最後も、こんなふうに去っていくのだろうか」
なんてことまで想像を掻き立てられて、
嗚咽もんですよ。

会人も最後まで抜かりなく仕事して、
去っていくけど、
その間、ステージでは、
ピンク、赤、ブルーのライトが、
DNAのように絡み合い、
融合し、
輝き、
呆然として、
「ああ、終わった」と名残惜しさに包まれる。

からの、
清々しさ。

スタンディングの辛さも、
雨風に体力気力を奪われても、
ライブの余韻とは別に、
後感は、浄化されたようにスッキリしている。
少しはデトックスが進んだか。

ただ、配信に騙されてはいけない。

ライブに行くのも配信を鑑賞するのも、
同じだなんて自らを納得させてはもったいないのだ。

様々な音源や、
配信には、
それぞれメリットや目的があって、
ライブのそれと代替出来るものではない。

あの「熱狂」、
その場の熱量、
平沢氏の発するエネルギー、
そういう目に見えないものは、
そこに出向いて、感じて、奪い取ってくるしかない。

ライブに行く度に、
平沢氏が謎にメジャーな世界線にスライドしているようで、
座りが悪い感じがあったが、

「友だちがいなくなる」
「就職できない」

この平沢氏の言葉で、
私はどっかと地に足がついた。




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