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稀代の名曲「vitamin64」 (MAN WITH A MISSION)

「vitamin64」とは、
「Tales of Purefly」
というアルバムに、
ひっそりと収録されている名曲。

「Tales of Purefly」は、マンウィズ初のコンセプトアルバムで、
しっかりと書き込まれたストーリーブックも付属されているから、
コンセプト迷子になることなく、
誰もが、物語の世界を曲と共に堪能し、楽しむことが出来る。


ライブで既に定番となっている曲プラス、
コンセプトに沿った曲もあり、
それらで構築された、
ストーリー性(世界観)を打ち出した、このアルバムは、
三枚目にして、
確実に、マンウィズの転機となった。

そのアルバムの中に、

ワンマンだろうが、フェスだろうが、
どんなライブ会場をも「熱と勢い」で一つにしてしまう、
「database feat.TAKUMA(10-FEET)」と、
大空にスコーンと抜け出すような爽快感で人気の、
「higher」に挟まれて、
さり気なく、(むしろひっそりと)
「vitamin64」は、存在する。

ベスト版に収録されることもないし、
アルバムツアー以外、ライブで演奏されることもない。

《曲との出会い》

「Tales of Purefly」は、
コンセプトアルバムと銘打っているので、
何度もアルバムを通して聴いていた。
「vitamin64」は、
パンチの強い曲に挟まれているので、
印象が薄かったし、
なんなら、
北欧とか、イギリスあたりの、
どこぞのバンドのカヴァー曲かと思っていた。
(ただ、あれ、これってなんだろう???みたいな残像的感覚はいつもあった)

誰の曲なのかと、CDのクレジットを見れば、
Jean-Ken Johnny氏の曲。

それから、よーーーーく聴いて、
歌詞も読み込んで、
曲と真剣に向き合った。

《「vitamin64」は、マンウィズの曲の中で異質な雰囲気を携えている。

なんと言っても、
この曲、
映像、風景がありありと見える。

曲の始まりから、
ヨーロッパ辺りの森に飛ばされて、
2つのギターのメロディは、
深い森の中へと続く道、
遠くに聞こえる「鈴の音」を頼りに歩いていけば、

その先には、
「Come on hang with us just for another day」
(でも一日、もう一日だけ僕達と遊んで行かないかい)
と、声をかけてくる妖しげな人がいる。

妖しげな人の妖しいつぶやきに引き込まれると、
ギターとドラムとベース、そしてスクラッチの音とリズムの力によって、
巨大な渦の中に吸い込まれるように、上へ上へと引き上げられ、
大気圏を突破したあたりで、
突然、ふわっと弾けるように解き放たれる。
ふわふわ漂いながら下降していると、
ドラムの音による着地の合図で、
地球に戻ってきたこと、
自分の足で大地に立っていることを実感する。

この着地点こそが、
自分で見つけた、
「生きている今日」。

こんな風に歌詞に勝手な解釈をつけて、
私は、曲を聴く度に、この世界観に浸る。

※ここまで、今いる場所とは違う所、別の所へ、
  飛ばせる作用を持つところが、
マンウィズの曲の中でも「異質さ」を感じさせる所以。

たまらなく好きな歌詞はここ。
「Push the button now Go right back to start
  That day you found out we'er just God's junk of art
  But you never know what finally becomes
  We strain our voice to say」

(リセットボタンを押すかのように簡単に振り出しに戻ってしまう
 僕たちは神様が作った芸術の残りカス、
 粗悪品に過ぎないかも知れないと知った日に
それでも、そんな僕達でも最終的には何になるかわからないから
振り絞るように言ってみせるんだ)

この曲を、マンウィズファンの中でも、
一番リピートして聴いている自信はもちろん、
疫病騒動前に、部活のように通っていたカラオケで、
この曲を歌った回数も、
マンウィズファンの中で一番だと、勝手に自負している。


そして、好きな歌詞の続きであり、
マンウィズの和訳の妙を堪能出来るのが、

「I live my life to find today
  Yeah I got so high
 I lived my life to find today
 today」

(僕は「今日」を見つけるために生きているんだ、と
 ああ、気分が高揚し過ぎたみたいだな
「今日」というものを見つけるために今まで生きて来たのかも知れない
 今日この瞬間のために)

※曲中に何度か出てくる「today」には、様々な和訳があり、
この短い単語に託された「想い」は、
えげつないほど難しい「today」の節回しによって広がり伝わってくる。


マンウィズは、
当たり前だけど、和訳は自ら行う。
だから英詞と和訳に違和感がないどころか、
歌詞に込めた思いの片鱗まで垣間見ることが出来る。

昨今、CDを買わない人が多くなったというが、
マンウィズに限っては、
この思いの込もった和訳を読むということに価値が有り過ぎて、
迷わずCDを買うし、お勧めしたい。


本日、この稀代の名曲、
「vitamin64」について、長話をしたくなったのは、
Jean-Ken氏がパーソナリティをつとめるラジオで流れたから。

「ビタミンロクジュウヨン」という、
暗号のような曲名が謎過ぎて、
曲と乖離があるように感じていたが、
ラジオで、曲が流れ、
「vitamin64でした」とJean-Ken氏が発した、
「ヴァイタミンシックスティーフォー」という発音を聞いて、
一気に曲名が、しっくりきた。(笑)


リクエストしてくれた人ありがとう!!
ジョニさん、次はフルで流してね。

知らない森の中は、
木々の匂いや澄んだ空気がひんやりとして心地よいが、
少し孤独で、寂しく、不安もある。

でも、今日、「生きている」。
「この瞬間を探していたんでしょ」っていう、
なんでもない「今」を輝かせる、
「vitamin64」は、

しつこいけど、

「稀代の名曲」に間違いない。



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