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妖老闘病記 実。

冷えて暗い街を、朝陽が 温める。
それを 温い部屋から 眺める。
空気の入れ替えに、開けた窓から 聞こえる
小鳥 カラス トンビの声に、返事を 返す。
日向ぼっこしながらの、ベランダ読書。
普通 普段に、なり始めている 日常に、
改めて、有り難さを、感じる私。

一昨日、県外の若き友の 訃報が届いた。
律儀に 弟がヤツのスマホ使い、短く「兄が、自死 しました。ログアウトします。」
皆に送ったのだろう。3週間ぶりのメッセンジャー
FBで、T4N1M1の意味を理解して、同情より、
これからを 優先してくれ「わらうしかないよな。」と、励ましてくれた最初の友。
「こっちも、いろいろ あって、ヒマなのよ。」と

「呑めないなら、遊びに行っても、そっちが 悔しがルから…」「ところで 勃つ?」「んじゃ、狩しなくっちゃ!つまんなくなるじゃん。」などと戯れ言を
並べる男、一期一会に活きる そんなヤツだった。
若き頃、クソのような 罵詈雑言で、共に狩をし、
呑んだくれていた。「助けて欲しいから、絶望するんだ。」「誉めて貰えないから、孤独を嘆くんだ。」「怠けるのソトズラが、困りはてるだ。」
「躾で キズ付くなら、檻から出るな。」……。
相手の懐に入らない、同意するか、拒否するか、の呑み仲間。闇夜に光るキノコのような思い出。
「淋しい」「悲しい」では無い 感情に、
手を合わせ、黙祷する。

5ページ。2場面。650字位の台詞。
表現力の不足に、演出の要求に答えられルか、
恐怖から、書き込み、読書に逃げる私。
それでも、うまくいった事を 夢見て、ニンマリ
する私。 入眠。

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