見出し画像

自惚れヒーローあとがき

こんにちは、月山です。
今回はですね、2月のド頭から更新していた「自惚れヒーローに物申す!」というお話が完結しましたので、あとがきのようなものを記してみます。

未読の方のために軽くあらすじを貼りますね↓

『仕事の都合で半年間のアメリカ行きが決まった母と離れ、高校入学と同時に知り合いの家に住むこととなった華。同居人は同じ学校の先輩で、しかも男。胸きゅん? ラブハプニング? とんでもない。
「やあ、俺の可愛い小鳥ちゃん。待ってたよ」
「すみません部屋間違えました」
この男、自信だけはエベレスト級の残念イケメンだった!
笑いに厳しい家事万能JKと色々イカれてるぶっとびDKのドタバタ同居コメディ。』



【以下ネタバレ注意⚠️】



今作は月山史上初のコメディに挑戦しました。
ラブコメは書いたことがあるのですが、全力でふざけにいったのはこれが初めてです(笑)

クスッと笑って頂けるお話になっていたら嬉しいのですが……いかがでしたでしょうか(ここで聞くな)。
とはいえ、後半はかなり真面目なストーリー展開だったと思います。前半とのギャップがすごいことになってますね☆

最後まで読んで下さった方はお分かりだと思いますが、今作のテーマはもちろん、「家族」です。
タグ? キーワード? にも設定したいくらい重要な要素だったんですが、ネタバレを恐れるがあまり設定できませんでした……(汗)

元々このお話は、「俺様ヒーローに物申す!」というタイトルで、ラブ:コメディ=1:9くらいのラブコメにしようかなと思っていたものでした。

あんまり言うと全国の俺様好きに殴られるので小声で主張しますが、私はそんなに俺様男子が好きじゃないです(^_^;)アセアセ
そんな私情もありまして、偉そ〜〜な俺様ヒーローにヒロインが楯突く……といった設定を考えておりました。

それがなぜラブ要素0のお話になったかと言いますと、「物語の最後で恋仲にならない男女、エモ!」と不意に思ったからです(は?)
その時は恋とか愛とかの縺れではなくて、もっと強固な絆みたいなものを書きたい時期でした。
そこで最終的に行き着いたのが「兄妹」でして、今作での大きなベースとなっています。

お話の最後で華と一太が「兄妹」になることが明かされるのですが、正直そこが今作においての一番の山場、見せ場、ピークでして、いかにそこに持っていくかを本当に悩みました。

序盤はとにかく茶目っ気たっぷりに二人を言い合いさせたくて、好き勝手にさせていたのですが、お話が進むにつれて、段々とキャラが暴走し始めまして(汗)
結構シリアスなシーンがちらほらしてました。

最後の衝撃を和らげないために、「兄妹」という単語はネタバラシまで一度も使いませんでした。
一太のことなので、「俺のことお兄ちゃんだと思っていいぞ」とか言いかねないな……と思ったんですが、それもカット。とにかく、二人が「兄妹」なのでは? と察せられてしまう要素を一ミリでも取り除きたくて、なるべく気をつけました。
むしろ中盤、恋人だの好きだのとチラつかせ、そういう関係になるのか? と見せかけようと頑張ってました(笑)

まあでもありきたりと言ってしまえばそれまでで、「あー、まあ兄妹なんかな?」と思った方は少なからずいらっしゃったかもしれません。でも私なりに自分の中で「こうしようとしてたよ」という努力は、今後の創作活動で活かしていけるかなあと思っています。

最後の方にある一太サイドのお話ですが、実は直前まで全カットの予定でした(笑)
そもそも鈴木一太という男が、私の中でなかなか理解に苦しむ人間でして。恐らく普通の男子高校生(ただし研究者気質)なんですけれど、女の子に慣れてなさすぎて、それをカバーするために奇人変人を演じていたんですよね。

小説の中でキャラクターを書く際、彼らの気持ちに入り込んで書くのが常なので、もうその時点でそのキャラを演じているんです。でも一太の場合は、更にもう一段階演じなければならなかったということで、本当に苦労しました。

とはいえ、華視点では語られなかった一太の「兄」になるという覚悟や、二人が出会う以前の時間軸も書けたので良かったかなあと思っています。一太は本当に何考えてるか分からないので、私も書きながら「この時そうだったんだね!?」と驚きました。

同居もの(一応)を書くのがちょっぴり夢だったので、今回書けて嬉しかったです。
皆様が書かれているような甘々ラブコメではないんですが、これはこれで私らしくていいかなと気に入っています。

そして今作のテーマソングは、GReeeeNさんの「星影のエール」でした!
煮詰まった時は何度も何度も聴いて、助けて頂いた素敵な曲です。みんなで流星群を見に行くシーンがあるのは、この曲にめちゃくちゃ影響を受けたからです(笑)

10万文字という私にしては比較的短いお話だったんですが、いい経験になりました。
家族の絆は、どんな作品を書いていても私が入れがちなテーマです。今回はそれを主軸に書くことができて良かったなあと思います。

完全に余談ですが、私はかなりの確率で登場キャラたちに複雑な家庭環境を与えてしまいます。その解決を1から10まで描くことって、なかなかありませんでした。
ミステリーだったり、恋愛だったり、どうしても他の部分に主軸があるので、全部書くと蛇足感が出てしまうのですよね。なので本編では、きっとこの後ちゃんと向き合って解決していくんだろうな〜とカタルシスの残る終わり方をしていることが多いです。
今作はその点、メインテーマが家族ですので、最初から最後までしっかり、孤独だった二人を幸せにしてあげられたかなと思っています。

ラストの結婚式のシーンは直前に「やっぱり挙式してもらおう!」と思い立ちまして、急遽ウェディングしました。
それまでずっと日常パートが多かったので、最後くらい幸せな描写を思い切り入れてあげてもいいかな……と(笑)
結果的に自分の中ではすごく納得のいく終わり方ができました。

また長々と語ってしまいましたが、この作品が何か一つでも皆様の心に温かいものを残せていたら嬉しいです。

そろそろ終わろうと思います。
また違う作品でお会いできれば幸いです!

2021.04.10

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?