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オオカミあとがき

こんにちは、月山です。
今回はタイトル通りです。昨年の9月から執筆していた「能ある狼は牙を隠す」という長編を約4ヶ月かけて本日完結させましたので、つらつらとお話しようと思います。

一応未読の方のために、あらすじだけ置いておきますね。↓
『真面目に平穏に。高校二年の羊は、そうやって学校生活を送ってきた。
ひょんなことから同じクラスの問題児、狼谷玄と文化委員をやることになってしまう。彼は遅刻早退欠席を厭わず、女遊びが激しいと噂のプレイボーイだった。
苦手だったはずの彼と接するうちに、次第に「ただのクラスメート」から「大切な男友達」へと位置付けが変わっていく。
しかし、羊の何気ない一言から彼の様子がおかしくなってしまい――。
危機察知能力がポンコツな彼女と唯一無二の獲物を見つけた彼の、ちょっと歪で不器用な恋愛模様。』



【⚠️以下ネタバレ注意⚠️】



私はめちゃくちゃヤンデレ男子が好きで他の方の作品もよく読むんですが、意外とヤンデレって少ないんですよね……。いや、私がちゃんと探していないだけなのか?
ともかく、ないなら自分で書けばいいやないかい! というのがきっかけでした。

ヤンデレは前々から書きたいと思っていて、ただ好きすぎてこだわりが強いので、何となく後回しにしていたんですよね……。

もともとネタ帳の中に「どクズプレイボーイ×純度100%ピュアガール」というものがありまして、この組み合わせのラブコメは書こうかな、と思っていました。
ほんの出来心といいますか、妄想ですね。妄想は物書きの癖じゃないですか。まあそんなことはいいんですが、このプレイボーイがヤンデレになったら美味しくないか? とうっかり妄想してしまって、そこからが沼でした。

今作のヒーロー、狼谷玄は初期設定「どクズプレイボーイ」です(まんまやん)。ヒロイン、白羊は「純度100%ピュアガール」にする予定だったんですが、なんか違うなーとここで悩みました。
ただのクズ(酷い言われよう)が、「クズやん! 汚らわしい!」とか初っ端ヒロインに罵られて、そこからどうしても恋に発展しないような気がしたんですよね。
そんなこんなで、今の羊ちゃんの「おっとり聖母系ガール」という人物像ができあがりました。

二人の名前なんですが、玄って「黒」という意味があるんですよ。羊ちゃんの苗字と対比させてます。うふふ。(どうでもいい)

みんなの名前を見ていて何か気付いた方、いますかね? いないと思うのでちょっと羅列してみますね。

西本 カナ/眞鍋 あかり/九栗 朱南/坂井 忍/此花 奈々

実はこの五人の名前、芸能人からとってます(笑)
誰が誰か、分かりますか?

西本 カナ→西野 カナ
眞鍋 あかり→眞鍋 かをり
九栗 朱南→小栗 旬
坂井 忍→坂上 忍
木の実ナナ→此花 奈々

朱南以外はかなり露骨(笑)
主役カップルはともかく、津山くんに関してはなぜかその場で考えた名前がすごくしっくりきたので、あえて何も変えずにそのまま採用しただけです(笑)
彼の優しい性格に「岬」という名前が合ってるなあ、と後付けっぽいですが気に入っています。

今作を書いていて、唯一ずっと気をつけていたことがあります。それは、性行為についての直接的な単語を使わないことです。
ここでは別に隠す必要もないかなと思うので普通に言いますが、セックスとかセフレとか、そういった単語を使わずに表現するのは意外と大変でした。

まず最初にぶち当たった壁は、狼谷玄はセフレが沢山いる、という設定をどうやって表そうかというものです。「体だけの関係。そういう『友達』だよ」という2話目の玄のセリフ。実はこれも、ここまではっきり言わせるか悩みました。
1話目ではセフレのことを「お友達」という表現にしていたのですが、結局、羊ちゃんはそれだけじゃ理解できていなかったので、はっきり言わせるしかないなと思った次第です。

主人公とその女友達以外、割とみんな男女交際についてだらしないという設定だったので、避けては通れないし頻度も多かったのですが、たとえ誰の視点であっても絶対にぼかしてました。「そういうこと」「イイコト」などなど。プレイボーイたちは慣れているのできっと会話で普通にセフレだの何だの余裕で言うと思います。逆に、違和感なく遠回しな表現を彼らに使わせるのが難しかった……(泣)

どうしてそこまでこだわったかというと、今作の主人公が羊ちゃんだからです。羊ちゃんはセフレという概念を玄に出会うまでよく分かっていなくて、そしてこの先も彼女は絶対にセックスだなんて言葉を言う子じゃないと思うのです。
あくまで羊ちゃんが主役なので、作品全体としてもそこまでアダルティーな雰囲気にしたくなくて、それこそ全年齢に優しい作品にしたくてこうなりました。

狼谷玄はプレイボーイですが、最終的に激重感情拗らせヤンデレ男になります。
今作は他にも犬飼くんだったり、坂井くんだったり、当て馬キャラが二人出てきたんですが、ヒーローも含めて、主人公に想いを寄せる男はみんなヤンデレにするというのは最初から決めていました(笑)
カオスすぎる……。

ただ一つ、当初のプロットから大きく変わったのは坂井くんです。
というかそもそも、坂井くんは当て馬にする予定じゃありませんでした! モブ中のモブ、という位置付けで序盤に登場。みんなの頼れる委員長でしたね。

違うタイプのヤンデレを三人出す、というのは固く決めていて、犬飼くんはほぼプロット通りです。本当は三人目に"猫又くん"という男の子を出すつもりでした(名前でお察し)。
ただ、話の流れ上、秋から突然現れるのってどうなんだ? 不自然では? こいつが次の当て馬ですって言ってるようなものでは? と色々考えて、結局お蔵入りになりました。

代わりにヤンデレ化してしまったのが坂井くんです(笑)
幸いにも、意図せず序盤で彼が主人公を気にかける描写を入れていまして、これは伏線回収的な感じで使えるのでは、と閃いたのです。
結果的にそんな大層なことできませんでしたけどね!

それぞれの特徴をまとめたものを貼っておきます(何故)。あなたの好きなヤンデレはどんなタイプですか?(^ ^)

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狼谷 玄(かみや げん)
ヤンデレタイプ:執着型/依存型
危険度:★☆☆
ヒロインに嫌われることを何より恐れている。一途の究極系。あの子のプロフィールや好きな物は全て把握済み。
「ずっと一緒だよ。もう、絶対逃さないから」
"君だけが、ずっとずっと欲しかった"


犬飼 航(いぬかい わたる)
ヤンデレタイプ:妄想型/崇拝型
危険度:★★☆
妄想や思い込みが激しく、暴走しがち。可愛らしいおねだりの裏は計算尽くの策略。
「二人だけの世界で幸せになりましょう?」
"愛しています、たとえ世界が壊れても"


坂井 忍(さかい しのぶ)
ヤンデレタイプ:束縛型/排除型
危険度:★★★
ヒロインを独占するためなら躊躇なく手を下す。温厚な顔に騙されてはいけない。気が付けば彼しか頼れる人がいなくなっている。
「俺は絶対に、味方だからね」
"俺がいなきゃ息もできなくなればいいのに"
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後から知ったんですが、オオカミって一夫一妻制で、一生同じ相手と添い遂げるらしいですよ! めちゃくちゃ一途ですね。
意図せず狼谷玄と合ってて嬉しくなりました。

女の子が主人公の恋愛ものって、その子が幸せになるためのお話づくりをするんじゃないかなって結構思うのですが……。
今作に関しては、完全に私はヒーロー贔屓してました(笑)
書きながら、あまりにも狼谷玄が不憫すぎて、辛すぎて……。頼むからお前は幸せになってくれ! と思いながら書いていましたね(汗)
羊ちゃんから「好き」と言われた時の奴の反応、見ましたか? 泣いちゃってますからね。良かったね、狼谷玄……。

最後のペアリング、ゴールドなのは完全に狼谷玄の想いが溢れたからです。個人的に結婚指輪はもちろん、ペアリングってシルバーのイメージがありまして……。たぶん玄は「羊ちゃんは太陽だからゴールド」みたいなこと考えながら選んだんだと思います(笑)

何だかんだ苦労をした二人ですが、幸せにしてあげられて良かったです。基本的に甘々だったので、すれ違うシーンは結構切なめに書きました。

書き始めた当初、「20万文字くらいで終わるかな?」と舐め腐っていたのですが、なんと30万文字になってしまいましたね。さすがにこんな大作になるとは思っていませんでした。アイノチカラってすごい(は?)。

自分の性癖を詰め込んだお話だったので(やめなさい)書いていてすごく楽しかったですし、完結したいま、かなり寂しいです。心にぽっかり穴が空いた感じです。
こんな風に惜しむのは初めてなので、しばらく立ち直れないかもしれません……。とか言って明日にはモリモリご飯食べてそうですが。

とにもかくにも、こんなに長ったらしいお話を最後まで追いかけて下さった方々、本当に、本当にありがとうございます……!
温かい感想もすべてスクショしてにまにま眺めてます(お巡りさんこっちです)。私の性癖暴露大会にお付き合い頂き、誠にありがとうございました!

彼らの物語はここで終わってしまいますが、きっとこの先も彼らの人生は続いていくんだと思います。是非皆様の頭の中で想像を膨らませて頂けると幸いです。

また皆様とお会いできることを楽しみにしております。

おわり!

2021.01.15

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