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インスタントあとがき

こんにちは、月山です。
相変わらずお久しぶりになりがちなこのブログですが、今回も例に漏れずあとがきのコーナーです。
「ハロー、愛しのインスタントヒーロー」という長編を完結させたので、その作品について。

あらすじはこちら↓

『数日に一度しか帰宅しない母と、簡素なアパートの一室で二人暮らしをしている奈々は、寂しさを紛らわすように適当な相手と体を重ねる日々を送っていた。高校三年生になる矢先、七年前に遠くの町へ引っ越していった幼馴染・絢斗が、再びこの町へ戻ってくる。あっさり別れを告げて去ってしまった絢斗が気に食わず、再会後、彼を突き放し続ける奈々。しかし、絢斗が七年もの間奈々に会おうとしなかった理由を知り――。
「ずっと一緒にいたいよ。それって、好きってことじゃないの?」
これが私たちの、限りなく優しく、限りなく残酷な終着点だ。』



【以下ネタバレ注意⚠️】



今回の主人公である奈々は、以前私が執筆した「能ある狼は牙を隠す」(以下、オオカミと表記します)という作品に登場するキャラでして、なかなかに悪いやつだな〜(笑)という感じの女の子です。
とはいえ、彼女があまりにも不憫だったので、幸せにしてあげたいな、という気持ちから今作が生まれました。完全なるキャラ先行のお話です。

オオカミを既に読んで下さった方ならお分かりかと思いますが、奈々は世間一般的に言うビッチというやつですね。
もちろんそうなった経緯や理由はありますが、決して善人ではないですし、主人公属性としてよくある「お人好し」要素が1ミリもありません。正直万人に好かれる子ではないと思っているので、読者様に嫌われるのでは……というよりも、むしろどうやってこの子の魅力を読者様に伝えていこうか……というアプローチでした(笑)

私自身、ここまで捻くれている女の子を書くのは初めてでして、ぶっちゃけめちゃくちゃ難しかったです。書き終えた今ですら奈々のことを完全には掌握できていないですし、今まで執筆してきた作品の中で一番手応えがないといいますか、これでいいのか!?感が否めないといいますか……(汗)
とはいえ、やはり奈々だからこそ言えることやできる行動がたくさんあって、私も彼女と一緒に成長できたかなと思っています。

そんな奈々が唯一心を許した存在、今回のヒーロー絢斗くんはとにかく純粋な人です。
終盤で彼の抱える悩みが露見しますが、今作のテーマはもちろん(と言っていいのかどうか)「性愛」でした。本当の意味での「純愛」を書いてみたかったのです……。

テーマがテーマなのでここからちょっとあけすけな表現が多くなります。苦手な方はすみません。

私たち人間の本能として、セックスをしたいというのは当然の欲求です。なにせ三大欲求ですからね。
恋をして、愛になって、その延長線上に性行為がある。そう考える方もいますし、体の相性が悪ければ付き合っていくにも上手くいかない、と考える方もいますし、とにかく色々だと思います。鶏が先か卵が先か、みたいな感じになりますが、そこに愛があるからセックスをするのか、セックスをするから愛になるのか、ということですね。

要するに、誰かを愛すると性欲を抱くけれど、性欲を省いても恋はできるのか?というのが今作の議題です(議題とか言うな)。
絢斗はそれができる人で、でも奈々にとってはセックスって結構大事な項目なんですね。まあ彼女の性格からしてそりゃそうなんですけれども。
三大欲求を抑えるのって本当に大変だと思うんです。唯一抑えても死なないのが性欲ですが、それでもきっと大変だと思うんです。
そんな我慢をしてまで誰かを愛するということ、これって本気で好きじゃないと無理なんじゃないかな、と思いますし、それができたら純愛だなあと。
奈々の性格的にも今作のテーマ的にも、全体的にアダルティーな描写や場面が多めだったかもしれませんが、一貫してこの二人は純愛なんです!(突然の大声)

とまあ今作のメインテーマに関してはそんな感じなのですが、実はサブテーマとして、「幼馴染は恋愛対象になるのか?」というものがありました。
幼馴染同士のラブストーリーは私もたくさん読んだことがありますし、すごく素敵な作品が多いです。が、万年反抗期の私はどうしても「ほんまか?幼馴染ってきょうだいみたいなもんやないんか?そこに愛はあるんか?(アイフルのCM)」と思ってしまうことがあって、自分が幼馴染ものを書く時は絶対にラブラブきゅんきゅんなお話にはしねぇぞ!という謎のプライドがありました。
結果として今作は最後まで切ない感じになってしまい、奈々を幸せにしようと思って書き始めたのにあんまり幸せにしてあげられなかったなあと反省していたりもするのですが、最終的に二人一緒にニコニコしているのでまあいいか、と思っています(おい)。

微妙な関係性の推移を書きたくてもがき続けた今作です。プロットを冗談抜きで10回ほど組み直し、文字通り本当に苦しみました。
迷走しまくったといいますか、これ面白いのかな、と100万回思いましたが、書きたかったテーマだからもういいや!と半ばやけくそでフィニッシュ。書き上げた直後は大体いつも開放感:寂しさ=5:5くらいなのに、今回は開放感:寂しさ=8:2でした(汗)

恐らく奈々と絢斗は本当に二人だけの世界で生きているので、作者の私ですら介入する隙がなかった感じでして、最後までずっと二人の性格を掴みきれず、です。
そういうこともあって、あまり我が子感はなく、もう勝手によろしくやっててくれ、という気持ちです。もちろん愛はありますがね!(笑)

毎回長々とお喋りしてしまってすみません……。でもここでしかお話できない陰キャなので許して下さい……。
とにもかくにも、今作を最後まで読んで下さった方がいらっしゃいましたら、本当にありがとうございます。キュンもくそもない感じになりましたけれども、私は個人的に満足しています!(そうですか)

そして、こんなブログにまで足を運んで下さり、こんな最後の最後までお付き合い下さったあなた様、ありがとうございます……!お優しい!いいことが起こりますように!

それではここらで終わります◎
いつかまた、どこかでお会いできたら幸いです。

2022.08.30

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