見出し画像

今月末で閉館する相田みつを美術館へ行ってきた

今月28日で閉館する相田みつを美術館へ行ってきた。

東京駅や皇居の目の前にある、昭和の大賢人、相田みつをさんの作品を所蔵する美術館だ。
長男の相田一人(かずひと)さんが館長を務めている。1996年に銀座で開館し、2003年に今の東京国際フォーラムに移転してからも多くのファンに愛されてきた。

雨のおかげかあまり混んでおらず

上京以来、一度は訪れたいと思っていた場所のひとつ。
今年こそはと考えていた矢先、閉館のニュースが飛び込んできて、居ても立っても居られず駆け込みで訪問した。

今回は東京国際フォーラムの大規模修繕工事に伴う閉館だが、今後の移転などは示されていないそうなので、もしかしたらこのままなくなってしまうのかもしれない。

企画展「生きること 書くこと」を開催中

閉館前の日曜日、相当な混雑を覚悟していたけれど、あいにくの天気が幸いしたのか、まだ午前中だったからか、あまり混んでおらずゆっくりと作品を楽しめた。

感想なのだけれど、率直に楽しかった。
絵画を展示する美術館には何度も行ったことはあるし、いつも「すごいなあ」という感想は持つのだけれど、何分教養がないので、感情を大きく動かされるような経験はしたことがない。

その点相田みつを美術館は違う。とにかくわかりやすい。独自の書体で、だれの心にも直接響くわかりやすい詩が描かれている。

作品を味わいながら、自分の人生と照らして心が熱くなったり、包み込むようなあたたかい言葉に励まされて心が軽くなったり……。

感情が目まぐるしく動く刺激的な美術館だった。

お気に入りの詩「一生勉強 一生青春」

背景には道元禅師の『正法眼蔵』の深い教えがあり、緻密に計算された高度なデザイン性を持つ芸術のはずなのだけれど、そんな素振りをおくびにも出さず、批判も恐れず自分を貫いているところもまたカッコいい。

わかりやすさを追い求めると、ともすれば「あいつは何にもわかってない」「知識が浅い」なんてバカにされてしまうことがある。

難しいことを難しく伝えるより、難しいことをわかりやすく伝えるほうがずっと難しくて勇気のいることなんだ。

作品集も購入

余談だけど、ボクは「難しい言葉は極力使わず、誰にでも分かるやさしい説明を心がける姿勢」に共感して、三省堂国語辞典を愛用している。
(新明解の深みのある語釈を味わうのも好きなのだけれど。どちらも魅力的だ。)

1時間ほどかけてゆっくり鑑賞したあとは、併設のカフェでコーヒーを飲みながら余韻に浸り、グッズショップでお気に入りの色紙と詩集を買ってゆったりと帰宅。

いい一日だった。

帰り道で見つけた宇治抹茶あずきのワッフル

相田みつを美術館は、現在開催中の企画展「生きること 書くこと」の最終日2024年1月28日(日)まで開館しているので、気になる人はこの機会にぜひ!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?