09:Q&A-就活と社会人生活で無双するために外大生活ですべきこと
卒業生が学生から聞かれる質問のトップにくるにも関わらず、まだ明確に回答していなかったので大人語講座のQ&Aで触れることにします。この質問、聞き方にバリエーションはありますが、質問の意図は表題以上でも以下でもないかと思われます。ヒントになりそうなお話は就活講座でも大人語講座でもずっと触れてきてはいます。それがヒントに留まっていて、明確に回答していなかったのにはもちろん理由がありまして、例によって、答えがないからです。就活で無双するにせよ、将来活躍するにせよ、この質問からはそもそも質問者の目指す姿が読み取れません。将来の話に至ってはもはや人の数だけ答えがあるわけで、極めて個別性が高い話だと思います。個別性が高い話に対して、明確に万人が納得する答えなどは流石に出せないのです。就活は内定というゴールが見えている分まだ考えやすいですが、それにしても世の中には実に多様な仕事が存在しているし、そもそも質問者がそれまでどんな人生を歩んできたかもわからないままに答えを出すのはもはや無責任でしょう。
そんなこんなで、この質問に答えを出すにはかなり限界がある、というか無理め、というのが大前提です。にも関わらず卒業生が学生から質問される事項のトップにくるので本講座としても答えないわけにはいかないというのもまた現実。ということで、少しずつ考えてみたいと思います。関連して、外大生活の文脈でたまに聞かれる長期インターンについて、あるいはコロナ禍での留学の考え方についても触れられればと考えています。
まずは、質問者と前提を揃えましょう。この前提をはずすと全くこのQ&Aが意味を為さなくなるため、自分のことではないな、と思われた方は読む意味無いので、ここは割り切っていただければと思います。
一つ目、就活で無双するとは何か。恐らく、複数内定(感覚的には5-6個)得て、最終的には志望する企業(強いて言うならどうやら学生人気の高い平均年収高めのグローバル大企業中心)の内定を受諾するというイメージだと思われます。いつの時代にもいる層ではありますが、近年は売り手市場も相まって割と複数内定が普通になっており、一昔前までには無かった「内定受諾」などという、社会人からすれば微妙な言葉まで一般的になったようです。これは売り手市場を象徴する言葉に聞こえます。そんな中でも内定の数が多いこと、および内定受諾企業のネームバリューが高いことがこの無双のイメージに合うようです。もちろんこれから始まるコロナ禍以後の不況下では様相が変わってくるでしょうが、仮に買い手市場であったとしても、そうやって無双する学生というのは一定数いるわけで、そうなるためには学生時代、実質的には1年生~2年生の間に何をしておけば良いのか、という質問だと捉えます。
二つ目、社会人生活で無双するとは何か。これは前述の理由から極めてイメージするのが難しい状態ですが、恐らくは入社間もなく即戦力として頭角を現し、グローバルの知見を活かして自分が望む世界の国・地域で働いたり、あるいは駐在でなくても出張ベースで世界中を飛び回りながら楽しく仕事をしている状態、というイメージと思われます。これもまたコロナ禍でなかなか出張などは難しい状況になっていますが、リモートでも何でも、とにかく世界を股にかけている感じ、というのがポイントなんだろうなと、学生の皆さんの話を聞いていて感じております。
という2つの無双を成し遂げるために、外大での学生生活をどう過ごすと良いのか、という質問と捉えて、以下で考えていきます。繰り返しになりますがいずれも本来であれば個別性が高い話ですから、全員に当てはまる答えはありません。ただし、大人語講座の講師陣は、就活市場については売り手市場の時も買い手市場の時も、就活で無双する外大生を多数見てきており、その学生達に共通する要素は見出していますので、これについては最大公約数的に言語化可能です。社会に出て無双するという意味で言えば、難しいですが、例えば先日の「夏の大人の外語祭2020」で登壇されていた方々などは、きっと学生から見れば無双されているイメージに近いのではないでしょうか。もちろんグローバルで働かない、という選択をされた先輩方もいらっしゃいましたが、自分の仕事を皆さんにシェアしたくなるぐらいですから、羨ましいぐらいにやりがいを持って働かれているんだと思います。結局のところ、社会人生活で無双しているかどうかは、本来的にはグローバルで働くとか、給料が良いとか、周りから尊敬されるとか、そういうことじゃなくて、自分の心が決めるんですよね。という前提で、ああいう先輩達に共通する要素は何なのか、というのもある程度は最大公約数的に言語化できるのではないかと思っています(これは一部、グローバルで働くことを前提に考えている質問者さんのイメージとは違うかもしれません)。
では、考察に入っていきたいと思いますが、あくまでここから先の話は、無双した状態からのバックキャスト視点で、しかも学生の皆様の個別性を無視して最大公約数的に語っているに過ぎない、ということを認識していただけると幸いです。ほぼ結論を先に書いてしまいますが、無双しているかしていないかというのは、実際には、目の前のことを一生懸命やり、今までできなかったことをできるようにするという不断の努力を繰り返し、その先に自身の成長があり、無双に至る、というのに過ぎないです。振り返ったらそれが無双に至る道になっていた、ということでしかないです。つまり、学生時代のある日、「よし、無双しよう!」と言って狙って計画通り無双しているわけではない、という人が多いということです。ただ、無双した人にだけ見える景色があるのも事実で、その視点(無双状態からバックキャストする視点)から外大での学生生活に示唆を与える要素があるとしたらこういうことであろう、という角度での話になりますから、この微妙なニュアンスはお気を付けください。
前置きが冗長になってしまい恐縮ですが、参ります。この2つの無双を成し遂げるために外大での学生生活でやることは4つです(就活講座のQ&A「ビジネス知見は独学で他大生に負けないレベルで身につきますか」でも触れている内容と一部重複します)。就活、社会人生活、両方で無双するためにやるべきこととして、この4つは共通です。ただし、コロナ禍でそのうちのいくつかが影響を受けているため、それについても留意して触れていこうと思います。特に、コロナ禍で留学が中止になってしまい途方に暮れている現役外大生の皆様にとっては、その現状とどう対峙すべきかという一つの答えを実例とともに提示します。その4つというのは、
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卒業後すぐに必要となる「正解の無い問いに対してクリエイティブに答えを創る技術(=大人語)」を、世界でバリバリに働く卒業生から現役外大生に教…
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