41:2023/2/28 大人語講座メルマガ 第23号:外語Bar / 五輪談合のロールプレイング、他

毎月1回~2回、東銀座界隈でオープンする「外語Bar」をご存知でしょうか。外大関係者が一日店長となり、その名の通りBarをオープンするというものです。今月は久々に大人語講座講師有志から数名が参加しました。なんだか面白くて、具材を3つ選んで、行きたい国を言えば、その国っぽいポテサラを作って出してくれるといういかにも外大な感じで、ポテサラの無限の可能性に驚かされる趣向でした。無茶ぶりな具材選択と国選択をしてもきちんとその国のような雰囲気になっており、なんでそんなことができるんだと感動しっぱなし。素晴らしいポテサラに舌鼓を打ちながら、大先輩にワインを奢ってもらったりしながら、近しい皆様と楽しく過ごせました。現役外大生も複数名いらっしゃり、大人語講座がデジタル化してからは初めて受講者の方々ともリアルでお会いでき、大変良い機会となりました。リアル講座開催へのリクエストも頂き、そろそろ皆様とお目にかかる形での実施が視野に入ってきた感じかもしれません。引き続き、大人語講座へのリクエストがありましたらお気軽にお寄せください。
 
 
そんな外大っぽい感じの要素があった2月。例によって何の脈絡もなく今月のメルマガのテーマに入って参りますが、今月は分かりやすく「五輪談合」一本でいこうと思います。誰もが知っているニュースをなぜ今更大人語講座で取り上げるのかというと、相変わらず大手含む様々なメディアがPVや部数稼ぎ目的で極めてミスリーディングな記事を連発しているので、それらのフェイクを見破りたいというのが一つ。ミスリーディングという域を超えて、事実と異なる情報を垂れ流す誤報もかなり連発されていました。
 
ちょっと話題は違いますけど、この前のJAXAの会見なんかも酷かったですよね。最近の記者の仕事というのは、予め自分達が好き勝手用意しておいたストーリーに無理矢理こじつけるための取材活動になっている感が否めません。まぁ、「最近の記者」などと言ってしまうとクソデカ主語になってしまいますが、本当にそんなレベルの記事ばかりに見えてしまうのが残念でなりませんね。
 
そんなフェイクを見破っていこう、ということに加えて、五輪談合の件、何よりも、不謹慎ながらメチャクチャ面白いんですよね。ビジネススクールの企業倫理とか、正義とか、その辺の授業のケーススタディとして打って付けなんじゃないでしょうか。
 
そもそもの話として、この事件はPVや部数が稼げるので、派手な「結果」だけが報じられていて、なんでこんなことが起こっているのかという「原因」について一切語られていないんですよね。実際問題、検察はビジネスのことなんて1ミリも分かっていないし、自分達の成果を出したいから、法律に照らしてNG、ということしか言わない。それだと同じことが永久に起こり続けるんですよね。やっぱりなぜそれが起きたのかが明らかにならないと、解決しませんから。そこを怠る検察とメディア、という構造。一方のビジネス側の人達は、ビジネスのことはよく知っているけど、法律のことに精通しているケースは稀でしょう。だから、なかなか解決策まで迫れないんですね。ビジネスと法律の両方に精通しているという人は滅多にいないんですが、そういう稀有な人達からは、今回の件は実は検察にとって分が悪い、という見方をする人も結構います。検察は「白」か「グレー」なものをまた無理矢理「黒」に持っていこうとしている、という指摘です。組織委員会や電通も、本気で争えば白になってしまう可能性を多分に秘めながらも、正直争うのも色々面倒くさいし、日本市場は縮小していくだけで旨味ないし、雀の涙ほどの罰金で済ませて日本での扱いを順当に減らしていく過程であっさり負けを認める、という打算的な筋を描いているのではないか、と。そうなってしまうとそれこそ真実に近づくことができなくなりそうです。
 
とまぁ、色んな角度から色んな人が色んなことを言っているわけでして、じゃあ、皆様が当事者だったならどう動いていたか、ということを考えると不謹慎ながらメチャクチャ面白くて。今回は本件をケーススタディとして取り上げて、ちょっとしたロールプレイングをしてみよう、という試みです。と、言いながら大して面白くならなかったらすみません苦笑
 
では、ロールプレイングを始めましょう。皆様が組織委員会で、競技の運営を取り仕切る立場だったら…と仮定して、考えてみましょう。
 
 
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