西園寺さんと野球

「楠見く〜ん…今度の日曜日空いてる〜?」

「…空いてますけど。」

「あのさ〜…僕の草野球のチームの助っ人に来てくんない?」

「…俺…野球できませんけど…」

「え〜…楠見君…アメリカ帰りでしょう?」

「アメリカ帰りだからって…野球できるわけじゃないですよっ。」


せっかくの日曜日に…

社長の草野球のチームの助っ人に、楠見君が強制的に参加することになってしまった。

「パパがんばれ〜!」

私とルカちゃんは、応援に来ていた。

むむむ…野球のルールはわからんが…

ま…負けている…っ。

「はぁはぁ…っ」

「社長…っ…やっぱ俺…野球できないですよっ。」

「ふっ…こうなったら…助っ人を呼ぶしかないな…っ」

「だ…誰ですか…っ?」

「家事レスQの…大谷翔平だよっ。」

「えっ…そんな人…いるんですかっ!?」

社長は…スマホを取り出した。


しばらくして…来たのは…っ


よ…横井さん…っ!?


横井さんは…紺のユニフォームに身を包み…サングラスをかけて…

ガムをくちゃくちゃ噛み…

ぷぅ〜っ…と膨らましながら登場してきた。


お…っ…お〜!

確かに…なんか…スゴイ!


横井さんは…打席に立って…

バットを構えたが…っ


スカ…ッ


見事に…空振り…っ。


「あちゃ〜…ダメか〜…」

「ど…どこが…っ…大谷翔平なんですかっ!?」

「だから…言ったじゃないですかっ。僕…運動音痴だからダメだって。」

息を切らしながら…ベンチに戻ってきた横井さんが言った。


試合の結果は…惨敗だった。

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