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夜の長さ(人工股関節日記その7)
いよいよ手術日。
昨日と打って変わっていいお天気。まるで空が洗われたような青空です。
手術前なので朝ごはんが食べられず残念……。メニュー、なんだったんだろう?
10時半頃、準備をするように言われ、手術着に着替えました。
右足首に、看護師さんが淡いオレンジ色の毛糸を結んでくださいました。手術する足を間違えないようにする目印とのことです。
かわいらしいオレンジ色の毛糸のリボン。ですが、右足は心細そうに見えました。
手術は12時の予定でしたが、前の手術が早く終わったようで、11時20分からとなりました。10分前に看護師さんが迎えに来てくださり、車椅子に乗せられ手術室へ。
待合室にいた夫と合流し、手術室前まで一緒に行きました。少し話しましたが、何を話したのか覚えていません。多分、頑張る、とか言ったと思います。
手術室まで遠かったように思います。経路は覚えていません。
厚いビニールのカーテンみたいな扉があり、その奥が手術室でした。なんだか大型冷蔵庫に入るみたいだな、と思いました。
手術室に入り、先生方や看護師さんに「よろしくお願いします」と挨拶しました。執刀する先生は「頑張りましょう」と言ってくださり、それがとても嬉しく、心強く感じました。
手術室の中の様子や、どんなことをしたのかほとんど覚えておらず……手術台には自分で乗ったらしいのですが、それもよく覚えていません。
麻酔薬を入れますよ、と言われて数秒後から、名前を呼ばれて起こされるまでは全く記憶がありません。夢も見ませんでした。
……
後日、同室の方と手術のときの話をしたとき、みなさんは手術前後の様子をよく覚えていて、いろいろ教えてくださいました。いかに私が頭真っ白状態だったかがわかりました。
……
手術後、待っていてくれた夫と二言三言話しました。
多分、頑張ったよ、とか言ったと思います。
(麻酔で眠っていたので手術中はなにも頑張っていないのですが。……本当に頑張らないといけないのはこの後なのだと、まだ知らない。)
この日は自分のベッドではなく、リカバリ室という手術直後の患者さんがいる病室で過ごしました。
さて……このリカバリ室での一夜、人生最大の苦痛を味わいました。
猛烈な痛みとの闘い。右の股関節外側の傷口はもちろんのこと、膝やら腰やら、もうどこが痛いかわからないくらい痛い。とにかく痛い。
(看護師さんに「どこが一番痛いの?」と聞かれ「ヒザ」と答えたら、「は?」と言われましたが。)
座薬も打ってもらったけど痛い。
過去イチ痛い。
(ちなみに手術前までで一番痛かったのは、「バネ指治療のための手のひらへの注射」でした。)
検温しに来てくださった看護師さんに「3時間後にまた来ますね」と言われ、気が遠くなりましたよ。3時間、私はどうしたらいいの?と。
こんなに痛くて辛いのなら、歩けないのとどっちが良かったのか……とまで思いました。
……
座薬が効いたのか、少~しずつ、少~しずつ楽になっていき、上体を起こしたり、体を動かせるようになっていきました。
そして、18時には夕ごはんをぺろりと平らげるまでに回復!
こんな時でもごはんを完食する私ってスゴイ!と心から思いました。
夕ごはんを食べられたので、点滴を外してもらうことができ、また少し楽になりました。
……が。
夜は痛みと熱でなかなか寝られず……血栓予防のフットポンプの音を一晩中聞いていました。
マッサージのように気持ちがよかったわけではありません。空気圧を感じることでなんとか気を紛らわせ、長い長い時間、ただひたすら痛みに耐えていたのでした。
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