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princess crush #3

東の空、稜線のかなたに今日も朝日が昇る。
朝霧に包まれた深い森の闇を払うように、新しい光を投げかけ、夜鶯が追い立てられるように飛び去ってゆく。

ここはリューネブルク王国、善良で思慮深い国王を戴き、慈愛に満ちた姫が見守る小さいながらも活気に満ちた国。
早朝の王都……気の早い鍛冶屋が炉に火を入れ、教会の鐘の代わりとでも言わんばかりに景気のいい槌の音を響かせる。

その音で目を覚ました一人の少女。

「ぅ……う~ん……」

ぬくもったベッドが少し名残惜しそうに身を起こす。
しかしベッドを降り、少し跳ねた髪を手で軽くとかすとその表情は寝起きの少女から一変していた。ゆったりとした生成りの寝巻きを脱いで
丁寧にたたみ、壁にかけられた暗緑色のワンピースに袖を通す、その上から糊の利いた真っ白なエプロンと揃いのカチューシャで髪をまとめる。
床に丁寧にそろえられたパンプスにつま先を通し、姿見を覗くと一糸乱れぬメイドの姿があった。

彼女の名は「サラ=ランカスター」
幼いころより王城に住み込み、誰もが敬愛するマリア姫の側仕えとして永く働く若いながらも古参のメイドである。
そして、彼女はもったいないとしきりに認めないが、マリア姫の無二の親友でもある。

そんな彼女の部屋に時計などはない、精緻な工芸品であるそれはメイドの身には過ぎた品物、しかし、長年の職務で培った時間感覚は
一切狂うことなく、姫が目を覚ます時間までにすべきことを理路整然と頭の中で構築し、早速仕事に取り掛かるべく
部屋を後にするのであった。

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サラ「ふぅ…朝の水は冷たいです」

井戸端で水を汲み、顔を洗います。

サラ「さて、まずはお掃除ですね」

傍らに立てかけた愛用の箒を手にとって王城の姫の住まう区画に向かうことにします。
本来、姫の側仕えとして、朝の掃除など新人のメイドに任せておけばよいのですが、これだけは誰に譲るつもりもありません。
庭園というものは非常にデリケートなものでして……いかに有能な庭師が心血を注いで作り上げたものでも、誰かが世話をしなければ
たちどころに荒れはててしまいます。
この場所は姫のお気に入りですので……その管理を行うのもまた私の役割です。

丁寧に箒をかけて、落ち葉を集めます。
美しい花も咲き終わり枯れてしまえば摘まねばなりません、そして何より厄介なのが…

サラ「こんなところに……そういえば庭師のアルフレッドもずいぶん苦労していますね…」

もぞもぞとやわらかい木の皮を食む生白い虫の姿はこの国ではごく一般的なものですが大振りで湿ったような皮膚に
まだら模様の浮かぶそれは見ていてあまり気分のいいものではありません。

サラ「困ったものです、一匹見たら10匹いると思えといいますし」

私は箒を使って器用に枝の虫を払い落とします。
もとより手を使おうとも思いませんが……
突如何者かによって、地面にたたきつけられた芋虫たちが身をくねらせて石畳の上を這ってゆきます……

サラ「……」

その地面を這う芋虫を、私はお仕着せのパンプスでかるく踏みつけます。

プツッ……

あまりにあっけない何かがはじける音。

プツッ……

二匹目もまた靴の下に消えてしまいました。

プツッ……

三匹目は私の一踏みを受けてもまだかすかに息のあるようで、体液を撒き散らしつつも
地面を這い回っています。

グジュッ……ズリッ、ザッ……

その芋虫にも容赦なく私はパンプスが踏み下ろします、年端のいかない娘の体重でも矮小な芋虫にとっては
致命的な重圧なのでしょう……石畳と絶対的な死をもたらす靴の裏の距離が狭まりつぶれ残った体が弾け赤黒い体液を吐き散らして……彼は果ててしまいました。
ですが私は万が一にも彼が生き残ることがないように、丁寧につま先をねじり轢き潰します。作業着たるメイド服、一体である靴もまた
足元を飾る用途よりも安定感を重視し靴の裏は滑り止めの深い溝が付いています、その一山一山が哀れな犠牲者を容赦なく引き裂いて……
一匹、一匹私は芋虫たちに踏み殺してゆきます。
そして最後の一匹、生命として重要な器官の集まる頭部を太目のしっかりとしたヒールで踏み潰して、一瞬、その身を痙攣させて
やがて醜く丸まりヒールの底のシミとなりました。

サラ「これで全部ですかね?」

一方的な虐殺の痕跡を箒でかき集め、ちり取りに放り込みます。
残骸が残っていないのを確認しますと踏み出した足から湿った音がします……
先ほど踵で踏み殺した芋虫の死骸が靴の裏にこびりついていました。

サラ「最後まで世話のかかる……こんなに汚れた靴ではお城に上がれません」

行儀が悪いですが石畳に踵をこすりつけ、死骸をこそげ落とします。
土と体液にまみれたそれを追い討ちをかけるように踏みにじり、ほかの同胞と同じように
箒で掃きとって、朝の日課である掃除を終えることにしました。

サラ「しかし、朝早いうちに始末出来てよかったです、お優しい姫様はきっとこのような虫にまで情けをかけられるでしょうから……」

ちり取りの中に溜まった今しがた私が踏み殺した、おびただしい数の芋虫の死骸を一目見ます。

サラ「しかし、世の中にはただ優しいだけではどうにもならないことがたくさんあります……ですから、私が姫がお心を痛められるまえに
   こうして姫がその様なものを見ずに済むように致します」
サラ「さて、そろそろ姫様がお目覚めになる時間ですし…戻ることにいたしましょう」

石畳にこびりついた、芋虫の体液は、彼女が箒で一撫ですると、最初から何もなかったように消えていた。

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メイドの仕事は多忙です。
数えだしたらキリがありません……それは掃除洗濯、食事の支度、その他接客など各作業のプロフェッショナルがそれぞれ専門の
メイドとして立ち回る王城でも同じです。

特に私の持ち場……「王女付の侍女」というのは聞く限りではやんごとなき姫君の世話をするというどこか優雅な雰囲気すら
漂う仕事ですが、実際はそういうわけにも参りません。
何しろ相手は一国の姫君である、他国や所領、街の豪商など来客をもてなす際のドレスなどは、相手方の立場を図って決めねばならない
そういった細かい仕事を姫様にご負担をかけないようにこなすのが私の仕事です。

サラ「今日のお召し物は……これですね」

王城の一角、男性の立ち入りは国王陛下以外固く禁じられた姫が起居する区域、その片隅にある普通の家なら居間ほどの広さがあろうかという
クローゼット……元来、質素を旨とする現国王陛下の教えを受け、華美であることを良しとしないマリア姫様でありますが、
清楚なたたずまいと、すべてあまねく慈愛のお心をもって接する姫様に感銘された豪商や貴族たちがこぞって、ドレスや靴、装身具などを献上するため、
この部屋もかなりの衣装であふれかえっております。
色とりどりの華やかな衣装の森、女性ならば一度はあこがれるような様々なドレスの中から、私は今日にふさわしい一着を選び出して、
姫様がお目覚めになるのを待つことにします。

やがて、重厚な樫の扉が音もなく開き、やわらかそうなシルクの寝巻き姿の姫様がお姿をお見せになられました。

サラ「おはようございます」
マリア「おはようございますサラ、今日もよい朝ですね」
サラ「はい」

私が引いた精緻な彫刻の施された椅子に腰掛ける姫様。

サラ「失礼します…」

背に流れた極上の絹糸のような金色の御髪にそっと櫛を通します。
まるで抵抗もなく、するりと櫛の歯が通り軽く波打ち、蜜を溶かし込んだミルクのような
淡い輝きを放ち始め、ほのかに甘く優しい香りが部屋を満たします。

マリア「んっ……」
サラ「あっ、申し訳ありません」
マリア「いいえ、痛かったのではなくて……その」
サラ「はい」
マリア「サラにこうして髪を梳いてもらっているととても気持ちよくて……」

マリア「こうしてもらっていますと、なんだかまた眠たくなってしまいそうです、いけませんね……サラたちは夜も明けらぬうちから
    働いていらっしゃるのに」

少し申し訳なさそうにされつつ、深い森の奥に湧き出る清らかな泉のような碧の瞳を心地よさそうに細められる姫様。
凛と美しく、清楚な普段の姫の一瞬だけ気の抜けた表情、それこそが……

サラ「そのお顔が見られるだけでどのような苦労も報われます……」
マリア「え? 何かおっしゃいました?」
サラ「いいえ……もったいないお言葉です、姫様」

ひとしきり姫の髪を梳き、姫の脱いだ寝巻きを受け取ります……不謹慎ながらそのかすかに残った姫様のぬくもりが心地よいです……
そして、先ほど選んだドレスに姫が袖を通すと背後に回り、帯とボタンをかけてゆきます、豪奢なドレスはとても一人で着れるような
品物ではありません、このように誰か手伝いがいなければならないのです、ほんの小さな衝撃で壊れてしまう上等な白磁器のようなお肌を
守るようにドレスで包みあげ、最後に姫様の象徴である繊細な金細工のティアラを姫の御髪にそっと挿し、靴職人が己の魂を注いで
作り上げたハイヒールに傷どころかほくろひとつない小さなおみ足が滑り込むと近隣諸国に聞こえる麗しい姫君の姿がそこにございました。

サラ「さあ、参りましょう、陛下がお待ちです」
マリア「はい」

私が扉を開け、姫様がスカートを少しつまみ優雅に歩みだします。
築城当初からそこに敷かれているという緋色の絨毯を踏む姫様の足音の後ろから私は足音ひとつ立てることなく
姫に付きしたがって陛下のお待ちになられる食堂へと向かいます。

サラ「では、また後ほど」
マリア「はい」

南方の果てに住むという象という大きな動物がそのまま入れるような大きな扉が並ぶ中、ひとつだけ意外なほどに質素で
小さな扉がございます。
姫様はその扉をそっと開けて中に入られ、私はその前で姫様が扉をくぐられるのを見守ります。
一見すると使用人の控え室のように見えますが、こここそが、王家の食堂、つまり姫様や国王陛下がお食事をする部屋です。
華美を嫌う陛下のお人柄がそのまま表れたような質素な部屋は、王城の中にありひときわ異彩ですが、不思議な
温かみを持つ空間を作り上げております。

本来姫の側仕えとして、私は常に側にあるべき立場でありますが、国王と王女とはいえ父と娘…そんな団欒の場に
控えているなど無粋な真似はできません。

私も、食事をいただくために厨房へ向かいます、何か賄いのひとつもあるでしょう…

声「きゃっ!?」
サラ「?」

と、通り過ぎた扉の向こうから悲鳴が聞こえました……食料庫です。

サラ「何事ですか?」
メイド「あっ……」

食料庫の薄暗がりから二人幼いメイドが姿を現しました。
これから成長することを見越しての大きめのメイド服に年少メイドのお仕着せである茶色のエナメルストラップシューズ姿……
そして二人とも、一様に何かにおびえたような表情をしています。

サラ「こんなところで騒いで……いったい何があったのですか?」
メイド「その、出たんです!」
サラ「出た…と申しますと?」

暗がりを指差し上ずった声で彼女たちが言います。

メイド「その……黒い、テカテカの……」

そういうや否や、その彼女たちを恐怖に陥れた張本人が姿を現しました。
黒々とした光沢を持つ大ぶりのゴキブリです。

メイド「きゃぁ!?」

二人とも私の腰や胸にしがみついておびえています。
しかしゴキブリはそんな彼女たちをあざ笑うかのように、悠然とこちらに近づいてきます。

サラ「……ただのゴキブリではないですか」
メイド「で、でもぉこっちにきます…先輩、追い払ってくださいよぉ」

フジャッ……ズリズリ……

メイド「あっ!?」

足元まで這いよってきたゴキブリを踏み潰します、乾いた殻が砕け、中から粘ついたものが
漏れ出す音が薄暗い食料庫に響き渡しました。
そのまま床にこすりつけるようにつま先を数回ねじり足をあげると、原形をとどめぬほどに
ひしゃげ潰れたゴキブリの残骸が体からはみ出た白い内臓とともに靴の裏にこびりついていました。

メイド「すごい…」
サラ「別にすごいことではありません、あなたたちは何におびえていたのですか?」
メイド「え?」
サラ「ただのゴキブリです、踏みつければ簡単に殺すことが出来るのですよ?」
メイド「あの、それって私たちでも出来ますか?」
サラ「もちろんです、ちょうどそこにもう一匹いますから同じようにして御覧なさい?」
メイド「はいっ!」

二人が、闇の中で這い回っているゴキブリに軽い足音で向かってゆきます。
そして、一瞬ためらったように、足を上げたまま固まっていましたが、二人がお互いの顔を見合ってうなずくと
小さな足をゴキブリに踏みおろして、靴の裏が床を踏む音と先ほどと同じように乾いたような湿ったような
音がして……

メイド「うわぁ、ぐちゃぐちゃになっちゃった」

一人のメイドが靴の裏にこびりついたゴキブリの残骸を見て声を上げます。
その声に、もう一人、今度はおとなしそうなメイドの子が小ぶりな子供のゴキブリを数匹まとめて踏み殺しました。
体重をかけてつま先をひねり、ゴキブリを残骸どころか床のシミにすらならないほど手ひどく踏み躙ります。
気弱げな顔立ちから想像も付かないような残虐な殺し方です……
一方活発な雰囲気の子は動きの早い大人のゴキブリを追い、うまく踏みつけられないのか、手にしたはたきで一度たたいて弱らせているようです。

メイド「先輩、見てください、コイツこんなに太って…お城の食べ物を盗むなんていけない子です」

腹を天井に向けて、もがいているゴキブリのやわらかい腹の部分を茶色のストラップシューズで楽しそうに踏み躙っています。
やがて、少女の体重で腹が裂けて、中から粘ついた内臓がはみ出して、彼女の靴を汚したようです。

サラ「あなたたち…本来でしたらこんなにゴキブリが増えることを許すこと自体が恥ずかしいことなのですよ」
メイド「あっ…す、すいません……」
サラ「ですがこうなってしまっては仕方がないですね、ここにいるゴキブリを全部殺して、今度は罠を仕掛けるようにしなさい」
メイド「はぁい…」

白い粘液で靴をべとべとに汚した二人の幼いメイドが私の前でしゅんとしています。

サラ「それと…戻るときはちゃんと靴をきれいにしておきなさい、そんな汚れた靴で絨毯を汚したりしたらゆるしませんよ?」
メイド「はい……」
サラ「わかったら、さっさとゴキブリたちを始末しなさい、私も手伝います」
メイド「はいっ!」

はぁ…食事をするつもりでしたが、ゴキブリたちの残骸で食欲も失せてしまいました。

ズサッ、グリグリ……

腹いせに、内臓を撒き散らしながらもまだ息のあったしぶといゴキブリを踏みにじります。
靴の端から最後の力で足を振り乱してもがいていますが構いません、つま先にさらに体重をかけて潰します。
もう姫様も部屋に戻られる時間ですので、私も戻りましょう……

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王女という仕事も、側に立ちその一日を見ていると余人が想像する以上に過酷な職業であるといえます。
食事が済めば部屋に戻り、居室の一角にある大きな樫の机につきます。

多忙な国王陛下に代わって政務の一端を担っているのです。
姫様の下に送られてくる書類は廷臣たちが吟味を重ねた完璧な物です……しかし、いかに完全な書類でも
国王の承認がなければ実行には移せません、姫様は陛下の名代として最後の承認を行うお仕事をお若い身ながら
その書類に目を通し、必要ならば担当の文官を呼んで質問などをされています。

サラ「………」
マリア「………」
サラ「………」
マリア「あの……」
サラ「何でしょうか?」
マリア「私の顔に何か付いていますか?」
サラ「いいえ」
マリア「そうですか、先ほどからじっと私を見てられますので、てっきりと……」
サラ「いえ、申し訳ありません」

私としたことが、姫様のお仕事をされるお姿に見とれてしまっていたようです。
ドレス姿もさることながら、執務をされる時に召される女学生のような動きやすい服装の
姫様もまたとてもお美しいです。

マリア「う~ん……」

流れるような金色の髪をリボンでひとつにまとめ、じっと書類を前に何か思案をされています。
やがて、机の引き出しを開けてなかから小さな革の袋を取りだされました。

マリア「もしかして……変ですか?」
サラ「いいえ、とてもよくお似合いですよ」
マリア「そうですか……ありがとうございます」

少しはにかんだように頬を染められてかけたのは金縁の眼鏡……別段姫様は目が悪いわけではありませんが
何か深く思慮されるときに眼鏡をかけるのです。
贅沢をしない姫様が唯一申された我儘で作られたものですが、職人にそれを作るよう申し出たときはそれは大変な騒ぎで……

国中の貿易商が自慢の慧眼で他国よりレンズと呼ばれる高価な硝子板を取り寄せ、金細工銀細工職人が総力を挙げて
こしらえた枠と、金鎖に埋め込み組み立てられたそれは、姫様のお顔をさらに凛としたものにしております。

サラ「では、私は少し席をはずしております、何かございましたらお呼びください」
マリア「はい」

パタン……

姫様の執務室を後にします。
午前中の公務が終われば、午後にはご勉学に励まれ、夜には毎日毎日客人が訪れてきます。
もう少し姫様もお休みをされてもよろしいものかと思いますが……

遠くから正午を告げる鐘の音が響いてまいります。
もうこんな時間ですか……先ほどの書類が最後のものだったようですね。
最後の最後で姫様を悩ませるとは……あの書類を上げた文官は……まったくもって許しがたいですね。

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サラ「さて……」

窓から薄い紗のカーテンを通して午後に日差しが差し込んでまいります。
このような穏やかな日は、油断すれば睡魔がこみ上げていますが、そろそろ姫様のご勉学の時間も終わるはずです。

パタン……

サラ「お疲れ様です姫様」
マリア「はい」

いかに姫様であろうと、朝からの公務とご勉学で少しお疲れのようです。

マリア「んっ……」

姫様が軽く伸びをされます。普段、国民や廷臣の前では決して見せないお姿で、そんなお姿を見るのは本当に私くらいでしょう。

……役得ですね。

サラ「少しお散歩にでも参りますか?」
マリア「そうですね、今日はとてもよいお天気ですし」
サラ「わかりました、お供いたします」
マリア「はい」

王城の庭園は広大です。
長い歴史を誇るこの城は幾度かの戦乱と栄華の時代を繰り返し、そのたびに増築改築を繰り返し裏手の森をひとつ飲み込むほど
に大きな城となりました。

その庭園の森、庭師によってきれいに整備された小道を姫様とともに散策します。
荒い大きな石を敷き詰めた石畳に姫様のヒールの音と、私の靴音が続きます、それ以外は鳥の囀りとかすかな木々のざわめきだけが
満たされた静かな時間です。

マリア「気持ちいいですね」
サラ「はい」

王城側の人工の庭園にはない森の気配は自然と人を和ませるようです。
この自然を乱さない巧妙な手入れは、この庭園の管理を任されたアルフレッド……姫様のお気に入りの庭師の腕を認めざるを得ません。
私としては、彼のことは……よしましょう、闇に葬った記憶です。

姫様はお召し物のドレスを気にされつつも、陽だまりの大きな木の根元にある岩に腰を下ろし、少し眠たそうに目を閉じておられます。
ここは、声をかけずにしばらく静かにしていましょう。

しかし…

声「きゃあっ、ちょっとぉ~!」

静寂を破る声…

マリア「何でしょうか?」
サラ「さて? 少し見てまいりましょうか?」
マリア「はい……あら?」

気が付くと、姫様の足元白いハイヒールのつま先に何か黄色い毛玉のようなものが擦り寄ってました。

マリア「まぁ……かわいいですね」
サラ「ひよこですか……」

姫様が足元に擦り寄るひよこをすくい上げて自分の目元に持ち上げられます。
ひよこは何がおきたのかわからない様子で首を傾げていますが、やがて姫様の手の温もりに安心したのか座り込み、うつらうつらと
眠り始めました。

マリア「あ、眠ってしまいました……」

そんなひよこを胸元に抱き、赤子をあやすようにそっと撫でる姫様……
やがて、小道の向こうから黄色の小波が押し寄せてまいります。

声「待って~!」

しばらくするうちに姫様の足元がひよこたちで埋め尽くされます。

声「はぁ、はぁ、はぁ…やっと追いついた…」
サラ「何事ですか?」
声「はい…今朝生まれたばかりのひよこのオスメスを分けていたら…って…ええええっ!? ひ、姫様!!?」

ひよこの黄色い羽毛にまみれて荒い息を吐く鶏小屋番の少女が恐縮して固まります。

鶏小屋番「し、失礼しました! 申し訳ありません姫様!」
マリア「いえ、よいのですよ」

足元にじゃれ付くひよこたちをいとおしげに見つめ、姫様が微笑まれます。

マリア「とてもかわいいですね…」
鶏小屋番「はい、まだ生まれたばかりでして……ですがこの子達はオスで…」
マリア「まぁ、男の子なんですね」
鶏小屋番「はい、ですから……」
サラ「………」

私は、鶏小屋番の少女が言葉を続けようとするのを無言の視線でさえぎります。

鶏小屋番「あっ、いえなんでもないです」
マリア「?」

途中不自然に言葉を止めた鶏小屋番の少女をいぶかしみながらも姫様は、抱いたひよこの頭を撫ででいます。

マリア「男の子でしたら、いずれ立派な雄鶏になるんでしょうね……」
サラ「ええ」
鶏小屋番「……」
サラ「姫様」
マリア「なんでしょうか?」
サラ「私は、彼女を手伝って、ひよこを鶏小屋に戻してから戻りますので申し訳ありませんが一足先にお戻りいただけますか?」
マリア「あ、はい……わかりました」

名残惜しそうに鶏小屋番に抱いたひよこを返し、城に戻る姫様の背中を見送ってから、鶏小屋番につぶやきます。

サラ「あなた…姫様につらい現実を突きつけなくともいいのですよ」
鶏小屋番「す、すみません」
サラ「ところで、あまり見かけない顔ですね?」
鶏小屋番「あ、はい……先月ご奉公にあがったばかりでして」
サラ「そうですか……では「処分」も初めてで?」
鶏小屋番「……はい、頭ではわかっているんです、ですが……」

少女が去ってゆく姫様をさびしそうに見送っているひよこたちに視線を落とします。

鶏小屋番「この子達を殺さないといけないんですよね」
サラ「ええ、オスは不要ですので、卵を産みませんし肉も硬いですからね」
鶏小屋番「……」

心底つらそうな顔で少女が黙り込んでしまいます。
鶏小屋番の宿命ですが、やはり最初の一回はつらいのでしょう、ましてや自分が世話をして孵化させたひよこ達ともなれば……
亜麻色のやわらかそうな前髪が彼女の幼さの残る優しげな顔に深い影を作っています。

サラ「……今日はもうお上がりなさい」
鶏小屋番「え?」
サラ「今回のところは、私がその役を負いましょう」
鶏小屋番「そんな……」
サラ「同じ城の奉公人ではありませんか、互いに助け合うものでしょう?」
鶏小屋番「同じなんて…そんな」

少女が私の手を見遣ります、姫の側仕えの証である白い手袋…姫様に触れることもある私たちはみだりに手を汚してはならないと
普段はずっと身に着けています。

鶏小屋番「その…」
サラ「サラです」
鶏小屋番「サラさんは姫様のお付の方ですよね、そんな方にこのようなことをお願いするわけにも」
サラ「では、あなたがしますか?」
鶏小屋番「……」
サラ「あなたはまだお若いようですね、今日のところはそういう仕事もあなたが選んだ仕事にはあるということを理解していただければ
   結構です、ただ…優しいだけでは我々はどうにもならないことがあるものまた事実」
鶏小屋番「はい……」
サラ「そして、私は姫様に出来るだけそのような辛い現実を見ずにいてもらいたいのです」
鶏小屋番「はい……」
サラ「ふふ……でも優しいことはいいことですよ、いずれ仕事に慣れてもその心は忘れないでください……
   もしかしたらあなたも側仕えのほうが向いているのかもしれないですね」

彼女の持ってきた木箱にひよこたちを集めて立ち上がります。

サラ「さぁ、もうお行きなさい」
鶏小屋番「いいえ、一緒に彼らの「始末」を……」
サラ「できるのですか?」
鶏小屋番「……」
サラ「わかりました、私がやりますので見ていてください……ふふ……本当に部下にほしい人材です」

彼女とともに木箱を抱えて鶏小屋に向かうことにしました。

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森の片隅…鶏の管理をし、卵などを生まれたその日のうちに厨房に届ける鶏小屋があります。
白いニワトリたちがあたりに思うがまま歩き回り、えさ箱の穀物をついばんでいます。

その中の柵で囲まれた一角で「処分」を行うことにしました。

サラ「ここでいいですね」
鶏小屋番「はい」

地面にひよこたちを放つと彼らは側の鶏たちと同じように地面のえさをついばみ始めます。

鶏小屋番「あの……処分ってどうやってやるんですか?」
サラ「そうですね、一般的には穴に埋めてしまうのが簡単なのですが……」
鶏小屋番「……」

私の言葉に少し顔を青ざめさせる彼女。

サラ「それでは、犬やカラスたちが穴を掘り返して荒らしてしまうことがあります」
鶏小屋番「そうですね……」
サラ「水につけて溺れさせるのも一羽一羽になりますから、手間と時間ばかりかかります」
鶏小屋番「はい」

あれだけこれから生まれたばかりの小さな命を奪わねばならない現実におびえていた彼女ですが
私が行う行為を最後まで見守ると決めた途端に職人の顔になっています、頼もしいですね。

サラ「ここはひとつ踏み殺してしまうのがよいでしょう」
鶏小屋番「ふ、踏みつけるんですか?」
サラ「ええ、生まれたばかりでしたら、まだ体もそれほど硬くはないでしょうし、非力な女性でも
   靴を履いていれば容易に始末できます」

少女が私の足元を見遣ります。
黒いストッキングと紺色のお仕着せのパンプス。
ずいぶん履き込んで自分の肌のようになじんでいるものです、ヒールの高い靴ですが、太めでしっかりしているために
見た目以上にしっかりと踏みつけることが出来ます。

サラ「では……はじめます」
鶏小屋番「はい……」

私の足元でえさをついばんでいる数匹に足を踏み出します。
何事かわからない様子で私を見上げて、なれない囀りをひよひよとあげていますが、その一匹を軽く踏みつけます。

ひっ…

引きつったようなか細い声を上げるオスのひよこ、小さな羽を羽ばたかせ懸命にもがいています。
しかし、どこまでいっても人間の女と生まれて間もないひよこ、差はどうしても埋めがたいもののようですね……
私はさらに体重をかけて、つま先を円を描いてこねるようにひねると……

ひゅっ!? ひっ、ひぃぃぃ!?

プチプチと彼の骨が砕けてゆく感触が靴の裏に伝わってきます。
それを感じて、足を上げると全身の骨をこねるように砕かれて動けない彼が弱々しい声を上げて周りに助けを求めていますが
ほかのひよこたちはえさをついばみ続けています。

サラ「御免なさい、あなたに恨みがあるわけではないのですが……」

もはや生きながらえられる可能性もない彼に再びパンプスの靴底を押し付けます。

びゅっ、ぴぃ……

サラ「オスであるあなたは、もとより生きる価値も権利もなかったのです……ですから」


さらに体重をかけてゆきます…明らかに彼のカタチが崩れ、くちばしの端から赤いものが泡に混じりあふれ出してきました。

サラ「申し訳ありません、死んでください」

びゅぎぃぃぃぃ………グジュッ!!

ついに重圧に耐え切れなくなった彼が靴の下で断末魔の悲鳴を上げて…いえ、単純に肺の中に残った空気が漏れた音かもしれませんが
最期の声を上げて私の足の下で柔らかい物が潰れる音を立てて靴の下に消えました。
地面に彼の残した命の痕跡が赤く赤く鮮やかな文様を描きます。

鶏小屋番「ぁ……」

同時に鶏小屋番の少女が小さな声を上げます。
私の行為に魅入られたように、瞬きもせずに、その赤く染まった石畳と私のつま先を見つめています。
私は、その様を彼女に見せ付けるように、彼を踏み殺したつま先を上げるとそこには……

サラ「………」
鶏小屋番「ああっ!?」

愛らしいひよこだったモノが無残に散らばっています、確かな命を謳う心臓であったもの、彼を構成していた複雑怪奇な様々な器官それらが
真っ赤な血液を撒き散らして、本来触れるはずのない空気と陽光の元に姿をさらしています。私のパンプスに踏み潰されてなお天を仰ぐ
飛ぶことは出来ずとも雄々しく羽ばたくはずだった小さな翼、愛されるために……幸せをそのまま形にしたような黄色の羽毛は、血と泥にまみれて
どす黒く染まっています。
しかし、私はその彼の遺骸をさらに蹂躙します。
物言いわぬモノを追い討ちをかけるようにつま先で完全に破壊します、潰れ残った彼の臓器をヒールで一気に叩き潰します。

鶏小屋番「ああっ!? ……あああ……」

鶏小屋番の少女が呆然とその様子を見詰めています。

サラ「よく見ておきなさい……」

丁寧に、彼をすりつぶすと、異変に気がついたのか、一匹のひよこが一目散に私から遠ざかり始めました。

サラ「逃げるつもりですか……」

しかし、小さなひよこの足、ましてや今朝生まれたばかりの……歩くこともままならずよたよたと這いずるように逃げてゆきます。
その様が、まるででっぷりと太った中年男のようで、かわいらしい姿とは裏腹に嫌悪感をそそらせます。

びっ!!? ブチュンッ!!!

その逃げる彼を、私は高々と上げた足を一気に踏み下ろし、一息に殺します。
ある意味、痛みも恐怖も感じることなく死ねたのかもしれません、私としたことが……

その後、二羽、三羽とパンプスで葬り去ってゆくうちに、濃い血臭があたりに漂い、裂けた腹から腥い(なまぐさい)内臓と脂
の臭いが立ち込めてきます。

鶏小屋番「あっ…え? 私……」
サラ「どうされました?」
鶏小屋番「いえ、なんでもないです……」

その臭いに当てられたのか、熱に浮かされたような忽然とした表情で、一方的な殺戮を見守る彼女……
そして、最後の一羽……

サラ「この子には見覚えがありますね」

確か、姫様が大層かわいがっていた一羽だったはず……
姫のお気に入りを手にかけることに私のつま先は迷いましたが、先ほど大見得を切った手前、例外を作るわけにも参りません…

それに…

一瞬でああも姫に愛されるこのひよこに私は軽く嫉妬しているのかもしれません、心の内より湧き上がってくる抑えがたい破壊衝動
を感じます、それが、姫の恩寵を当然のように賜っているある人物と重なります。

鶏小屋番「あの、サラさん……」
サラ「なんでしょうか?」
鶏小屋番「その…大丈夫ですか? なんかお顔が赤いですよ…それに少し息も乱れているようですし……」
サラ「いえ、大丈夫です……それよりあなたのほうこそご気分が優れないのでは?」
鶏小屋番「いいえ、大丈夫です……少しだけ、なんていうんでしょうか不思議な気分で…」

下腹部をさすりながら、依然頬を赤く染めて答える少女……
しかし、顔に出ていましたか……私も精進が足りません……心の中でそのひよこにある名前をつけて、これから始末する
算段を立てていたら自然と顔が緩んでしまったようです。

彼が逃げようとするのを箒でたたきつけてさらにこちらに掃き寄せます。

ぴっ!?

地面に転がされた彼は小さな羽根を使って懸命に起き上がろうとしますが、私はその小さな羽根をヒールで踏み潰します。

ゴリッ! ブヂブヂッ…
ぴぃーーーーーーっ!?

悲鳴とともに細かな骨が砕け散り黄色の羽毛があたりに飛び散ります。
彼の羽はあらぬ方向に捻じ曲がり、根元からちぎれ赤い血が羽毛を汚しています。

それでもよたよたと立ち上がり、歩き始めようとします……私はすかさず、彼のオレンジ色の足をつま先で踏み砕きます。

ブッ! ブヅッ…

硬いのかと思いましたが、それは意外なほどに脆く、彼はこれで逃げるすべを失いました。
醜く、丸い体を転げまわらせるしか出来なくなったのです。

私はその丸い塊をつま先で転がし、腹を向けさせます。
柔らかい羽毛で包まれた、小さなおなか…鼓動と呼吸で軽く上下して生きていることを懸命に訴えてきます、まるで命乞いをしているように……
しかし、最初の一羽と同じように靴底を押し付けて軽くこね回します

びぃゅ、ひぃ、ひぅ……

苦悶の声とともに先ほどと同じく、軽い小枝が折れるような音がして、丸い彼の体が支えを失ったかのように平たく潰れました。

サラ「さぁ、終わりにしましょう……」

……誰にも聞こえないくらいに、彼に私が名づけた名で呼んで、ヒールを押し付けます。
重たいヒールは靴の裏よりも広さが小さく、その分だけかけた体重が一気に踏みつけたものを破壊します。

ブヂブヂブヂ…
びっ、びっ、びぎゅぁああーーー!! ひぅ、ひぅ……ゴボッ……

腹が裂けて、ヒールが彼の体を犯してゆきます、どんどん体内に食い込む紺色の杭のようなヒールが彼の内臓を
抉り出し、掻き回し、まさに命のありようを否定してゆきます。
必死に抗う最期のもがきがヒールを通じて、私の全身を駆け巡りますが、一度点いてしまった破壊衝動を納めるどころか
助長するだけでした。
私は、ヒールで彼の傷口をさらに広げ、臓器を掻き出し、石畳の上で一つ一つ漏れがないように踏み潰します。
それでもなお、生きているのか、痙攣を繰り返し口から血の塊を吐き出しながらも声を上げよう度する彼……

ゴブブ……びぃょ、びぃ…げっ……

そんな彼の頭部に、最後にヒールを添えて……

ボリンッ!!

盛大な音とともにもっとも固い彼の頭蓋ごと小さな脳を踏み潰しました。

サラ「……終わりましたよ…」
鶏小屋番「………」

呆然と私を見つめる彼女……

サラ「もし…? いかがしましたか?」
鶏小屋番「はっ、あ、いいえ…なんでもないです」
サラ「もう終わりましたよ」
鶏小屋番「あっ、はぃ……」
サラ「大丈夫ですか?」
鶏小屋番「はい……」
サラ「では、これから最後の仕事をしますので、少し手伝ってください」
鶏小屋番「仕事ですか?」
サラ「ええ、この残骸をきちんと埋めておかないと、カラスなどが集まって大変なことになりますから」
鶏小屋番「そ、そうですね」

私は、手にスコップを持って、彼女とともに小さな穴を掘ります。
そこに箒で彼らの残骸を掃き集めて、上から土をかぶせます。
最後に、土を最初よりも軽くもって小さな山を築き、そこに、そのあたりから手折ってきた花を添えます。

鶏小屋番「お墓…ですか?」
サラ「自分への言い訳です」
鶏小屋番「言い訳?」
サラ「私とて、生き物を手ひどく殺すのは少しだけ抵抗があります……だからせめて殺したもののお墓くらい作って弔ったということにしておくんです
   そうすれば、後で思い出したときに少しだけ気分が楽ですから」
鶏小屋番「そうなんですか」
サラ「はい」

サラ「さて、私はこれで城に戻ります」
鶏小屋番「はい…ありがとうございました、あ、そこに井戸がありますので……」
サラ「そうですね……靴がひどいことになりました」

紺色だった靴はひよこの血液でもはや真っ赤で混じりあい黒くなっている、あちこちに肉片や体液、それに羽毛が飛び散り
こんな姿では城に上がることが出来ないです。

サラ「……」

私は愛用の箒をつかむと自分の足元を軽く一掃きします。
すると、それだけで汚れがなかったかのように消え去ります、血腥い臭いももうしません。

サラ「ではこれで……」

鶏小屋を後にします。
そのときふと振り返った先で、彼女が忽然とした表情でひよこの残骸を恐る恐る踏み躙っていたのを見たような気がしましたが……

サラ「やはり、私のところでほしいですね……」

特に声はかけずに、城に帰るのでした。

サラ「さて、確か本日は夜から来客との夜会があったはずですね…姫様のドレスのお見立てと準備をしないといけませんね」

<完>


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