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princess crush#2

広大な王宮の庭を冬の訪れを告げる冷たい風が吹く抜けてゆく…
長い歴史を誇るこのリューネブルク王国の王城は拡張を繰り返しいまや庭園といえど
林を一つ飲み込むほどの規模である。

そしてここに一人の青年がいた。
名をアルフレッド、歳若いが長く王城で庭師を務めるベテランである。
幼い頃から王城付きの庭師に弟子入りし、庭師の引退後は彼がこの近隣諸国に
名を響かせる美しい庭園の管理を一手に任されている。

アルフレッド「ふう、今日は一段と冷え込なぁ…」

しかし、王城勤めとはいえ一介の庭師…厚手の作業着に長靴、腰には商売道具である剪定用の鋏が機能的に収められた
いかにも庭師といった出で立ち、一年中変わらぬその姿は今日のような木枯らしの吹きすさぶ日にはいささか寒々しい…

アルフレッド「もう冬支度の季節か」

凍える手に息を吐きかけ恒例の作業について思いをめぐらす。

アルフレッド「虫を払っておかないとね…」

淡い金髪を所在なさげにいじりつつ頭に思い浮かべたその虫の姿に一瞬、端正な顔をしかめた。

アルフレッド「まぁ、お世辞にも見ていて気分のいい姿じゃないね」

ふと、近場の木に目をやるとその相手が今まさに彼の庭園を食い荒らそうとしていた。
生白く湿ったような光沢を持つ体、もぞもぞと身をくねらせて一心不乱に樹皮を食む大降りのイモムシの姿は
人の生理的嫌悪感をかき回すには十分な姿だった。

アルフレッド「言ったそばから…今年は夏も暑かったし…たくさんいるんだろうな」

暗鬱な気分でそれを一匹ずつ摘み上げては枯葉のカゴに放り込んでゆく、あとでまとめて処分するためだ。
そのとき…

コツ…

林道の石畳を叩く堅い靴音…女性のようだ。

声「あ、アルフレッドさん、おはようございます」
アルフレッド「え?」

背後からかけられた声は鈴を転がすように涼やかで、しかし、聞くものを落ち着かせる温かみもあわせもつような響き。

アルフレッド「ひ、姫様!?」
マリア「おはようございます、今日も冷えますね」

振り返ると、輝くような豊かな金髪に深い碧の瞳の美しい女性…自分が仕えるこの王国の王女である
マリア様が柔らかい微笑を浮かべて立っていた。

淡い碧を基調にしたドレスに同じ色のストールを羽織って木の根元にかがみこむ自分の側に歩み寄ってくる。

マリア「もう冬の支度ですか?」
アルフレッド「ええ、そうですね…まずは虫を払って…」

毎年のことなので言うまでもないが、立ち上がって姫に向き直り説明を始める。
姫もその話を真剣に聞いてくれる。

マリア「毎年のことですがご苦労様です、冷えますのでお風邪など召されないように気をつけてくださいね」
アルフレッド「ありがとうございます」
マリア「あ、そうだ…」

コツ、コツ…

ヒールの音を響かせて自分に詰め寄る姫。

マリア「よかったら使ってください、少しは温かいと思いますので」
アルフレッド「え?」

ふわっ…

姫の腕が自分に伸びて、真っ白な手袋に包まれた細い指が頬をかすめてゆく…
そして、何かに包み込まれる温かい感触。

アルフレッド「そんな、姫様!?」
マリア「いいんですよ、いつもお庭をきれいにしていただいて本当にありがとうございます」
アルフレッド「いえ…」

僕を包む温かいものの正体は姫が今まで自分の身を包んでいた緑色のストール。
今まで身につけていた姫のかすかな温もりと香りが残っている…

アルフレッド「姫様、このような庭師にそんなもったいない…」
マリア「そんなことはありませんよ、また来年…この庭にきれいな花を咲かしてください」
アルフレッド「はい、もちろんです」

そういうと、姫は踵を返して立ち去ろうとするが、足元にいる何かに目を留め
少し悲しげな視線を落とした。

アルフレッド「あっ、もうしわけありません、すぐに…」

その足元のモノは先ほど僕が捕まえたイモムシだった。
おそらく、かごに入り損ねたのか、または逃げ出したのだろう…
蟻の行列でさえもよけて通るほどの優しい姫のことだ、これから処分される虫の運命を哀れんでいるのだろうか…
潤んだ瞳で足元のイモムシを見つめている。

マリア「……」

しかし、姫は僕の予想を大きく裏切る行動に出た。
石畳の上でうごめくイモムシに、潤んだ視線を向けながらきれいに磨かれた曇り一つない真っ白なハイヒールをかぶせる…
姫の靴の裏と石畳に挟まれたイモムシがいびつに歪み、とうとう姫の体重に耐え切れず

ブヅッ…

マリア「んっ……」

姫様の口から一瞬漏れた吐息と共にイモムシの薄皮が裂け、口と尻から黒い汚物を吐き出して靴の下に消えた。
飛び散った体液がエナメルのハイヒールを汚し、そっとつま先を上げると、平らに踏み潰された
イモムシがそれでも死に切れなかったのか体液にまみれて天を仰ぎこの場から逃げようと
懸命に身をよじっている。

マリア「ぁ…」

姫が自分に聞こえるか聞こえないかというか細い声を漏らし、僕が見ているのに気が付かないのか
再度ハイヒールで執拗に踏み躙る。

ズッ、ズッ…ブチュッ、ザリッ…

石畳と靴の裏で、哀れなイモムシが轢き潰されて行く音と砂粒がこすれる湿っぽい音が
木枯らしの中に消えていった。
誤って踏みつけてしまったのではない…心優しい姫は確実に自分の意思をもってこのイモムシを
ハイヒールで踏み殺したのだ。

アルフレッド「……」

その光景に僕は息をするのも忘れて魅入っていた。

マリア「あ…」
アルフレッド「え?」
マリア「いえ、なんでもないです、ではお仕事頑張ってくださいね、アル兄様」
アルフレッド「!? は、はい…」

僕のことを名前ではなくかつての呼び方で呼んで、
ばつの悪そうな笑顔を浮かべて姫が城の方へ立ち去っていった。

アルフレッド「……」

その後に残されたのはもはや原形をとどめないほどに潰れひしゃげた芋虫の死骸…
吐き出した黒い体液で石畳に花を描いている。
僕は…姫が為したその残酷な行為に興奮していた。
僕の股間が熱く張り詰めているのを確かに感じていた。

そのとき、過去のある光景が僕の脳裏によみがえった。
文字通り虫も殺さぬ心優しい姫が、かつてお転婆で命の重さも善悪の区別も付かぬ時分の頃の光景だった。

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さかのぼること数年前。

よく晴れ渡った空の下、街は賑やかなざわめきに包まれている。
今日は国王陛下の誕生日、近隣各国の使節、地方領主、豪商らが王城に集まり
陛下に祝いの言葉を述べている。
街では市や露店が立ちこの王都全体が祝賀ムードに染まっていた。

そんななか、僕は一人黙々と庭の整備を進めている…

アルフレッド「ふう…午後からは来賓の方々がくるからな…親方は腰を痛めて寝込んでるし…」

今は式典の最中だが、それが終われば今度は祝宴が開かれる手はずだ。
この庭園に足を運んでくる貴族もいるだろう、内外に知れ渡る荘厳な庭園がこの晴れの日に
荒れていてはリューネブルクの…いや、陛下のお顔に泥を塗ってしまう。

アルフレッド「よし…これが終わったら次は…」

頭の中に自然と浮かんでくる手順にしたがって手際よく作業を進めるが、いかんせん
するべきことは膨大だ。
しかも今日は親方に代わって初めて一人で仕事を任されたわけで…
失敗は出来ないし、したくない。

アルフレッド「ん?」

丁寧にほうきでクズを集め、かごの中に放り込む。
個々は庭園の中でもかなり奥のほうに位置し、ここまで足を運ぶような人もまずいないだろうが
念には念を入れて…
と思った矢先に、一本の立ち木に目が移った。

アルフレッド「……まさか」

その根元でうごめく何か…

アルフレッド「あ~…まったく…困ったな」

その正体は白く丸々と太ったイモムシ、一年を通して繁殖する珍しい種類だが
この国ではかなり一般的な名実共に害虫だ。
何しろ、この虫にたかられると樹皮を食い荒らされて、放置すればこいつらが成虫になる頃には
一本丸ごと枯れてしまう、見つけたらすぐに駆逐するのが基本だ。

アルフレッド「この忙しいのに…でも見つけてしまったからには…払っておかないとなぁ」

よく見れば何匹も木にたかって、人の苦労などわれ関せずと樹皮を食み続けるイモムシたち。
その姿に次第に腹が立ってきた。
火ばさみを使って一匹ずつ木からはがしてとりあえず地面に転がしておく、後で始末をしなくては…
ここまで大きいとどのように処分してもかなり気味の悪いものになるが、これも仕事だ。

アルフレッド「うん…あらかた終わったかな…さて」

周りを見回す、「一本の木にたかっていたら周囲10本の木にいると思え」という親方
の言葉に従って、あたりをくまなく探すと周りにもちらほらと虫が思い思いに木々を食い散らかしている。

アルフレッド「いる…」

火ばさみを持って次の木へと足を運ぼうとしたときに背後から足音がした。
まだ式典の最中…貴族の方はこっちには来ないはずだ、メイドだろうか?

パタパタパタパタッ…

歩幅の小さい子供のような足音、そういうのに一人だけ心当たりがあるが、その人物も今は式典の最中のはず…
だったら、特に振り返る必要もないと思い、作業を続行する……え!?

ドンッ!!

アルフレッド「わっ!?」

背後に衝撃が走り、背中に何か温かくてやわっこいものが飛びついてきた。

声「アル兄様!」
アルフレッド「マ、マリア姫様!?」

僕に突撃を仕掛けた犯人は、あろうことかマリア=フォン=リューネベルクその人
つまり、国王陛下の娘で…まぁものすごく乱暴に言えばこの国のお姫様だ。
今日の式典にふさわしい、ピンクのやわらかそうなシルクのドレス姿で、淡い金髪を赤いリボンでツインテールにまとめ
とても愛らしい姿をしている。
視線を落とすと足元は白いロングソックスに今日この日のために下ろしたのか汚れ一つない
光沢がまぶしいピンクのストラップシューズ…普段はあまり見慣れない細い作りで低いながらヒールで踵を支えている。
小さな足だが淑女の雰囲気を漂わせまさに姫にふさわしい靴で、ドレスのせよいずれも豪商や地方領主ではあつらえることの出来ない
この国の職人たちが総力を挙げた逸品だろう。
そんな人形のようにかわいらしい姫君がニコニコと僕に屈託のない笑顔を向けている。

マリア「えへへ、アル兄様おどろいた?」
アルフレッド「ええ、心臓が縮むかと思いましたよ」
マリア「でも、アル兄様なら大丈夫だよね?」
アルフレッド「僕は平気でも他の人にしちゃだめですよ、ましてやメイド長などにしたら…」
マリア「それはしないもんっ「ふちょう」はいつもおこってるから」
アルフレッド「ははは…」

一応突撃を仕掛けてもいい相手と悪い相手が分かっているようだ。

マリア「ねね、きょうは何してあそぶ? 鬼ごっこする?」
アルフレッド「…姫様」
マリア「それともかくれんぼ?」

そういう間にも駆け出しそうな雰囲気で楽しそうに遊びの算段を立てている。

アルフレッド「姫様、式典のほうはいいんですか?」
マリア「む~っ! アル兄様もそういうこというの?」
アルフレッド「だってそうでしょう? 今日は国王陛下…お父様のお誕生日ですから、姫がいなくてどうするんですか?」
マリア「だって…なんななんだか、なが~いお話ばっかりでねむくなっちゃうんだもん」

…無理もないか、いくら一国の姫君とはいえまだ幼いし…貴族たちの長い祝辞は大人でも堪えるだろう
自分には縁のない世界だが…

マリア「みんないそがしくて、だれも遊んでくれないし…ね、だからアル兄様いっしょにあそぼ」
アルフレッド「姫様ごめんなさい、今日は僕もダメですよ、これから皆さんがこのお庭にいらっしゃるから、それまでにきれいにしないと」
マリア「え~大丈夫だよ、こんなところまでこないって」
アルフレッド「それでも綺麗にしておかないといけないんですよ」

マリア姫の前にかがみこんで諭すように話す。
普段なら相手をして遊んでいる所だが本当に今日ばかりはまだやらねばならないことがたくさんある。
まして、あのイモムシも駆除せねばならないし…
いつも相手をしてくれるからと見込んで式典会場を抜け出してまで僕のところまで来た姫様には申し訳ないが…

マリア「アル兄様いそがしいの?」
アルフレッド「ええ、まだやらないといけないことがたくさんあるんですよ」
マリア「あとなにをすれば、おしごと終わるの?」
アルフレッド「たくさんありますよ、お庭の枯葉やゴミを掃除して、お花に水をあげて…」

ちらりと地面のイモムシに目をやる。

アルフレッド「それに、この虫にどこかに行ってもらわないと…」
マリア「え?」
アルフレッド「ああ、見ちゃダメですよ、でも、この虫を放っておくとこの林を全部食べちゃうんです」
マリア「この林? ぜんぶ?」
アルフレッド「ええ、ですからはやくしないと…」
マリア「いっぱいいるの?」
アルフレッド「ええ、ここにもそこにも…ああ、あそこの木にもいます」
マリア「ぜんぶ退治するの?」
アルフレッド「全部は無理です、ですが目に見えるものは退治しないと…」
マリア「そうなんだ…」

しょんぼりとするマリア姫様、せっかくの期待にこたえられないのが心苦しいのだが、こればかりは仕方ない。
今度一緒に遊んであげようと心に決めて作業に戻ることにした。

マリア「ねぇアル兄様」
アルフレッド「はい」
マリア「このおしごとが終われば…いっしょにあそんでくれる?」
アルフレッド「ええ、いいですよ、ですが…終わるまではごめんなさい、もうすこし時間がかかりそうです」
マリア「……」

僕が振り返り、木に向かって作業を始めてしばらく…
姫様は式場に戻ろうとしない…多分ここで僕の仕事が終わるのを待っているんだ…
ときどき背後から軽い足音やシルクのドレスが揺れる衣擦れの音がする。
さすがに姫君に一人遊びをさせて仕事をするわけにもゆかず振り向こうとして、声をかけられた。

マリア「アル兄様、みてみて!」

振り返ると、姫様は先ほどの捕まえたイモムシを真新しいストラップシューズのつま先で転がしていた。
つま先で嬲られてイモムシが苦しげに身をくねらせている。

アルフレッド「!?」

その姫の姿を見て、僕の中で何かが一瞬うごめいた。
それが何なのか…分からないわけでもない、そう、姫に嬲られるイモムシを見て僕の股間は確かに膨れ上がり始め
その残酷な行為に欲情していたのである。
しかし、この城に使える従者をして、姫にその行為をやめさせねばならない。

アルフレッド「姫様…おやめください、お靴が汚れてしまいます」
マリア「ねぇアル兄様、マリアがアル兄様のおてつだいをしてあげるっ!」
アルフレッド「え?」
マリア「えいっ!」

姫に今なんと言ったのか聞きなおそうとする前に姫のかわいらしいストラップシューズに包まれた足が
手近な小ぶりのイモムシの上に覆いかぶさった。

マリア「うわぁ…なんかぷにぷにしてる…」

踏みつけられてあわてたように這いまわろうとするイモムシ…だが次の瞬間…

プツッ!!

姫に踏まれて耐え切れなくなった芋虫の体が弾け飛び、汚らしい体液を撒き散らして果てた…

マリア「あっ…すごーい、つぶれちゃった…ねぇアル兄様」
アルフレッド「は、はい…」
マリア「この子、死んじゃったよね?」
アルフレッド「ええ…」
マリア「なんだか、簡単にちょっと「えいっ」ってしただけでつぶれちゃった…なんかねプチッてして」
アルフレッド「……」
マリア「それからグチュッってくろいのが出て…ぺちゃんこになっちゃって」
マリア「ねぇ、アル兄様、アル兄様のおしごとってこの子達をやっつけることだよね?」
アルフレッド「ええ…そうですが…」

姫様が足を上げると、石畳の上で平らになったイモムシの柔らかい部分が破け無残に体液を撒き散らしている。

マリア「じゃあキミも死んじゃえっ!」

続けて次のイモムシに足が振り下ろされる。

フジュッ!

今度は一瞬で踏み潰され黒い体液で地面に花を描いた。

マリア「あははっ、もう死んじゃった!」
アルフレッド「……」
マリア「アル兄様のおしごとをジャマするわるいこは「しけい」だよっ!」

無邪気な笑顔で、足元の虫たちに残酷な処刑を執行してゆく姫様。
小さな足が一生懸命、さらに小さな命を踏み殺してゆく…

マリア「えいっ! どうだ参ったか!?」

その残酷な光景に僕の股間は張り詰め、ズボン越しにその先端が潤んでくるのがありありと感じられる。
職人たちが姫のために丹精込めて作り上げた靴が無慈悲に踏み下ろされ、汚らしい体液に汚れてゆく…
姫に踏み躙られ、先端から体液を吐き出し果てたイモムシの死骸に自分のペニスを重ね合わせてしまう…
あのかわいらしい靴に踏まれてペニスから卑しくも白濁液を放出する夢想にめまいを覚えた。

アルフレッド「…あぁ」
マリア「こいつまだ生きてる…えいっ!」

死に切れず体の半分を地面のシミに変えられた一匹が苦しそうにもがいている。
その一匹にも姫は屈託のない笑顔で靴の裏を見舞った。

ブシュッ!!

ひときわ大きなその一匹の頭部が裂けて中から黒い粘液が姫の靴の上に飛び散る。

マリア「うわぁ…きたな~い…もっとお仕置きしなきゃダメだよね?」

ネトネトと粘性のある体液を撒き散らしながらも執拗に踏み下ろされる靴と地面にこすり付けられ
次第に原形を失ってゆく。
それでもまだ生命力のあるイモムシは逃げ場所を求めて懸命に脱出を図ろうとするが、姫の半歩
の距離も逃げられない。

マリア「逃げてもムダだよ、でもすこしだけ待ってあげるね」

姫がニコニコしながら、そのイモムシの行く先を見つめている。
じわじわと黒い線を描きながら這い回るイモムシ、だけどもう時間のようだ。

マリア「もういいよね? えいっ!」

結局、姫様のストラップシューズの下に消え、それでも飽き足らないのかグリグリとしつこく
踏み躙る、いや、しつこいというよりも丁寧にただ一つの肉片すら許さないといった風情に
細かな破片まで踏み躙り、地面のシミに変えてゆく。
そして、姫の小さな足の暴虐は続き、そこにイモムシがいたことも分からなくなるほどに、こすり潰されて
まさに跡形もなくなった。

返す足で僕と姫の間にいる虫たちを一歩一歩踏み潰しながらこちらに近づいてくる。
姫の靴の裏が地面に触れるたびに湿った音と、断末魔のような乾いたはじける音が木立の間に響いた。

マリア「ねぇ、アル兄様」
アルフレッド「は、はい…」
マリア「アル兄様のおしごとのジャマする子達はぜ~んぶマリアが殺してあげたから…」
アルフレッド「ね、いっしょに遊ぼ?」

僕のためにイモムシたちを無邪気に踏み殺し、真新しい靴を汚してかわいらしい笑顔を向けてくれるのだった。
そして不覚にも、姫の一方的な虐殺を前に気が付けばズボンの中で僕の股間も破裂したように白濁液を吐き散らし
栗の花のような青臭い匂いを漂わせていた…

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