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#2 執事見習いのアルフレッド=シューメーカー

「そこは優しく指を添えて、触れるか触れないかの撫でるくらいですよ…」

「は、はい…」

「そんなに強張らずに、そう…上手ですよ…」

「……」

「んっ…そんなに強く押し込んだりしてはダメですよ、ゆっくりと、そう…前後させて」

「わ、わかりました…でも、申し訳ありませんお嬢様、何度もしているのに、その…上手くできなくて…」

「大丈夫ですよアルフ、最初は誰でも同じです、ほら、大分上手くなってきたではないですか」

「ありがとうございます」

「少し休憩しましょうか?」

「はい」

僕は、持ち慣れないバイオリンを慎重にテーブルの上置いた。
今、僕にバイオリンを教えてくれていたのはヘイゼルお嬢様、正しくはヘイゼル・アルト・フォン=ヴィーゲ伯爵令嬢。
この王国で古くから続くの貴族のご令嬢だ。
そして僕はそのお屋敷で住み込みの使用人をしているアルフレッド…苗字はあったのかもしれないけど、聞く前に親に放り出されてしまったので知らない。

でも何で、使用人の僕が主人からバイオリンを習っているのか?
それは少し前の話だった。

パタン…

挿絵が多くて、読みやすい本だけどまだ僕には読むのにとても時間がかかる。
それにすごく頭を使わないといけないから結構疲れた。

少しだけ僕の話をすると、僕は田舎の寒村の生まれで兄弟も多く、口減し同然で村から出された。
一応、街で里親になってくれる人にということで、少ないけどいくらかのお金を持たされていたけど、それも街についたらその親代わりの人に取り上げられて、僕はその家にも入れてもらえなかった。

結局、何とか王都まで辿り着いて、そこで家無し生活をすることになった。
本当の親も最初からそのつもりだったんだろう、家無しの子供だから、どっかで勝手に死ぬだろうと…

でも、僕は王都で親切にしてくれた道具屋のおじさんから子供でもできる仕事ということで、靴磨きを教わり、道具をもらった。

それからは相変わらずの家無しだったけど、どうにか食べ物を買えるくらいには稼げるようになって、毎日過ごしていたけれど…

『アルフレッドね、じゃあアルフ、今日から私の屋敷で働きませんか?』

ヘイゼルお嬢様に拾われてお屋敷でお嬢様の靴磨きとして働くことになった。

…それが今から1年くらい前の話。

自慢じゃないけど、ずっと靴磨きをしていたからこの国の子供は必ず学校に行って勉強をする事になっているが、僕は学校には行っていない。
だから字を読んだり書いたりすることもお屋敷に住まわせてもらうまではできなかった。

ここにきてからは、靴磨きだけでは申し訳ないので修理や、できれば靴職人になって一から靴を作ったりしたいと思って勉強をしている。
当然、字が読めないと勉強は出来ないけど読み書きはお嬢様がご自分も学校があるのに、夜や安息日などに教えてくれた。

おかげで本を読んだり、名前や簡単なメモくらいなら書けるようになって…僕は文字どおり拾われてきた使用人なのにそんな僕にもこんなによくしてくれるなんて、お嬢様は本当に優しい。

話は戻るけど、そうして勉強と仕事をしてお屋敷での暮らしも随分慣れたきたある日…

「アルフレッド、今日からバイオリンの練習をしましょう」

「え?バイオリン…ですか?」

「ええ、あなたも屋敷に随分馴染んできて、読み書きも大体できるようになりました、これからは自分で本を読んだりして知識を身につけることもできるでしょう」

「はい、ありがとうございますヘイゼルお嬢様には本当に感謝しています、でもなんでバイオリンの練習なのでしょうか?」

「アルフ、あなたは私の使用人です、先々私に伴って色んな場所に出向くこともあると思います」

靴磨きの僕がお嬢様のお供?

「……」

「ですから、あなたにも教養を身につけてもらいたいのです、芸術の造詣を深めることはあなたの仕事にもいいことがあると思いますよ」

最初はただの使用人…というか靴磨きなんて下男にバイオリンなんてと思ったが、そこはお嬢様に何か考えがあるのだろう。

「わかりました、お願いしますお嬢様」

「ええ、そうと決まれば早速始めましょう」

お嬢様はそういうと手に持っていたケースからバイオリンを取り出して構えた。
いつも通りの仕立ての良い黒いジャケットと灰色のスカート、ほっそりした脚を包むシミ一つない真っ白なタイツに僕が一所懸命に磨いた黒いストラップシューズという、名門校の制服姿。
そこにいかにも高価な感じがする深い飴色をしたバイオリンが加わると、僕は行ったことがないけれど、まるで美術館に飾ってある絵のように綺麗で思わず見惚れてしまった。


やがてお嬢様の演奏が始まる、生まれて初めて聴く本物の楽器の音…ヘイゼルお嬢様の奏でる音楽は今までそんなものに触れたことのない僕には驚きだった。
とても聞いていて心地よく、街で家無し生活をしていた頃は音楽や絵なんて腹の足しにもならないと思っていたけど、何だかすごく幸せな気分になってくる。

「すごいですお嬢様!」

「ありがとうアルフ、さぁ、あなたもやってみましょうまずは構え方です」

お嬢様が弾いていたバイオリンを手渡された。
もっと重いものかと思ったけど、ちょっとどこかにぶつけたら壊れてしまいそうなくらい軽い。

するとお嬢様は僕の後ろに回って僕を抱きしめるように…

「肩とバイオリンの下の黒い顎当ての所に顎乗せて挟むようにするんですよ、そう、そうですよ」

「右手は弓を持って…いいえ、握ったりせず指でつまむくらいでいいんですよ」

「は、はい…」

僕の手を取ってバイオリンの構え方を教えてくれる。

その白くて柔らかいお嬢様の手が温かくて…

「ええ、構え方はそれでいいですよ、アルフは器用だから覚えがいいですね」

息がかかるほどの耳元でお嬢様が囁くようにほめてくれる、その声が少しくすぐったて、でも気持ちよくて頭がぼんやりしてきた…

「そうです…じゃあ右から二番目の弦を弾いてみてください」

「は、はぃ……」

本当にお嬢様に抱きしめられる感じで、言われた通りに四本ある弦の右から二番目に弓を乗せてゆっくりと引く。

お嬢様の演奏とは全く違う…ただ音が出ただけだけど、生まれて初めて触った楽器で初めて出した音の響きは新鮮で、今まで感じたことがない何かが変わったような気分になった。

「すごいわアレフ!最初から音がきちんと出せるなんて!」

お嬢様は珍しく興奮したような感じで僕を褒めてくれて、そのまま仕立ての良い制服の胸元を抱きすくめられた。

「あ…ありがとうございます、お嬢様」

香水や石けんでは隠すことのできない香り、いつかお嬢様の靴の匂いを嗅いだ時にもしたなんだかすごく幸せで優しい香りして、眠たいというか、何も考えられないというか…

「この調子なら、少し練習すれば曲が弾けるようになり…アルフ?」

「は、はいっ!?」

「どうしたのですか?少し顔が赤いですし…なんだか苦しそうですが…もしかして風邪をひいていたのですか?」

「いいえ、違います、なんでもありません」

「でも…少し具合が悪そうですし、無理にバイオリンの練習をさせてしまったから体調が悪くなってしまったのかも、最近寒くなってきましたし、あなたの仕事場には暖房がなかったから…」

「……」

「そうだ、アルフちょっとそこのベッドで休んでいってください」

「え!?そんな、いけませんヘイゼルお嬢様、使用人がお嬢様のベッドに寝るなんて、それに本当になんでもありませんから大丈夫ですよ」

お嬢様の匂いや後ろから抱き寄せられてドキドキしてしまったなんてとても言えないし、その上、お嬢様のベッドになんて入ったら今度こそどうにかなってしまいそう。

「あ、そうでした、まだ磨かないといけないお嬢様の靴がありますので、今日は失礼します!」

僕は心の中を悟られないように足早にお嬢様のお部屋を後にした。

後日…

整然と並んでいるお嬢様の靴を磨き上げて、日課の勉強をこなしていると…

コンコンコン…

扉をノックする音とお嬢様の声がした。

「アルフ、ちょっといいですか?」

「あ、はい!どうぞ」

お嬢様が部屋に入ってくる、制服姿には変わりないけど、今日は手に衣装のバッグを持っていた、あれはお嬢様のドレスか何かなんだろうか?

「今日も精が出ますね」

「はい、今は文字も随分読めるようになって来ましたので、修理や靴の作り方なども勉強しています」

「素敵ですね、じゃあいずれアルフに私の靴を作ってもらう日も来るかもしれませんね」

「まだ始めたばかりですですけどいずれ…ところでお嬢様は何かご用ですか?」

「ええ、ちょっと探し物と、アルフに頼みたいことがあるんですよ」

「頼み事ですか?」

そんなことをいちいち言わなくても、僕は使用人なので仕事をするのは当たり前なのに…
頭の上にクエスチョンが浮かんでいる僕をよそに、お嬢様が靴棚の奥の方へ入って行き、一足の靴を取り出してきた。

「ああ、ありました、滅多に履かないので奥の方に入っていました」

その靴を僕が作業台にしている机の上に置く。

「これは…」

確かにここに来てしばらく経つけど、お嬢様が履いているところを見たことがない、こんなので歩けるのかと疑いたくなるほどヒールが高い真っ赤なハイヒールだった。

「近くバイオリンの演奏会があるのですが、その時に履いていくつもりの靴ですよ」

「演奏会ですか…では他にも貴族のお客様がたくさんくるんでしょうね」

「ええ、貴族だけではなく、企業家や政治家も来ると思いますよ」

「そうですか…では、丹念に磨いて綺麗にしておかなければいけませんね、お嬢様の頼み事というのはこれのことですか?」

「いいえ、こちらもそうなのですが、頼みというのは、その演奏会にあなたも随伴で来て欲しいと思いまして」

「え…?」

僕が…お嬢様のお供?

「あ、あの、僕ではなくて執事長様とかではないのですか?」

「そうですね、前までは爺やについてきてもらっていましたけど、何かと忙しいようですし、最近腰の具合が良くないようなのですよ」

「そ、そうなんですか…」

「ええ、ですからたった一人の私の使用人であるあなたについてきてもらうことにしました」

たった一人の使用人…お嬢様にそうまで言われてしまうと断ることはできない。

「わ、わかりました、僕でよければ」

「よかった、ありがとうございます、じゃあ早速これを着てみてください」

お嬢様は持っていた衣装バッグを僕に差し出す。

「これは…なんですか?」

「演奏会の後はパーティーもあります、作業着や普段着というわけにもいかないでしょう?」

バッグを開けると中には高級そうな礼服の一式が入っていた。

「……」

「しばらく外していますので試着してくださいね」

パタン…

お嬢様が退出した後、静かな部屋で僕は着慣れない…というか、着たこと無い礼服と格闘することになった。

数分後…

「えっと…ここはこうかな?それでこっちは…」

服なので普段着ている作業着とそんなに変わらないはずなのにどうしてこんなに着るのが難しいんだろう?

「ネクタイなんてしたことがないや…」

コンコンコン…

「アルフ、どうですか?」

扉の外からお嬢様の声がする、あまりお待たせするわけにもいかないので、ネクタイは諦めて僕は返事をした。

「はい、終わりました」

僕の返事に扉が開いてお嬢様が入ってくる、そして僕の姿を見て。

「かわいいっ!アルフ、よく似合っていますよ」

「あ、ありがとうございます」

「でもネクタイはどうしたのですか?」

机の上に置かれたままのネクタイを見てお嬢様が聞いてくる。

「それが…結び方が分からなくて…」

「じゃあ、結んであげますね、ちょっとじっとしていてください」


お嬢様がネクタイを手に取って、僕の前に立つ。
そのまま僕の着るシャツの襟を立たせて手際よくネクタイを結ぶ…
お嬢様の手が触れる感触といつもの甘くて優しい香りがして、礼服の着付けを直してもらっているだけなのにとても幸せな気分になってきた。

「できましたよアルフ」

「はい、助かりました…着る時までに結び方をきちんと覚えておきます」

「そうですね、でも男の子のネクタイを結んであげているとなんだが夫婦みたいですね」

「えっ!?」

「あ、どちらかといえばアルフの場合は学校に遅刻しそうなかわいい弟ですかね、そんな気分になってきます」

「……」

「じゃあ、そちらの靴はよろしくお願いしますね」

パタン…

再びお嬢様が退出し、礼服姿の僕と机の上の真っ赤なハイヒールだけが残された。

その夜、ハイヒールを磨き上げて床につくことにしたが、バイオリンの演奏会があると聞いて、先日の練習のことを思い出してしまい眠れなくなってしまった…

ベッドから身体を起こすとカーテンの隙間から差し込む月の光でお嬢様のハイヒールが磨き台の上で輝いていた。

「……」

僕は思わずハイヒールを手に取ってしまい、そこで自分の頭の中によぎった欲望に強い罪悪感を感じた。

「そんなことをしちゃいけないのに…でも…」

先日の記憶がよみがえってくる。
僕の手に添えられたお嬢様の細くて柔らかいお嬢様の手…
僕の耳元で囁くお嬢様の声…

お嬢様の甘くて優しく香り、後ろから抱かれた柔らかさと温もり…

「ヘイゼルお嬢様ぁ…」

夜中だというのにすっかりと硬くなってしまった僕のペニス、僕は高鳴る心臓をおさえて、ゆっくりと寝間着のズボンと下着をおろし、自分で丹念に磨きあげた、月の光をはね返すハイヒールの…そのとがったヒールを見つめる。

こんなに不安定な靴を履いて立ったり歩いたりする女の人はすごいと思う。

そして、見たことはないがこのハイヒールを履いたお嬢様の姿を思い浮かんだ。
この靴に合わせた赤いドレスを着て、ヒールを鳴らして僕の前に立つ。
優しいお嬢様が硬く勃起したペニスをむき出しにした僕のことを冷たく見下して…
お嬢様の足が…とがったヒールがペニスの先端を踏み付ける。

「はぁ…はぁ…」

妄想に息を荒くして僕はお嬢様のハイヒールの踵をゆっくりとペニスに押し当てる。

「んっ…痛っ!?」

ハイヒールの踵は軽く押し当てただけなのにすごく痛い、本当に女の人がこんな靴を履いてヒールで踏みつけたらペニスなど壊れてしまうかもしれない…

けど、これがお嬢様のものだと思うとこの痛みでも興奮が抑えられない。

ペニスに突き立てていないもう一方の靴に鼻を近づけて大きく息を吸う。

上等な革の匂いとかすかに花のような甘くて優しい香りがして、さらにペニスが硬く大きくなる。

「あっ…はぁ…んっ!?」

自分でピンク色の柔らかそうなペニスの先っぽにハイヒールの踵を食い込ませ、小さな靴底を血管を浮いている所にコリコリと押し付けると痛くて気持ちいい感覚に頭がぼんやりして、やがてペニスの奥の方からもう止められない何かが駆け上がって来てペニスの芯に何かが詰まる感じがした…

「あっあっあっ…で、出ちゃうっ!」

ドクッ!ドクッ!!ビュルッ!!

「あんっ!?ま、まだ…あっ!?ああっ!?」

射精の味を覚えてしまった僕は夜な夜なこうして一人でしていたけれど…今日のはお嬢様のハイヒールでしてしまったせいで興奮していつもよりも…

ドクッドクッドクッ…

「ああっ、と、とまらない…気持ちいい、気持ちいいぃ!」

射精の勢いが止まらずお嬢様のハイヒールに僕の精液が降りかかる。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

最後の一滴が先っぽから垂れて中敷きに落ちるのを見て、僕は我に帰った。
なんて事を…拾って雇ってくれた恩のあるお嬢様の靴をよりにもよって僕の精液で汚してしまうなんて…

とんでもない罪悪感を感じる一方で、一人でコソコソするのとはまったく違う満足感も感じている自分にげんなりした。

「…僕は最低だ」

明かりもつけずに後始末とお嬢様の靴をまた丹念に磨き直して僕はベッドに潜り込んだ。

演奏会当日…

僕は着慣れない礼服を着て、お屋敷の玄関でお嬢様を待っていた。

「アルフ!準備は整いましたか?」

「はい、お嬢様」


そこに肩を出した大人っぽい赤と黒のドレス姿のヘイゼルお嬢様がやってくる、手にはバイオリンのケースと足元は…僕が磨いた赤いハイヒール。
その姿を僕はまっすぐ見ることができない…


「体調は大丈夫ですか?ここ数日あまり元気がないようでしたけど」

「だ、大丈夫ですお嬢様」

「そう……それならいいのですけど、あ、ネクタイが少し曲がっていますよ」

コツ…と甲高くヒールを鳴らしてお嬢様が目の前に立ち、蝶ネクタイを直してくれるが、それ以上に僕は床を踏むお嬢様のヒールの音に意識が向いてしまった。

「……」

「どうかしましたか?…さぁ行きましょう」

「いえ、分かりました…」

玄関先に止まっていた、こんなことにならなければ死ぬまで乗ることのない黒くて大きな車に僕とお嬢様は乗り込んだ。
その車内で…

「……」

車の中はとても静かで、窓の外を見ていないと走っているのかわからなくなるほどだった。
僕は何を話せばいいのか分からず、ただ黙って外を見ていたけど、お嬢様の様子が気になってチラリと一度お嬢様の方を見た。
赤と黒の大人っぽいドレス、普段とは違うお嬢様に意識していないのに何故か胸がドキドキしてくる。
そして…足元の真っ赤なハイヒール。
もちろんすぐに綺麗に拭いて、万が一にもシミなど残っていないように丹念に磨き上げた。
でも、僕が思い余ってペニスを擦り付け、精液を吐きかけて汚した事実までは拭き取れない…お嬢様はその事を知ったらどうするだろう?
やっぱりお屋敷を追い出されてしまうのだろうか?

色々な考えが頭の中を通り過ぎていく中、お嬢様がこちらを見て優しく微笑んだ。

「もしかして、緊張していますか?」

「は、はい…こんな服を着るのも、こんな車に乗るのも、高貴な人が集まる演奏会にいくもの初めてですから…」

「大丈夫ですよ、私がついていますから…そういえばアルフ、こういったパーティーとかに出るとなると、随伴でも家名を聞かれることがあるのですよ」

「家名…苗字のことですか?」

「ええ、あなたの苗字って屋敷に来てもう1年になりますが、聞いたことがなくて…」

「僕に苗字は…あるのかもしれないですけど、知りません…」

「え、それはどういうことですか?」

「初めて会った時にお話ししたと思いますが、僕は王都から遠く離れた小さい村の生まれなのです」

「……」

「しかも兄弟が多くて、食べ物が足りなくなってしまい小さい時に養子に出されました」

「それで…養子に出たから本当の苗字が分からないのですね」

「いいえ、養子というのも形だけでして、その時に持たされたお金だけ行った先で取り上げられてまた放り出されました」

「そんな…」

「ですから、僕は苗字なしのアルフレッドです」

改めて自分の事を話すとなかなか厳しい人生だ、正直よく今まで生きていたと思う…これも拾ってくれたお嬢様に感謝しないと。

「そうだったのですね…あなたは私よりも年下なのに、随分大変な目にあってきたのですね…では今、あなたの苗字を決めましょうか?」

「え?」

「ええと…『シャイナー』…はそのまま過ぎますね」

文字通り靴磨きという意味。

「……」

「そうです!靴磨きだけでなく修理や靴そのものを作ってみたいと言っていましたよね」

「あ、はい…」

「では、『シューメーカー』としましょう、アルフレッド=シューメーカー…いかがでしょうか?」

アルフレッド=シューメーカー…僕はその名前を頭の中で何度も繰り返す。
靴職人とは今の僕にはもったいない名前だけど、他でもないお嬢様につけてもらった名前にとても誇らしい気分になった。

「いい名前だと思います…」

「気に入ってもらえてよかったです、さぁそろそろ到着しますよ」

演奏会会場…

会場の入り口に僕たちが乗った車が到着すると、僕は車内でお嬢様から教わった通りに先に降りてお嬢様の手を取る。

「ありがとうアルフ、紳士っぽくてかっこいいですよ」

「あ、ありがとうございます」

会場は王城に近い官庁街の一角にある大きなホテル。
入り口を入るとロビーには大きなシャンデリアが輝いていて、既に会場に着いた人たちが談笑をしている。
その人たちはみんな仕立てのいいスーツや綺麗なドレス姿で、自分も一応きちんと礼服を着ているけれど、この場所に僕がいてもいいのかと気後れしてしまう。

「アルフ、あまりキョロキョロしないように…堂々としていればいいんですよ」

「す、すみません…」

緊張してお嬢様の後ろでつい周りをキョロキョロと見回してしまっていた。
すると、お嬢様の前にスーツを着た金髪の男性が現れた。

「これはヴィーゲ伯爵令嬢、今日はまた一段とお美しい」

「お久しぶりです、去年の演奏会以来ですかね?」

男性はお嬢様に親しげに話しかけてくるが、お嬢様はどこかよそよそしく、普段からは信じられないほど冷たい声色で返事をする。
しかし、男性の方は気にしていないのか気付いていないのか…

「…何度か食事などにお誘いしましたがお忙しいようで」

「申し訳ありません、私はまだ学生の身なので、勉学をおろそかにすることはできません、では…また」

「今日も演奏を楽しみにしていますよ、ところでそちらの少年は?」

「ええ、こちらは私の執事です」

「執事?失礼ですがお名前を伺っても?」

男性は急に僕に名前を聞いてくる、どことなく僕を見る目は睨むような、見下しているような、僕のことを疑って見ているようだった。

なんと答えようか考えていると、お嬢様がチラリとこちらに目配せをしてくる。
僕はさっきの会話を思い出して…

「わ、私はヘイゼルお嬢様の執事を務めさせてもらっております、アルフレッド=シューメーカーと申します、今後ともお見知り置きをください」

「ほう、執事とはお若いのにご立派ですな、では後ほど」

スーツの男性は最後まで僕のことを睨みながら会場の奥に去っていった。

「あ、あの…お嬢様、あの方は?」

「…王都で有名な商社の社長の息子です、ちょっと色々ありましてね…」

お嬢様の返答がとても素っ気ない。

「それよりも準備をしましょう、控え室があるはずなので」

「わかりました」

お嬢様はコツコツとヒールを鳴らして控え室の方に歩いてゆく。
僕はその後ろをバイオリンのケースを揺らさないように慎重に持って追った。

出演者控え室…

豪華なロビーからすると質素だけど、それでも上品な作りの控え室。
お嬢様はケースからバイオリンを取り出して弦を張り出した。

「弦は毎回張り直すのですか?」

「私はそうしています、特に昔のバイオリンは接着にニカワを使っていますので、暑かったり湿度が高いと溶けてしまい、弦の張りでバラバラになってしまうこともあるそうですからね…」

「そうなんですか…」

お嬢様はバイオリンを組み立て、弓に
松脂を擦り付ける。
手に松脂の粉が付いてしまったので僕はすかさずハンカチをお嬢様に差し出した。

「ありがとう、執事らしくなってきましたね」

「…は、はい」

お嬢様はバイオリンを構えてゆっくりと弦に弓を滑らせると、少しくぐもったような音が出た。
それを聞いて先端のコマを調節してまた弾く…
お嬢様は何度か繰り返してようやく納得のいく音になったようだ。

「調律は実際に演奏するより気を使いますね、聴衆が何百人いても平気ですけど、弾くバイオリンの調子が狂っていたらと思うと恐ろしくなります」

「…そういうのもなのですね」

「あなたもそうでしょう?使う道具が万全じゃなければ仕事どころではないはず」

「そうですね」

調律をしながらお嬢様と話をしていると、控え室の扉がノックされて、外から出演時間が近いことを伝えられた。

「じゃあ行きましょうかアルフ、あなたも見ていてください」

「はい、頑張ってくださいお嬢様」

街で小汚い靴磨きをしていた子供には当然のことだけど、僕は音楽の演奏会というものは初めての体験だった。
読むようになった本でいくつかの楽器は知っているが、バイオリン以外は見るのもその音を聞くのもやはり初めて。
それらが奏でる音楽は圧巻であまり知識のない僕も食い入るように聴いていた。

その中でも…

赤と黒のドレスを着たお嬢様がステージに上がると大きな拍手が響く。
真っ赤なハイヒールがシャンデリアの明かりでキラキラと輝いていて、間違いなく今日の主役なんだと思う。

お嬢様は時にはたった一人で、ある時は周りの別の楽器とともに音楽を奏で、聴くものの心を奪ってゆく。


「すごい…」

誰もがお嬢様に見惚れているが、その中に一人、お嬢様を見る視線が目に見えるのではないかと思えるほどお嬢様を見つめている人がいた。

仕立てのいいスーツに金髪の…確か商社の御曹司様だ。

しかもお嬢様をしばらく見つめた後はなぜか周りを睨みつけているようにも見える…

「!?」

一瞬だけ御曹司様と目があった…
まるで僕を射殺そうとしているようなすごい睨み方…
僕は見えているかわからないけど、一度お辞儀をして演奏会場から出ることにした。

やがて、演奏会が終わり、会場はそのままパーティー会場に変わる。
食べたことはもちろん、見たことも聞いたこともないようなおいしそうな料理が運び込まれ、お酒や飲み物を運ぶ給仕係の人が忙しそうに働いている。

みんな仕立てのいいスーツや綺麗なドレス姿の人たちは演奏会の話や仕事の話をしているようだ。

「お腹が空いたな」

さっき素晴らしい演奏を披露したお嬢様の周りにはたくさんの人が集まっているようで、近くに行くことはできなさそだ。
何か用事があった時のために少し離れてお嬢様の目に見えるような場所で待つことにしよう。

「……」

しばらくして、まだまだお嬢様の周りには人がたくさん集まっている。
お嬢様も声をかけられる一人ひとりにきちんと受け答えして、笑顔を返しているようだ。

けどその人並みが途切れて、堂々とした様子で、例の御曹司様がお嬢様に近づいてきた。

何を話しているのかは聞こえないけど、御曹司様が二つ手に持ったグラスの片方をお嬢様に勧める…でもお嬢様はそのグラスを受け取らず御曹司様は近くの給仕係に片方のグラスを持って行かせた。

「……」

御曹司様はお嬢様と何かを話している様子だ。
時々親しげに肩や腰に手を回したり、さっきのお嬢様のお話を聞くにどこかに誘っているのかもしれない…
僕は黙って遠間から見ていたが…何故かその様子に大切なものを横取りされたような気分がして心がモヤモヤとしてきた。


ちょうどその時、お嬢様がチラリと僕の方を見た。
まるで何かの合図をしているようにも見える。

「……」

僕はどうしようか迷ったが、人並みをすり抜けてお嬢様に声をかけることにした。

「あの、お嬢様…旦那様から連絡が入っております」

「……」

金髪の御曹司様が僕のことを睨みつける。
けどお嬢様は特に気にした様子もなく…

「ありがとうアルフ、では申し訳ございません所用ができたようですので、この辺りで失礼いたします」

お嬢様は優雅に一度会釈をして、御曹司様に背を向け会場を立ち去った。

「さあ、参りましょうアルフ」

「は、はい」

場所は変わってホテルの客室。

「ちゃんと見ていてくれて助かりました、ありがとうアルフ」

「い、いえ…でも良かったのですか?」

「ええ、大した話でもありませんでしたし」

「ですけどその…お相手の方は…」

「…リッチマン、彼の名前はジョージ=リッチマンです」

「は、はい、そのリッチマン様とはその…随分親しげな様子でしたので…」

僕がそのように言うとお嬢様は珍しく少し不機嫌そうに…

「ああいう場所で不機嫌な態度をとるわけにも行きませんからね、まったく…今でも思い出すだけで鳥肌が立ってきそうです…」

「…え?」

「よほどヴィーゲ家と関係を持ちたいのでしょう…十も年の離れた私に何度となく求婚してきて…」

「!?」

リッチマン様はお嬢様と結婚したいと思っているのか…
たしかに、大企業の家ならお嬢様とも合っているし…でも

なんだか気分がモヤモヤとする…

「それとも極端に歳下好みの…言うのも憚られますがそういう変態なのでしょうか、ベタベタと馴れ馴れしく触れてこようとして…誰も見ていなかったら突き倒してハイヒールで踏み潰してやろうかと思いました…」

お嬢様のいつになく乱暴な物言いとまるで本当にそうしているようにハイヒールのつま先で客室のカーペットを踏みにじる…

「……あ、あのお嬢様はそ、そんなにリッチマン様のことが」

僕が恐る恐るお嬢様に聞くと…お嬢様はいつも通りの優しげな笑顔で…

「ええ正直嫌いですね、あっ、さっきの言葉は訂正します、せっかくアルフに磨いてもらった靴が汚れてしまいますから…靴底で踏むのも御免です」

「そ、そうですか…申し訳ありません、あれこれ余計なことを聞いてしまいまして…」

さっきからのモヤモヤした気分と、お嬢様の少しイライラしてカーペットを踏む足の動きに、先日お嬢様のハイヒールでしてしまった時に思い浮かべたお嬢様の姿が重なり、思わずペニスが硬くなってくる…その二つが混ざって自分でもよく分からないまるで落として絡まってしまった毛糸玉になったような感じだ。

「アルフったら、もしかしてヤキモチを焼いていたのですか?」

「そ、そんな…僕は…」

「心配しなくてもあんな男になびいたりはしませんよ」

ドレス姿のお嬢様が腕を伸ばして僕のことをそっと抱きしめる…いつもよりもどこか大人っぽい香水の匂いがして、余計に頭がクラクラしてきた。

「それにさっきからなんだかモジモジして…」

抱き寄せられた僕の股間がお嬢様のふとももに当たってしまった。
普段は分厚い作業着なのでペニスが硬くなっても気が付かれないのだろうけど…

「あら、アルフ…」

そのままお嬢様が脚を僕の股間に押し当て、今日は薄手のズボン越しにグイッとペニスを押し潰す。


「あっ…あっ…!?」
「お…お嬢様ぁ…」

「アルフ、おちんちんがなんだか大変なことになっているみたいですけど、どうしてかしら?」

「そ、それは…その…」

「ここには私たち以外に誰もいませんよ」

「あの…お嬢様のドレス姿のがすごく綺麗で…あと、お嬢様が…踏み潰してやるっておっしゃっていたからその…」

僕が言い淀んでいるとお嬢様は軽く僕の肩を押す。
そのまま僕は床に膝をついてお嬢様の前に正座をするような体勢になった。

「アルフ…」

跪く僕の鼻先にお嬢様の真っ赤なハイヒールのつま先が突きつけられた。

「!!」

「このハイヒールで踏み潰して欲しいですか?」
「私は構いませんよ…あの男には靴底だってくれてあげるのは嫌ですけど、かわいい執事が欲しいと望むなら、満たしてあげるのは主の務めです」

「……」

「さぁアルフ…服を脱いでください」

言われた通りに着慣れない礼服のボタンに苦戦しながらジャケット、ズボン、シャツ…最後に下着を脱いでお嬢様の前で裸になる。

「はい、よくできました…こんなに反り返るほど硬くして…」

お嬢様は優しく微笑んだままハイヒールのつま先で僕の頬を撫でる…滑らかで冷たい革の感触でペニスがますます硬くなり芯のほうがジクジクと疼いてくる。
そのままつま先は顎筋をなぞり首、そして胸へ…

「あっ…はぁっ…んっ!?」

乳首の部分にたどり着くとお嬢様の尖ったつま先が硬くしこった乳首をにじり潰す…

「あんっっ!?」

「かわいらしい声ですね、まるで女の子みたい」

針で刺されたような痛みと気持ち良さで思わず声が出てしまった。
さらにお嬢様の足は止まらず、今度はお腹の上をゆっくりと進み、だんだんペニスに近づいてくる。
僕のペニスは期待でいっぱいになり、意識していないのに勝手にひくひくと動いている。

「アルフのおちんちんは早く踏んでほしくてピクピクしていますよ」

そこでいよいよペニスを踏みつけるのかと思ったお嬢様の足が急に体の真ん中から逸れて正座する僕の太ももの上に乗った。

「ぁ……」

鋭いヒールにお嬢様の体重が込められてギュッと太ももを踏まれる。

「ああああっ!?」

そのまま突き刺さってしまうのではないかと思うほどの痛みに僕は悲鳴をあげてしまった。

「少し痛かったかしら?ごめんなさいね」

「あ、いえ…申し訳ありません…大きな声を出していまいました」

お嬢様が足を退けると、僕の太ももにくっきりと小さなヒールの痕が残っていた。

僕の体をもて遊ぶようなお嬢様のハイヒールがとうとうペニスの先端に触れた。
とっくに我慢が出来ずに雫を作る透明な汁とハイヒールのつま先の間にいやらしい糸が引いてお嬢様の靴底を汚す。

「あっ…お、お嬢様…」

お嬢様は靴底に僕の汁を擦りつけてヌルヌルと滑りが良くなったところで…ゆっくりと先っぽから根元まで、ペニスに浮いた筋をなぞるように靴底を滑らせた。

「ひぁあぁん!?」

「……」

背筋に電気が走るような気持ちよさ…そして続け様に今度は別の道筋で靴底が僕のペニスを擦っていく。

「んあぁぁっ!?」

「なんだかまるで、楽器の調律をしているようですね…じゃあこうしてみてはどうでしょうか?」

ペンッ!

「っ!?」

お嬢様が硬くなりきった僕のペニスを軽くハイヒールで蹴り付ける。
腰の奥の方に響く衝撃で一瞬ペニスがキュッとして新しい粘つく汁が先っぽから溢れて、お嬢様の靴の上に飛び散った。

「んはぁ…はぁ…はぁ…」

お嬢様が今度は細くて尖ったヒールの先を僕のペニスの先に当てて、そのまま穴をこじ開けるようにグリグリと押し込む。
当然それでヒールが穴の中に入っていくわけがないのだけど痛みと気持ち良さで意識が飛びそうになる。

「あああああああっ!?あっ!あっ…ヒールが…あっ、裂けちゃいいます!」

またペニスの根元の方からグチュリとさらに粘っこい汁が溢れてお嬢様のヒールを汚す。

続けて靴底で玉をしっかりと踏みつけて円を描くように揉み込まれる。
玉を踏まれたせいでギュウッと締め上げられるような痛みが込み上げてきた。

「痛っ!あんっ!あ…ぁ…」

靴底に押し出されてしまったのか、少しだけペニスの芯に何かが駆け上がってってくる感覚がして、白いかたまりが混ざったゼリーのようなものが先っぽからドロッと溢れ出した。

「アルフは靴で踏まれるのが好きなんですよね?」

「は…ぁ、あ」

頭では考えられるけど、ペニスをお嬢様のハイヒールでぐちゃぐちゃにされて気持ちが良すぎて声がうまく出ない…

「ほら、あなたのでハイヒールがベトベトです」

お嬢様がペニスを踏みつける足を一度止めて溢れ出た白いかたまりをつま先で掬う。
そしてそのまま僕の鼻先に精子が混ざった汁まみれのハイヒールを突き付ける…お嬢様の香りと革の匂いに混ざった汁の青臭いような臭いがした。

「ぅあ…」

「いつもこういうのを想像して一人でしているのかしら?踏まなくてももう勝手に出てしまいそうです」

「……」

「さぁ、もう苦しそうですので、そろそろ出させてあげますね…」

お嬢様のハイヒールが既に汁でぐちゃぐちゃの僕のペニスを踏み付けて、まるでそのまま擦り潰すようにすごい速さでグリグリと踏み躙った!

「あっ!?あっ!!あひぃん…お、お嬢様っ!?」

巻き込まれたら最後、なんでもめちゃくちゃに擦り潰してしまう機械に挟まれてしまったようにペニスを激しく踏み擦られて、もう破裂しそうなくらい硬くなって、ものすごく敏感なような、痺れてくるような…説明ができない感じになる。

「お、お嬢様っ!なんか上がってきましたっ!!あっ!ああっ!!で、出ちゃいますっ!!」

お嬢様のハイヒールと同じくらい真っ赤になったペニスの先端がドクンドクンと脈を打って、もう射精を止められない。

「いいですよアルフ…さぁ…」
「…出しちゃえ」

お嬢様はそう囁いて、ハイヒールで僕のペニスにトドメを刺すように先端だけを小刻みに激しく踏み扱いた!

ドクッ!!!ドビュッッッ!!!ブビュッ!

「ああああぁぁ………」


壊れた噴水のようにペニスの先から大量の精液が飛び散ってお嬢様のハイヒールに降りかかった。
先日、一人でした時よりも何倍も気持ちいい……

「今日もたくさん出しましたね」

「はぁ…はぁ…はぁ…も、申し訳ありません…お嬢様」

「いいのですよ、アルフだけは特別ですから」

踏み付けられたままのペニスからまだトロトロと精液が流れ出している。お嬢様はそれを搾るように何度かギュッギュッと踏んでから足を離した…

「……」

力が抜けてしまい、床に倒れた僕のことをお嬢様はいつもの優しそうな笑顔で見つめている。

そこでふと、射精の疲れでぼうっとしている頭に、今お嬢様が履いているハイヒールでしてしまった罪悪感が急に膨れ上がってきた。

…ちゃんと謝らなきゃいけない。

僕は裸のままだけど起き上がって、しっかりお嬢様に向き合い…

「お嬢様、申し訳ありません」

「どうしたのですか急に?」

「実はお嬢様に謝らなければならない事があります」

僕は、お嬢様のハイヒールで一人でしてしまった事を全てお嬢様に白状した。

「……」

「……」

沈黙、高級なホテルだけに防音がしっかりしていて、外の音は何も聞こえない。
そのせいでものすごく重苦しい静かさに部屋が包まれている。

…やっぱり、今度は雇い止めを言い渡されるのだろうか?

「そんなことで悩んでいたのですか?」

お嬢様が口を開く。
その表情はいつもの通りの優しそうな笑顔。

「え?」

「ここ数日、アルフは私と顔を合わせても目も合わさないで、足元ばかりを見ていました」

「….」

「思えば、この靴をあなたに預けた日からだったと思います」
「可愛かったですよ、出掛ける前にわざとヒールを鳴らしてみたら…それはもうオドオドしてしまって…」

そう言ってお嬢様がクスクスと笑う。

「でも少しだけ妬けますね」

「え?それはどういうことで…」

お嬢様は僕の精液でベトベトになったハイヒールを見ながら言う。

「この靴にアルフがそんなに興奮したことがです」
「この靴を履いた私の足ではなく、この靴だけでもアルフが興奮して一人でしていたことに妬けました」

「も、申し訳ありません…お嬢様」

「もちろん、これがアルフだからですよ…そうですね例えばこれがあの成金のお坊ちゃまだったら…そんなことされた日には、金玉もペニスも二度と使えないように踏み潰してやるところですが」

「……」

いつもの優しい笑顔でとても恐ろしい事を言うお嬢様。

「でもアルフもアルフです、一人でして、後で悩むくらいなら一言言ってください、それくらいいつでも踏んであげますから」

「え、あ…はい…すみません」

そういうとお嬢様はまた、僕のペニスをハイヒールで踏みつける。

「あっ……」

さっき、盛大に射精したペニスがお嬢様に踏まれてまた硬くなってくる。

「とはいえ、私の靴を勝手に使って射精した事はお仕置きしなければいけませんね」
「アルフレッド=シューメーカー…覚悟はいいですか?夜は長いですよ…」

「は、はい。お嬢様、よろしくお願いします…」

その夜、お嬢様のお仕置きは僕のペニスから精液が一滴も出なくなるまで続いた。


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