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恋人さんメンタルケア日記\( 'ω')/«その3»〝否定〟をやめよう。

※前回のお話の続きです。話の内容が気になる方はこちらから見てください。


   交際を始めてから、数週間で恋愛の熱は落ち着き、遠距離であったために、初めはお互いを知るための趣味などを話していたはずが、段々と相手の友達の話、仕事の話、家庭環境で起こった日常話など、恋人さんの主軸になるお話が多くなりました。

当時、私はまだ学生であり社会経験はなく、家族関係、学校内、精神状況も良好ではなかったため、趣味のこと以外一切話すことが出来なかったのです。(言ってしまえば、ネット上にしか居場所がなかったため、日常に関して何も気がつくことが出来なかった状況でした。)

そのため、私の環境は異常で、彼が過ごしている生活は、世間一般で言う『ありきたりな生活』なのだと、1ヶ月を経った頃に痛感しました。

その時の私の環境は、
・通話をする時は親の目が届く範囲でかけなければならない。(ビデオ通話含め)
・兄が結婚して子供も出来たため、実家から出たのに、いつでも帰れるようにと部屋は残したままにする。(私の部屋(プライベート空間)は用意しない。)
・母親と同じ部屋に必ずさせられ、私の寝息を聞かないと親が寝れない。
・1人になりたくて篭れば、「何をしていたのか」洗いざらい話さないといけない。
など...

記載したのは一部ですが、このような環境で幼少期から育ってきたため、私はこれが普通なのだと感じていました。(ちなみに、兄にはこのような対応は一切していませんでした。)

   そのため、交際して1ヶ月目を迎えた頃に、事件が起こってしまったのです。

ビデオ通話をして話していたところ、真剣に話し合っていた話を、母親が一部分を聞いてしまい、「そんな風に我が家の事情を貶してくる人とは別れなさい!」と怒ってきたのです。

内容としては、我が家は片親であるということと、母親がまともな職に付けないほど資格がなかったために、ずっと「生活保護」を受け続けてきました。そのため、世間からは白い目で見られ、さらに我が家の家族にも、問題を起こしまくる祖父が居たために、私達家族は心身共に苦しいながらも、それでも我慢すれば幸せだとそう信じて生きてきました。

   そんな事情を知ってもなお、恋人さんは「人様に認められる環境ではないにしろ、誰かを貶すなどといった行動も起こさず、優しい性格でいてくれてありがとう。」という感謝と、「(Lilyが)経験せず、分からない常識などは、俺が分かる範囲で教えていくから」といった一切相手の環境を【否定】などせず、それらも受け入れて一緒に頑張っていこう。といった話をしてくれていたのでした。

母親は一部しか聞き取れていない。ということに気がついた私は、流石に、変なことを言うものだ。と思ってしまったため会話内容の流れをはっきりと伝え、そうでは無いと否定しましたが、完全に自分が聞いたことが正しいと信じてしまった母親はヒートアップ。(母親は、統合失調症パーソナリティ障害を持っており、被害妄想・幻聴があり、思い込みやマイナス思考が激しい性格でした。)
一切話を聞いてくれず、とにかく別れろの一点張りになってしまったため、話すことが辛くなった私は、その話をそのまま恋人さんに話してしまったのでした。

   すると、恋人さんからは「どうして、親がいる空間で通話をしているの?」と指摘を受けました。私にしてはいつもの事だったので「普通じゃない?」と答えると、彼から初めて怒気を含んだ声が返ってきました。

今振り返れば、母親は私のプライベートを一切なくし、自分の都合のいいように縛り付けていた明らかなる「毒親」の行動をしていたことが分かりますが、当時の私には全く気がつくことが出来ず、とにかく傷ついた気持ちを癒して欲しくて、彼からの怒りに対しこう返答しました。

「別に、今までこうしてきたんだし、何も恋人さんも言わなかったんだからいいじゃん。」

その時の私は、常に通話していた環境が親が居る状況というのを、勝手に恋人さんが理解しているから、何も言わなかったと「強い思い込み」で感じていたため、それを相手へ同じ考えでしょ?と押し付けていたのです。
今思えば、とんだ理不尽ですし、恋人さんへは最悪な返答や行動をしてしまったと反省していますが、私が怒られた時にとった行動は『反発・抵抗』といった【否定の行動】だったのです。

こんな発言をされたら、大半の人は「何だこの常識外れは...付き合わなきゃ良かった」と、即別れを告げる方が多いのではないかと思います。

   それでも、恋人さんは私の異常性を指摘した上で、今後はそうならないように対策をしようと【改善策】の提案を話してくれました。

   私は、その時に「自分の常識外れな行動でさえ1度飲み込み、その人に対し正しい考え方や知識を付けさせてあげたい」といった気持ちが伝わってきて、私が今起こしてしまった行動は、相手にとってプライバシーの侵害を起こしてしまったことなのだと、初めて重く捉えることが出来ました。

その後も、私の家庭環境のズレから、彼の行動が分からない。理解出来ないとなった時、「○○なんてならないじゃん」と発したこともありました。
私としては、何故そうなる?そうはならんくないか?といった率直な疑問の発言が出ただけなのですが、恋人さんや今まで私とお話を避けてきた人達が、「こうじゃないでしょ!」と【否定的】に話されていると感じ取ってしまう。ということも知っていきました。

   そして、ある日恋人さんから私に〝課題〟が設けられました。

それは、以下のような内容です。

  1. 「でも」「だって」「いや」などの『否定ワード』から入らない。

  2. 思ったこと、感じたことをそのまま言葉に出さない。

  3. 感情的にならないように、なぜそう言われたのか、どうしてそうなったのかなど、客観的に考えられるようにする。

これらは、私が覚えられるようになるまで、何度も何度も伝えられ、忘れぬように文字に書き起こしたこともありました。

   その後、母親と同じ空間で話さないために、元兄の部屋を私の部屋(プライベート空間)にするために行動し、その〝課題〟も自分の目の届く範囲に貼ったりと、少しずつ【否定しない練習】を始めていきました。

今では、だいぶ与えられた〝課題〟の全てを、深く考えられるようになり、率直に感じたことをそのまま吐くことや、相手がどうしてそう伝えてきたのかなど、相手の気持ちを考えられるように少しずつ慣れていっています。
我が家の【否定的な思考】から離れた今、より一層プラスの発言が増えたのではないかとも、私は感じています。

   あの日、見放さずにはっきりと「それはいけないことだ」と指摘してくれた恋人さんがいなければ、今の私は何にも向き合うことも出来なかったでしょう。

この出来事を境に、私達の仲はたった数ヶ月で距離が縮んでいき、現在の状態になるまでのきっかけとなったのでした。

ー続くー

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