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高津『おかえりオーレオール』の感想

高津(たかつ)先生の『おかえりオーレオール』(2017)を読み返したので感想を書きます。

この本は、いままで何度も読み返している大好きで大切な本です。

アマゾンのレビューを見ていて、共感するものがあったので一部抜粋します。

なんでもない日々を描くというのが、一番難しいと常々思っているのですが、この作品は日常、時の流れの描写がとても素晴らしかったです。
人の心って、そうだよなあ、こんな風に少しずつ進んだり、曲がったり、戻ったり、立ち止まったりしながら、変わったり変わらなかったりするよなあ、なんて思いながら、読ませていただきました。

Amazon 『おかえりオーレオール』レビューより一部抜粋 2021年9月27日に閲覧


「曲がったり、戻ったり、立ち止まったりしながら、変わったり変わらなかったりする」という言葉は、この物語の確信をついてるように思いました。

自分の気持ちをごまかしても、ふとしたころで気持ちが溢れ出す。その感情をいろんな理由で正当化して押し込めても、日常の機微の中でやはり君が好きであることを自覚する。好きという感情に翻弄され、戸惑い、道を「曲がったり、立ち止まったりしながら」人は毎日を過ごす。

そしてそのなかで、変わらなかったり、変わったりすることがある。

人の心を、そして時間の流れを丁寧に描いた作品が『おかえりオーレオール』だと思います。

いつか古本屋の棚の中に入れたい。そう思いました。

名シーンもたくさんあります。「ーなに、なんのつもり 」のところとか。あの後、彼は一体どんな顔をして家路についたのでしょうか‥‥。想像するだけで顔が梅干しになります。苦しくて泣けます。

でも最後は晴れやかにあたかかく終わります。是非読んでみてください。

みなさんは、なんども読み返す本はありますか?
私は読み返せる本は少ししかないので、これからも大事にしたい作品です。


おわり

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