魔法使い

以前、長く連れ添ってきたオルディアというキャラクターについて書いたのですが、彼は私の物語の影でずっと暗躍していました。
長編になるとそれが顕著で彼が人間に優しくよりそう時代、ただ見ていた時代、どうにか繋ぎ止めようとしていた時代とわかれています。

私の初めての本格的な長編小説『宝石の子』は産業革命期でオルディアは人間に寄り添うのか、傍観者となるのか決めかねています。
それでもある程度の平和を維持したい。そんな気持ちの影響か、彼の側に存在する妖精と呼ばれるような不思議は急速に遠ざかっていきます。
その不思議たちに残虐な行為を強いるのを目にして彼は傍観者になろうとしていました。
そして最後に残されたロゼを彼は迎えに行きます。けれど、ロゼは彼とともに虹の城に行くことはありませんでした。
ロゼは人間たちを愛していました。大切に愛された分だけ人間を、世界を愛していたのです。辛いこともあったけれど、それ以上に愛されたことを大切に思っていました。

それを聞いてオルディアはもう一度人間を信じてみようと思いました。

その後も大きな戦争が起こり、オルディアは悲しみました。
もっと平和に人々が愛し合う時代が来るといいのに。そう願ううちに彼は時代遅れになって行きました。

そして、彼は最後の使命を通して人間をもう一度心から愛するようになりますが、そちらは本編を読んでいただけるととてもうれしいです。
素敵なレビューもいただきましたので合わせて読んでいただけるとうれしいです。

魔法使いの子守歌 https://novelup.plus/story/357587073

宝石の子


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