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SRP UTGvsBB AK2r -自由研究-


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1.導入


こんにちは。にーなと申します。

このツイート見てなんか色々気になったので、自由研究し始めたら案外没頭してしまって量もすごいことになったので折角だしnoteにまとめるかと思った次第です。

いくつか注意点ですが、

・私自身GTO戦略に対する知見が浅く、情報が100%正しい保証はないです。自分の思考をアウトプットする練習ですので、鵜呑みにして戦略として使うという目的よりは思考の方法や間違っている部分をご教示していただけたら幸いです。

・加えてGTO+の使い方も完璧ではないので、レンジに若干の誤差が見受けられる箇所もあるかもしれません。

・更に横文字に弱いので用語を間違った意味で使用しているかもしれないです。



2.使用するシチュエーションとレンジ


6maxNLH eff.100bb Rake 5% cap3bb
UTG r2.5bb
BB c
Flop - AhKc2d

・UTGopenレンジ

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・BBCallレンジ

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Modern Poker Theory(https://runnerrunner.jp/modern-poker-theory-pf-solutions/)のレンジを使用

Rake5% cap0.6bb想定のためかなり広いレンジとなっています。



3.IPのCB戦略


早速本題に入りますが、AK2rのFlopにおいて最適なCB戦略はどういったものなのでしょうか?

①pot33%単一CB戦略

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②pot100%単一CB戦略

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③pot33%,100%混合CB戦略

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補足として、この時点でのUTGとBBのEQはこのような感じです。

レンジ全体のEQ、ナッツアドバンテージともにUTG側が大きく有している状態です。

研究をする前の個人的な予想としては、

・AKxのボードはUTG側にめっちゃ有利やからポラライズしたレンジでpot100%CBを打ちたい。

・とはいえ、ポケットペアやKxも多くレンジに含まれているのでそういったマージナルな部分はしっかりとCheckしたい。

→上記理由によりpot100%単一CB戦略が最も優れていそう。

と考えていました。


実際は「このシチュエーションに関しては戦略の違いによるEV差は殆ど無い」という結果でした。


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先程の3つの戦略のトリミングしていないものです。

3つの戦略のEV差は最大0.06ほどで誤差レベルといってもいいのではないでしょうか。

一応、念の為pot150%単一CB戦略やpot200%単一CB戦略も見てみましたがEVはほぼ変わりませんでした。

CBを打つレンジのバランスさえミスをしなければ、どんな戦略をとっても良いという結論に至りました。



4.OOPのvsCB戦略


では、CBを打ったあとBB側はそれぞれどのような戦略を取るのでしょうか?


①に対する戦略

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②に対する戦略

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③のpot33%CBに対する戦略

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③のpot100%CBに対する戦略

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BBのx/rのサイズはpot75%単一です。

単一CB戦略か混合CB戦略かによるEV差はほぼ無く、betサイズの違いによるEV差が少しあるなという感じでした。このことから、これより下の項目では「pot33%単一CB戦略」と「pot100%単一CB戦略」の2種にレンジを絞って話を進めていきます。判断材料がこれだけなのでもしかしたらアクションを重ねるに連れ単一CB戦略と混合CB戦略の違いが出てくるかもしれないです。今回はそちらに関しての検証は省かせていただきます。

2つの戦略を比較すると、

・CBのサイズが大きいほうがFoldが多く、小さければFoldが少ない。

→当たり前ですが念の為。


・小サイズCBに対して減らしたFoldレンジでCallレンジとRaiseレンジを増加させる。

→Raiseレンジも増加させるという思考に今まで至らず、「大きなbetにはFoldを増やしCallを減らす」「小さなbetにはFoldを減らしCallを増やす」という思考でアクションの選択をしていました。


・BDFDの無いKxs/Kxo/BDFDの無いブロードウェイのSDがCBのサイズによってCallするかFoldするかのアクションの違いが生まれる。AxはどちらのCBサイズでもFoldの選択肢は無い。ポケットペアはどちらのCBサイズでも全てFoldする。

→大サイズのCBでFold過多、小サイズのCBでCall過多になりそう。


・x/rはどちらの戦略も22のセット、AKのトップ2ペアをバリューレンジの軸として、BDFDのあるホイールのSDや一部の弱いKxsのブラフレンジを混ぜている。ただしボトムヒットである52s,42s,32sはCBのサイズによってRaiseするかFoldするかのアクションの違いが生まれる。

→BB側の元々のレンジに存在するバリューハンドが少なく、残っているレンジから新たにReiseレンジを生み出さなければならない。リニアに構築するのであればA2やAQが候補に上がるがx/rした際の相手のFoldレンジをAやQがブロックしてしまっている上に、Callレンジが弱くなってしまうので相手のFoldレンジをブロックせず、そこそこのEQがある52s,42s,32sでRaiseレンジを増加させているのではないかと予想。

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x/r75%,b33%の場合におけるUTG側の戦略


ざっくりとこんな感じなのではないでしょうか?



5.真のIPのCB戦略とは?


これまでの話をまとめると、

「UTG側は各サイズにおいてバランスをミスしなければ、どのCB戦略を用いてもEV差は殆ど無い。しかし、大サイズのCBを用いたほうがBB側のEVが少し小さくなる」

といった感じです。

じゃあ、次からはpot100%CB戦略をマスターして相手のEVを少しでも小さくしていくぞ!


・・・・・・


本当にそれでいいんでしょうか?

あなたがプレーしているフィールドのプレーヤーはpot100%betに対して全てのAxでディフェンスしているのですか?pot33%betに対して全てのポケットペアをFoldしたり、54s,53s,52sでRaiseしたりしていますか?

もっと相手のEVを奪う方法があるのではないでしょうか?


・・・・・・


相手がGTO戦略からズレた場合、それに対してExploitすることにより大きなEVを得ることができます。今回の場合は2つの戦略のEVに大きな違いはありませんでしたが、相手が適切なアクションを取ることができなければ2つの戦略に大きな差が生まれるかもしれません。

今回は、

A. pot33%CBに対してCallしすぎ(Raise,Fold過少)

B. pot33%CBに対してRaiseしすぎ

C. pot100%CBに対してFoldしすぎ

な相手に対してのExploitCB戦略を考えていきます。


A. pot33%CBに対してCallしすぎ(Raise,Fold過少)

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Raiseレンジが大きく減り、トップ2ペア以上のみ。ドローも全てCallし、ポケットペアも77+はCallします。

こういう戦略を取りそうなプレーヤーと対峙した場合どのようなpot33%CB戦略を取るのが最適なのでしょうか?

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答えは「全レンジpot33%CB戦略」です。

レンジのバランスとか一切考えなくても良いです。簡単になった上にEVも3.94得ることができます。

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同じ相手にGTOのpot33%単一CB戦略を取った場合のEVは3.88

(お互いがGTO戦略を用いた場合のEVは3.73)

相手がこのシチュエーションでCallしすぎる場合、Exploit戦略を用いた場合EV差はそこまで無いですが、UTG側の戦略が簡略化されるため、UTG側のバランスのミスによるEVの損失が起こり得ないという点が大きなメリットとなります。

BB側がパッシブなためx/rで抵抗される頻度が大幅に減り、なおかつCallが-EVとなるハンドもCallしてくれるのでCBの頻度が上がりきったのではないかと考えます。


B. pot33%CBに対してRaiseしすぎ

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FoldレンジはGTO戦略と変わらないですが、Raiseレンジが1.5倍ほど増加しています。AQのワンペア+,全てのSDでRaiseしてきます。

どうせ、ボードが極端に有利だから全レンジでCB打ってきてるのだろうから高頻度でRaiseしてマージナルな部分のEQを奪ってやるとでも考えてそうです。

UTG側は、

B-1. GTOpot33%単一CB戦略→vsGTO x/rレンジ

B-2. GTOpot33%単一CB戦略→Exploit戦略(SingleExploit)

B-3. Exploitpot33%単一CB戦略→Exploit戦略(DoubleExploit)

の3種類に分けてそれぞれ戦略を比較していきます。


B-1. GTOpot33%単一CB戦略→vsGTO x/rレンジ

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B-2. GTOpot33%単一CB戦略→Exploit戦略(SingleExploit)

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B-3. Exploitpot33%単一CB戦略→Exploit戦略(DoubleExploit)

・Exploit33%単一CB戦略

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・Exploit戦略

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相手の頻度の上がったRaiseに対して、Exploit戦略ではそれ以上にRaiseを返してます。本来BB側に用意できるバリューコンボは少なく、無理に頻度を増やしてしまった場合UTGのreRaiseに耐えることができないです。B-3の戦略ではCB頻度を減らしマージナルな部分をCheckに回すことで相手の高頻度のRaiseに対し、超高頻度でのreRaise戦略を取ることができます。Exploitの回数を増やすことによってEVを大きくすることができ、B-1の戦略とB-3の戦略を比較すると約1.8倍ものEV差となります。


C. pot100%CBに対してFoldしすぎ

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ミドルペア以下やドローは全てFoldします。AxsもBDFDのないものは一部Foldします。かなりFoldし過ぎな気がしますが、相手が有利な状況でのpot100%CBなのでCallしたとしてもこの先苦しい展開しか待っていません。

そんな相手に対してはどのようなpot100%CB戦略を取ればいいのでしょうか?


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答えは「全レンジpot100%CB戦略」です。

先程も同じような展開を見たような気がしますが、これが最適なExploit戦略です。こちらも「全レンジ33%potCB戦略」と同様にミスする心配もなく、楽な戦略で、こちらのほうが得られるEVが大きいです。


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Exploit戦略vsFoldしすぎ EV4.25

GTO戦略vsFoldしすぎ EV3.93

GTO戦略vsGTO戦略 EV3.79



6.真のOOPのvsCB戦略とは?


最後にせっかくなので、UTG側がズレているパターンも考えてみたいと思います。


Ⅰ.全レンジでCB(33%,100%)を打ってきた場合のExploit戦略

・vs全レンジ33%potCB戦略

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A2s,K2sの2ペアの多くがx/rのレンジに入った以外はほぼvsGTOpot33%CBレンジとほぼ変わらないです。

EVは相手がズレていることにより少し有利になってますが、これまでのシチュエーションの中で相手のズレが最も小さいのでExploitできる部分が少ないと考えます。


・vs全レンジ100%potCB戦略

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先程のvs全レンジ33%potCB戦略とは変わって、レンジ全体に大きな変化が見られます。vsGTOpot100%CBレンジとCallする割合は変わらないですが、x/rの頻度が9%ほど上がっています。

特徴としては、54s,53s,52sに加え一部のAQやAxs,Kxsといったマージナルな部分で広くx/rを返しています。こういったレンジの変化があるにも関わらず、ブロードウェイのSDのレンジはほぼ変わりません。

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相手はx/rに対して、BDFD付ミドルヒット+のハンドはほぼCallしてきます。しかし、相手のブロードウェイのSDをブロックする、KQ,KJ,KTはかなりのレンジがFoldを選択しています。

なので、相手のCallレンジを少しでもブロックしているマージナルなワンペアのレンジをx/rのレンジとして組み込んで、相手のFoldレンジをブロックしているブロードウェイのSDのレンジはFoldを選択していると考えます。


Ⅱ.相手が100%Checkしてきたら?

Turn - AhKc2d [6s]

・相手がGTO戦略(pot33%単一CB戦略)に基づいてCheckした場合

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・相手が全レンジでCheckした場合

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GTO戦略(pot33%単一CB戦略)ではツーペア+のレンジは全てCBを打っているため、checkのレンジには残っていないので相手のレンジはキャップされている。相手がもし全レンジで100%Checkした場合は当然ながらナッツ級のハンドも残っているので、vsGTO戦略に比べCheckの割合が多くなる。


7.終わりに


今回はFlopだけの研究でしたが、始めたら思ったより時間がかかって研究で4時間、note制作に3時間かかりました。まだ未完成ですが。座学慣れしてないのでヘトヘトです。

ポーカーを初めて3年経ちましたがまだまだわからないことだらけです。僅かにわかっていると自分では思っていることですら実はわかっていないかもしれません。当たり前だと思っていること、シンプルにわからないことに対してこれからも好奇心を持ち続けて自分なりに理解を深めたり、知見を深めたりしていけたらなぁと思います。こういうnoteもどんどん作っていってアウトプットの練習も継続的にやっていきたいです。

今回はこのへんで。では。



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