馬頭ショートストーリー

鬼さんこちら、手の鳴る方へ…

《 鬼の戯れ 》

千年前…千鬼様が人の子に封印され、我等も共に闇へと葬られた
永い永い時を経て…千鬼様が、我等がまたこの地に蘇るのは偶然ではない…えぇ、それは必然なのよ?

だって人は何年経とうが何も変わらない…
あの頃と同じ、人の心の中には沢山の恨み、怨み、妬み、嫉みそんなどす黒い感情が渦巻いているのだから…

獄卒でもある私が地獄で目にしてきたものと、この現世に生きる人の子等には何も変わりなんてありゃしないの

他人の財が羨ましい、他人の美が妬ましい…
アイツさえ居なければ、自分さえ良ければ…
今も昔も、現世も地獄も…何にも変わりゃあしないのよ?

だから私達は生まれ、そして強くなるの…
だって私達は、鬼だから
全てを手に入れたい、全てを壊したい
全部、全部認められるの


「久しぶりにこの身体に戻れるとはねぇ…」


あんな窮屈な場所に閉じ込めた彼奴等を…
愚かな人間共を、早くこの手でなぶり殺したい…
でもまだ早い…
もっと残忍に、もっと非道に…
心の底から、楽しみましょう?
この世を地獄に変えてあげるわ…

ほら、見てごらんなさい
人が鬼に堕ちる様を…
こんなにも甘美な悲鳴、癖になるでしょう?

あははははははッ!!!!!!!!!!
あーぁ、また新しい玩具でも探さないと、ね…

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