ゼンザブロニカ S2 ILFORD DELTA 100 PROFESSIONAL
卒制で使ったゼンザブロニカをお盆休みに引っ張り出してみた。コロナでどこも行けないし、友達もいないし、寂しいので一人カメラを持ち出したわけである。
ゼンザブロニカはゼンザブロウさんが作ったブローニーカメラというので「ゼンザブロニカ」というらしい。かわいい。
ヤフオクで動作未確認品を購入して卒制で使ったまま放置していた。動作未確認とはいえ、シャッターもたぶん切れてるし、モルトが傷んでいる程度で動きそうだったが、120フィルムとかいう苦学生とは最も縁の離れた金持ち道楽につぎ込むお金はなく・・・今の今まで放置していたのである。
フィルムは最も安い「ILFORD DELTA 100 PROFESSIONAL」を使った。カラーネガは5本単位で売られていておいそれと買える値段じゃないし、とはいえモノクロとかデジタルでも撮ったことねーよと思いつつ、価格の誘惑に負けて選んでしまった。
https://www.yodobashi.com/product/000000115201001785/
一枚目は滋賀県の高島市のあたりで撮った。何かよくわからないが朝焼けである。露光計なんて持ち合わせてない僕は、手元にあったデジカメでだいたい絞りをあわせて露出をはかっていた。そのせいなのか、どうなのかわかないが、かなり暗くなっている。ただ水平がだいたい来ているので、まあ一枚目としては良しとしたいところである。
だんだん明けてきた。モノクロでなければ真ん中にある雲が朝焼けで染まっていた。思わずシャッターを切ったがモノクロフィルムを活かしけれずなんてことない写真になってしまった。
ちょっと凪いだ雰囲気の湖面を撮りたくって、絞ってバルブで8秒くらい開けて撮ってみた。NDフィルターでバッキバキに光量抑えてピタッと止まったみたいな湖面を撮りたかったが、人生3枚目でそう甘い夢は叶わない。下手に開けたせいで空が若干飛んでいるし、微妙に左に傾いている。
ちょっと移動した。高島市に来たのはこの厳島神社のような鳥居がある「白髭神社」に行ってみたかったからである。当日朝4時半頃には現地についていたが、神社に入る道がわからず、そのまま道を進んだ湖沿いの駐車場に不時着していたのだった。
「白髭神社」は関西の厳島神社と言われるだけあって、日の出前からかなりの人だった。みんなスマホや一眼レフを構える中でボッチのデブは中判カメラを構えていた。大イキリデブ永です。
この写真も湖面を止めたくて、絞ってバルブにしたけど、今度は短すぎて鳥居が潰れてしまった。しかも鳥居の上にちょこんと鳥が留まっている。レンズのせいもあってもはやゴミにしか見えず残念極まりない。
日が昇って人が更に増えたので場所を変えた。その妥協が画面右下にも表れている。人生そんなもの。
日が昇った。左下が惜しいが、中心部の階調が素人目に見ても気持ちいい。モノクロフィルムは本来こういう強い光源をバキッと撮るといいのかな。個人的には徹夜深夜ドライブ後だったので、眩しくて痛かった。
撮れてるかどうかすらこの時点ではわからないし、現像代含めるとワンショット200円するので、似たような構図ばかり撮るのもいたたまれず。湖岸から退散して神社の境内に入った。
今まで遠景で無限遠ばっかり出していたので、ちょっと開放にして後ろぼかしてみた。ただし露光ミス。構図ももう少し右斜め後ろくらいから高い目線で撮れば気持ちいいものになったかもしれない。
琵琶湖からの帰り道、あまりの眠気に襲われSAで仮眠をとった。その時アクセルとブレーキを踏み間違える夢を見て、心臓バクバクで目を覚ます。15分で寝れなくなってしまい、再び運転を始めた。
家に帰ってきて、フィルムと一緒に買ったキャンプ道具で遊ぶ。本当は夜明けを待ちながらコーヒーでも飲もうと思って買ったのだが、現場に着くとそんな悠長なこと言えないくらい暗くて怖くて車から降りられず。ちょっと明るくなるまで車の中で女子高生の無駄使いを見ていた。盆休みの突発的な深夜徘徊を3回ほど行ってわかったが、自分はどうやら一人旅には向かないタイプのようだ。
写真は蛍光灯と太陽の光だけだが、背景の光の階調はとてもきれいに見える。
痛いぐらい暑い日差しの中においてみた。最短撮影距離で、開放で手持ちで撮った。水平が大体合っている事以外かなり厳しい一枚。ただこれ以上開けると、後ろはもっと白飛びするし、コーヒーポッドの側面も背景と同化していただろう。カラーだと背景もそれなりに認識でき、かつデジタルなら明暗差もここまでないだろうから、こうなることが撮影当時には考えもつかなかった。
最近入った社会人映画製作サークルの顔合わせ後、上本町からてくてく難波まで歩いた。
撮影枚数はあと3枚。何を撮ろうか迷った挙げ句、ナンバガールの撮影地を回ることにした。ここは一番最初に主人公が出てくるところ。
オープニングカットの場所。レンズが標準レンズなので映画本編のように両岸を写すことができず、とりあえず右に振っておいた。コロナがなければ今頃僕はこのあたりのビルの壁面映像を作っているはずだったのに・・・
ラストカットの路地。さすがに露光計もカメラも何も使わずに勘で露出を決めたら真っ暗になってしまった。しかも手持ちなのでブレた上にボケている。下手くそが慰めに「逆に味あるやん!」って言うやつ。
というわけでお盆休みに10枚撮りきった。露光がミスっているのはシャッタースピードがキチンと出ているようで出てないからかもしれないが、無限遠は素人目には出ていたので動作確認はオッケーとする。
中判カメラの楽しいところは構図決めが難しいところと、あのバカみたいなシャッター音だと思う。シャッター音に関しては水曜どうでしょうのコスタリカ編を見てほしい。あの「バラコンッ」という音は中判カメラのシャッター音である。デジタルネイティブの電子シャッター野郎からすると、あのシャッターのせいでそもそも全部ちょっとずつブレてるのではとすら思う。
現像とデータ化はここ。発送10日後くらいで手元に届いた。
今回は18時から翌朝9時まで770円で車に乗れるタイムズカーシェアと、注文した商品を24時間受け取れるヨドバシカメラマルチメディア梅田店に謝辞を述べたい。ズボラが思いつきで行動できる現代社会、すごいと思う。
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