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その足取りをどこまでも

テヒョンさんがスキップした。いつもみたいなダラダラと続く前フリはナシにして今回はさっそく本題に入るが、あの彼が出国の際にスキップしたのだ。しかも周りのSPがワタワタするくらい、後ろを歩くジンさんがちょっと小走りになるくらいのなかなかの速さで。ポケットに手を入れたまま。スラリとした綺麗なシルエットのコートはヴィトン、例のごとくかかとを踏んづけたローファーはグッチ。そんな全身ハイブランドの男が、突如なんの前触れもなくスキップした。まっさらな白の不織布マスクで顔の8割は隠れていたけれど、間違いなく彼はあのときニヤリとしたに違いない。というかしてくれなきゃ困る。してほしい、ニヤニヤ。
免税店が並びファンや報道陣たちから無数のカメラを向けられ、ソーシャルディスタンスもクソもあったもんじゃないあの空間で彼は突如スキップをした。何を思ってあのときスキップしたのだろう。オフラインでコンサートができる喜びであれだけの上機嫌でスキップが出ちゃったのか、はたまた周りの人混みに嫌気が差して早く抜け出したかったけど突然走るのもアレコレ言われるのでスキップを選択したのか、先日の怪我が治ったことをアピールしたくてスキップしたのか。知りたいけど、なんだか少し知りたくないと思う気持ちもある。そういう想像力を掻き立ててくれるのは、彼自身が自分の感情を素直にさらけ出すタイプの人間だとわかっているから。
前の記事でも書いたように、彼は普通の20代の青年で、私達と同じように疲れたり眠ったり、コーヒーじゃなくジュースを好むような好き嫌いのあるごくごく普通の人間なのだ。ちょっとばかし歩んできた人生が違うだけで、中身はちゃんと人々からの愛を確かめたい普通の人間なのである。ふわふわなヘアスタイルに軽い足取りで、まるで天使みたいだと言う人もいるけれど、私はそうは思わない。ハイブランドの革靴のかかとが潰れるほど体重が地にかかっているし、スキップで弾むたびふわっと浮き上がってはちゃんと重力に従って着地している。暑かったのか途中で緑のセーターを脱いでいて、機内ではくつろげるパジャマに着替える。頭上に輝く輪っかも浮いてないし、羽だって生えてない。彼の中にきっと天使はいるけど、自分は自分だと理解しているはずだ。だからこそ彼は日々の努力を怠らないし、毎秒毎秒進化を遂げた違う姿を見せてくれるのだ。
長時間のフライト、どうだったかな。疲れたよね。今日からもたくさんお仕事が詰まっているのだろうね。でもせっかくの海外だから、いろんなものを楽しんで、吸収して、美味しいものも食べて、良い成果を結べるといいね。あなたの仕事ぶりはちゃんと私も含め世界中のアミが見ていますから。目一杯楽しんで、心地よい疲労感の中でご安全に帰ってきてください。国は違うし絶対私のことなんか知らないだろうけど、私はずっとここで待っています。心はいつもそばにいます。あと、足が治ったみたいでよかった、嬉しいです。それでは。また。

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