豊岡に人々との交流を形にしたパフォーマンス『うごくつぎはぎ』
今回紹介するのは、東京の大学生の有志劇団「遊学生」による出し物「うごくつぎはぎ」です。フリンジセレクションにも参加している「うごくつぎはぎ」について、遊学生のメンバーにお話を聞きました。
劇団「遊学生」とは?
遊学生は、東京大学と慶応義塾大学を中心とする東京の学生たちが地域に根ざした演劇を制作・公演することを目的に結成されました。これまで3年間にわたり、彼らは兵庫県豊岡市で活動を続け、地元の方々とのつながりを大切にしながら、地域の文化や物語を作品として表現してきました。
2021年は豊岡市で「鞄の話」という作品を制作し、地域の鞄職人から得た語りを再び演劇として描き出しました。
2022年には、豊岡の立光寺本堂で柳行李の技を守り続ける職人との出会いを元に、『地獄変』(芥川龍之介作)を現代風にアレンジした作品を上演。
そして2023年は香川県三豊市へ活動の場を移し、「漂流郵便局」や「父母ケ浜」をインスピレーションに「宛先のない手紙を届ける郵便屋」をテーマにオリジナルの脚本を制作。その後、豊岡の立光寺で再上演を行いました。
今年の制作「うごくつぎはぎ」とは?
今年の活動について伺うと、今までの上演形式から一歩進み、滞在制作に力を入れているとのこと。豊岡の地元の方々から譲り受けた布や小物、お着物を使って獅子のようなキメラ「うごくつぎはぎ」を製作し、それで街中を練り歩く企画です。「そこにいるみんなでつくるための滞在」というタイトルでフリンジセレクションに採択されています。「物の行き来を通して、豊岡の方たちとの交流を深め、そのつながりを形にできたら」と語ってくれました。
この「うごくつぎはぎ」のお披露目は、9月14日と15日のナイトマーケットで行われます。18:00と20:00からのパフォーマンスのほか、サンロード前では日中も展示が行われる予定です。
地域との結びつきを大切にし、その関係性を創造的に表現する遊学生の取り組み。彼らの情熱と創造力が生み出す「うごくつぎはぎ」を、ぜひ一目ご覧ください!