宮迫の牛宮城は案外繁盛するのではないだろうか。

(この文章は2022年1月の、牛宮城オープン前に書かれたものです)

 宮迫博之が手がける焼肉店である牛宮城は、気の毒なことに店がまだオープンしていない段階にもかかわらず炎上を繰り返している。そしてその炎上が原因で、何度もオープンを先延ばしにし続けているのである。

 しかし、いくら炎上とはいえども、これだけ話題になり続けているということは、それだけ多くの人の興味を引いているという証拠でもある。芸能ニュースの記者は、世の人の興味を引かない内容は一切報じない。みんなが牛宮城の顛末に興味津々だから、同じ話題を何度も取り上げても、安定したPV数を獲得し続けることができるのである。

 それに加えて、YouTuberである相方のヒカルの存在も大きい。ヒカルは牛宮城の経営者という立場から降りたが、YouTubeの登録者数が470万以上のチャンネルで何度も取り上げられていることにより、牛宮城に炎上という名の追い風が吹き続けるのである。宣伝広告費を払わなくても、牛宮城の名前はどんどん有名になるばかりで、その宣伝広告の効果が喉から手が出るほど欲しい経営者は山のようにいるだろう。

 高まり続ける認知度に加えて、店の場所も渋谷センター街の近くという絶好の位置に存在しているのも素晴らしい。何の知名度もない店であったとしても、何万人もの人が毎日店の前を歩くのだ。ましてや、ここまで話題になり続けている牛宮城だ。歩行者が牛宮城の写真を撮影してSNSにアップロードする景色が容易に想像できる。

 牛宮城がオープンを先に伸ばし続けている最大の原因は、価格の高さに反して、料理の品質が低いからである。逆に言えば、その品質さえ改善して、それを芸能ニュースやインフルエンサーが取り上げてくれるならば、十分に勝機はあると言えないだろうか。

 芸能人が経営する焼肉屋と聞いて多くの人が連想するのが、「たむけん」ことお笑い芸人のたむらけんじ氏の炭火焼肉たむらではないだろうか。芸能人が手がけるお店はすぐに飽きられて短命に終わってしまうイメージが強いが、このお店は開店から15年以上が経過した現在でさえ、多くの常連客に愛されている。

 提供するサービスの質と価格が良質であるからこそ、飲食店の激戦区である大阪で生き残っているのである。それに加えて、本人の知名度やテレビの宣伝の効果も非常に大きい。まさに鬼に金棒である。テレビ離れという言葉が普及して久しいが、現在でもテレビは他の媒体よりも圧倒的な宣伝効果があるのだ。
 

 牛宮城は、指摘されている多くの改善点さえ直せば、案外繁盛することになるかもしれない。

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