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藍染めと浄化槽管理

先日、プライベートで山野町にある藍屋さん「藍屋テロワール」に藍染体験に行ってきました。
ただ、藍染めに興味があって遊びに行ったのですが、なんとそこで見た光景に浄化槽愛を炸裂させてしまうことになったのです。。。

染める、って私はてっきり「濃い液を布に染み込ませる」と思っていたのですが、藍染めは「微生物が主役の化学反応」であることを知りました。
 

これが藍。全然青くない!
乾燥した藍。すでに青いです。そしてこの葉っぱの表面に微生物が付着しているのだそう。
ぶどうの表面と似てますね。
冬場、18週間ほどかけて堆肥化させたもの。「すくも」といいます。
とれた葉っぱが1tだとしたら、すくもになるころには半分の500kgくらいになるのだそう。

この発酵が完了した藍の葉っぱ=「すくも」の製造は現在の日本には5件ほどしかないそうです。その5件のうちのひとつが山野町にあるなんてっ

こうしてすくもを嫌気発酵させたのが下の写真

葉っぱについていた微生物が元気に活動しています。少し泡状で膜が張った状態を職人は「藍がたつ」と言い、こうなると染めることができるそう。
灰汁やふすまを与えて、微生物が働きやすい環境を管理するのが藍染め職人さんの技の見せ所。

上の写真の灰汁(アク)と貝の粉末は液を(微生物が活動しやすい)アルカリ性に保つための調整の役割で、ふすまは糖なのでいわゆる「微生物のごはん」なのだそうです。

電気毛布を巻かれた藍染めプール
藍染め職人さんは微生物の世話役

 生き物なので温度管理が重要だそうです。電気毛布を巻いてあげたり、ヒーターを直接桶に入れて、微生物が活発でいられるよう見守るそう。一日に染められる量も適度にしなければ、翌日全部死んでしまって全く染まらない!ということもあると聞いてびっくり!テロワールさんでは週に2日は休んでもらうそうです(微生物にね!)

コットン、シルク、ウール、天然の素材ならなんでも染められるそうです。思い思いに輪ゴムで縛って。。。。さぁ染めましょう!

染めている最中も、職人さんは「この桶は濃く染まります」「こっちは淡くしか染まりません」など、桶の状態を教えてくれました。確かに淡くしか染まらないと言われた桶は「シーン」とした感じがありました。

グラデーションに挑戦!きれいな藍色に染まりました。

綺麗に染まりました〜!染めの桶から出してさぁ水洗いして完成、なのですが、不思議なことに水洗いしてもその水はあんまり青くない、青が出ない、、、不思議です。それは本来、植物の中から出てきにくい引っ込み思案な「青い色素(=indigo)」を微生物による発酵で無理やり引きずり出し、私が漬けた手ぬぐいにくっ付けて、もうそこから離れなくさせる、、、ということだからなのですって!!!難しいし、信じがたい!!!一度くっついたら出てこない、でも発酵させたら溶け出てくる。これが藍。愛?!
 一緒に行ってくれた友達に、微生物のお世話をする浄化槽の管理士の話をすると、「あのお兄さんと似とる〜」って。
藍染め職人さん
酒造りの職人さん
味噌蔵の職人さん
浄化槽管理士さん
人の手だけではどうにもならないことを微生物と協力してなし得る。
たまらない藍染めツアーでした♡

府中市でも今まさに成長中の藍を見ることが出来ます。
文化センター南側の「はじまりの広場」にて

藍屋テロワールさんのHP

府中市はじまりの広場
https://goo.gl/maps/Q9KnbpayWupsL6uJA


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