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元AWSエンジニア現人事。相談を受ける。

この記事はジンジニアアドベントカレンダーの15日目の記事です。

前日はてつのすけ(@Tetsunosuke)さんの「もしエンジニアから人事になるなら絶対にやっておくべきこと」でした。


はじめに

ご機嫌いかがでしょうか?私は元インフラエンジニアでマネージャーを経由し、現在は人事部で人材育成を担当しているtakashi(@ohayougenki)です。

今、私が所属している組織は8割がエンジニアです。担当する役割によるものか、キャリアや悩み事など個別に相談をされるケースが増えました。
エンジニアをやっている時には知らなかった人事のディープな世界の1つとして、「人事として相談を受ける」という事について、エンジニアロールを経験してきて良かったと感じる点や人事になって気をつけている点、さらには難しいと感じる点を書いていきたいと思います。

良かったこと

まずジンジニアでよかったと感じることからです。

エンジニアと同じ目線に立てる

同じエンジニアロールを経験しているため、相談いただいた人が見えている実務と現場の世界観を深く理解できる。
また、これはエンジニア観点とは異なるのですが、エンジニア組織でのマネジメント経験があり、多くのメンバーのキャリアを見てきているため、相談いただいた方の希望から今後のキャリアの方向性をイメージして会話することができるのも強みと感じています。

特定の技術領域の相談は得意

当然これまで経験してきた技術に関する部分は相談に乗れます。
今は現場や案件から離れて6ヶ月なので年単位で現場から離れるとどうなるかわかりませんが、とりあえずまだ大丈夫です。

プリセールスやプロジェクトマネジメントの技術が活きる

顧客折衝や要件ヒアリング、提案、実装時の細かな認識合わせなど、人と相対する仕事は、どの場面でも活きるなと感じています。
相談した本人が言語化できてない考え方や感情を整理し本人の中で腹落ちする手助けなどに活きていると感じます。

気をつけていること

相手の準備を整えること

人材育成のポジションに入ってすぐに、アンドラゴジー(成人学習理論)と言うものを学びました。アンドラゴジーには「自己概念」「学習経験」「レディネス」「方向付け」「動機付け」という5つの観点があります。
これらは何かを学ぶときだけではなく、相談の時にも役立つ考え方なのではないかと考えています。特に相談に関連が強そうなものは以下です。

  • 学習経験

    • 課題、問題を過去の似た経験に紐付ける

  • レディネス

    • 課題、問題に対して、当人の心身、環境(主に情報や考え方)など準備が整っているか?を見極め、必要に応じて整える

  • 方向付け

    • 相談に対する"どうすべきなのか?"という目的を整理する

  • 動機付け

    • 相談に対して"どうしたいのか?"の気持ちを整理する

これらの一部もしくは全てを相談者と共に整理していくことで相談内容についての考えが深掘りされたり相談者の理解が進むケースが多いと感じています。

情報の取り扱いについて

これはエンジニアだから人事だからという話ではないですが、特に人事だと情報の機密性が高い内容を取り扱うことが多いので慎重に取り扱っています。
もしも誰かに共有したほうがいいと思える内容であるときも必ず本人の同意を得てからシェアするように、また、シェアした先でも他言はしないようにと冒頭で伝えることが癖になりました。

敬意を払ってしっかりとしっかりと相手に向き合い寄り添うこと

これは人事特有の話ではありませんが気をつけている点ということで書いておこうと思いました。
相談を持ちかけてくる人はジュニアのメンバーだったり、ベテランのマネージャーだったりさまざまです。当然ですが、どんな相手かに関わらず敬意を払い、しっかりと話を聞き、当人の目線に寄り添い、且つ真摯に、一緒に考え、悩み方向性を会話することを意識しています。
なお、「真摯に」と書いたのは、私たちは組織で活動しているので組織側の状況や期待することがある。という軸だったり、また、私個人としての感覚や考えも並行して存在しているため、その状況において最大限相談相手の力になりたいと考えて行動するということ意図しています。

難しいと感じるところ

フラットに物事を見ること

相談内容によっては、対象が存在する内容だったりします。それは人だったり組織だったり様々です。
そういった相談の場合、相談相手の意見に寄り添うだけでは判断を誤る問題もあります。そういった時に相談者の意見や感情とは別に、登場人物ごとの視点を考慮し、フラットに判断することができるのか?
必要に応じて、情報(事実)を収集し、一方にのみ寄り添わずに、多角的に判断軸を持てるか?が非常に難しいなと感じています。
全てが綺麗に解決できるわけでもないし、全員が納得できないケースもあるのですが、なるべく多くの人が結論に前向きに取り組める状況を目指せるように日々精進をしている箇所でもあります。

まとめ

基本的に業務に関わる課題や問題、相談事は広くパブリックな場で解決できることが望ましいと思いますが、少数ではあるものの個別に対話をすることで解決する事もあります。あくまでジンジニアになりたての私個人が最近、相談を受ける際に気をつけていることをまとめてみました。誰かの参考になれば幸いです。

ジンジニアアドベントカレンダーの16日目はふるきょー@新米ジンジニアさんです。明日もお楽しみに!


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