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壁を壊して融合へ。

レストランで働く日々で自分の知らない事やまだまだ足りない事への不安はつのり、学びたい欲求が産まれてきた事も私にとっては新たな目覚めだった。独学の我が道な私は根拠のない自信を持っていた。今思うと、若さ故の勢いなのだろう
あえて基礎を学ぶなどは昔の青い私には出来なかっただろう。歳を重ねる事の巧妙でいらぬプライドを脱ぎ捨てられていっている事。
歳を重ねて敢えて謙虚さを知るという事。
50歳の私だか中堅処ではある、まぁまぁ重ねてはいるがまだまだこれからでもある。
前職ではなかなか鎧を脱げないままずっと戦闘体制だったけど、職場での日々と、外に勉強しに行く時間。いま、得られるものを得ようとその時の自分なりに必死だったのです。
都内の洋菓子教室の先生は男性でクールでまぁまぁ毒舌笑。だけど先生のお菓子の味やテクニックに心沸き立った。
その先生が
「材料にこだわらなくても美味しいお菓子は作れます」
最初にビビッときた言葉だった。
焼き菓子屋さんのプロフィールに書いてある
国産でオーガニックで無農薬で…
などのお菓子の説明書きにいつももやっていた私。先生の言葉が刺さった。
「丁寧に作ればお菓子はおいしくなります」
先生はこう続けた。
まさにそれだよ!わたしのもやもやは晴れた
どんな材料を使うかより
どんな想いで作るか。
国産だから。オーガニックだから
グルテンフリーだから、veganだから。
すっ飛ばして美味しいで笑顔にしたい。
とは言え自分のお菓子のプロフィールは必ず必要なので簡潔に伝える為の文言はなければ
わかりやすく、グルテンフリーギルトフリーという言葉でお伝えするけど、その真意をお伝えしたくてこのnoteをはじめたところはあったりします。伝えきれない想いを書き残しておきたくて。
ずっとveganのお菓子を作ってきて、西洋菓子の良さにも気づき、融合させる事で
美味しくて罪悪感ないお菓子のさわさわ&co
になれたこと。前職での日々がなければこの気づきはなかったので私にとってはとても大きい転換期になったのです。
さわさわの定番のフィナンシェは先生に習ったお菓子で一番感動したものでした。
もちろん先生は普通にバターで小麦粉で。
カリッとジュワッと。この食感が衝撃だった。
バターを使わずに作るには?
豆乳バターの作り方を知り自分で作ってバター代わりに同じやり方でフィナンシェをつくってみたらなんと油で作った時はうまくいかなかったのに豆乳バターだと、あの食感になった!
卵白は入れたほうがこの食感になる事も、米粉に変えるとしっとり感が出る事も試作を重ね、さわさわの定番のフィナンシェがうまれました。
融合して完成したさわさわのお菓子たちは
私の固定概念やプライドが軟化してできた
賜物でもある。なんか大層な言い方だけど笑
長くやってると、それだけでなんかちょっと偉いみたいに思いたい、思わせたいみたいなとこあったりしますよね、これ正直な話。
そう思う私もほんと。でもそれも踏まえて懐に入れる、いれられる私でいたい。
そういう想いの自分を真っ向から見つめるきっかけになったのは苦しくも病気でした。
このお話は次回。なんか今回固くてごめんなさーい笑

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