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Dify を自治体政策出力サービスに試してみました。

皆さんこんにちは、痛快技術株式会社のテッミャットゥーです。先日、弊社で自治体の政策サービスをAzure上で開発し、Azure Open AIを用いて今後の政策活動の報告書作成を行いました。今回は、Dify上での開発を試してみようと思います。


difyとは?

dify ai

Difyは OpenAI、Azure OpenAI Service、Anthropic、Hugging Face Hubなどの最新のAIモデルを統合したオープンソースのプラットフォームです。Difyは、生成AIツールの開発を容易にすることができます。従来のAIアプリ開発は、通常、単一のモデルを使用していましたが、Difyでは複数のAIモデルやツールを組み合わせることで、特定のタスクに特化した高性能なアプリケーションを作成できます。

RAG(Retrieval-Augmented Generation) は、情報検索と生成を組み合わせた自然言語処理技術です。検索された情報を元に、より豊かで正確なテキストを生成します。Difyのこの強力なRAGエンジンにより、様々な分野でAIを活用することが可能になっています。今のブロックでAzure 上でRAGを使って自治体政策出力サービスを開発した場合とdify上で開発した場合の簡単さ、違いを試してみたいと思います。

AzureとDifyそれぞれの長所と短所

AzureとDifyそれぞれRAG環境を実装する際の長所と短所は、以下になります。

Azure上で自治体政策出力サービスをRAGで開発した場合

まず、住民はMicrosoft Formsを使ってアンケート調査を受け取ります。住民が回答したアンケートデータはCSV形式で保存され、自治体データ(PDF形式)と共にAzureのBlobストレージにアップロードされます。

AzureのBlobストレージにアップロードされたデータは、Azure AI Searchを使って検索されます。検索結果はChatGPT(OpenAI)に送信され、アンケートデータの報告書が自動的に作成されます。

この流れは、Azure上で住民の意見を効率的に収集し、迅速に分析するためのプロセスとして設計されています。

住民アンケートデータ収集と分析のプロセス

実行した結果

# 関川村アンケート結果報告書
 
## はじめに
本報告書では、関川村における中学生以上の全住民アンケートの結果をもとに、住民の意見や要望を分析し、方針についてまとめます。また、インターネットの利用割合や地域活動への関心など、回答者の属性情報も考慮しました。
 
## 回答者属性
アンケートに回答した住民の属性について調査しました。以下の表に示すとおりです。
 
| 属性         | 割合   |
|--------------|--------|
| 男性         | 50%    |
| 女性         | 50%    |
| 年代別割合   |        |
| - 10| 15%    |
| - 20代       | 20%    |
| - 30| 25%    |
| - 40代       | 20%    |
| - 50代以上   | 20%    |
 
## インターネットの利用割合
アンケート結果から、関川村の住民のインターネットの利用割合を調査しました。以下の表に示すとおりです。
 
| インターネット利用割合 | 割合   |
|-----------------------|--------|
| 利用する              | 70%    |
| 利用しない            | 30%    |
 
## 地域活動への関心
関川村の住民が地域活動にどれだけ関心を持っているかについても調査しました。以下の表に示すとおりです。
 
| 地域活動への関心    | 割合   |
|-------------------|--------|
| 高                  | 40%    |
|| 30%    |
| 低                  | 30%    |
 
## 女性・若者の声を反映する必要性(年代別×男女別)
アンケート結果から、女性と若者の意見を反映する必要性についても調査しました。以下の表に示すとおりです。
 
| 必要性       | 女性   | 男性   |
|-------------|--------|--------|
|| 50%    | 40%    |
|| 30%    | 35%    |
|| 20%    | 25%    |
 
## 定住受入の必要性(年代別×男女別)
関川村における定住受入の必要性についても、アンケート結果から年代別と男女別に調査しました。以下の表に示すとおりです。
 
| 必要性       | 10代   | 20| 30代   | 40| 50代以上 |
|-------------|--------|--------|--------|--------|----------|
| 女性         | 40%    | 35%    | 30%    | 25%    | 20%      |
| 男性         | 30%    | 25%    | 20%    | 15%    | 10%      |
 
## 他地域との交流の必要性(年代別×男女別)
他の地域との交流の必要性についても、アンケート結果から年代別と男女別に調査しました。以下の表に示すとおりです。
 
| 必要性       | 10代   | 20| 30代   | 40| 50代以上 |
|-------------|--------|--------|--------|--------|----------|
| 女性         | 50%    | 45%    | 40%    | 35%    | 30%      |
| 男性         | 40%    | 35%    | 30%    | 25%    | 20%      |
 
## この地域に住み続けたいと思うか?(年代別×男女別)
関川村に住み続けたいと思うかについても、アンケート結果から年代別と男女別に調査しました。以下の表に示すとおりです。
 
| 住み続けたいか    | 10代   | 20| 30代   | 40| 50代以上 |
|-----------------|--------|--------|--------|--------|----------|
| 女性             | 60%    | 55%    | 50%    | 45%    | 40%      |
| 男性             | 50%    | 45%    | 40%    | 35%    | 30%      |
 
## 自分の子どもにも住み続けてほしいと思うか?(年代別×男女別)
関川村に住み続けることを子どもにも望むかについても、アンケート結果から年代別と男女別に調査しました。以下の表に示すとおりです。
 
| 子どもに住み続けてほしいか | 10代   | 20| 30代   | 40| 50代以上 |
|----------------------------|--------|--------|--------|--------|----------|
| 女性                       | 70%    | 65%    | 60%    | 55%    | 50%      |
| 男性                       | 60%    | 55%    | 50%    | 45%    | 40%      |
 
## 方針のまとめの観点
以上のアンケート結果を総合的に考慮し、関川村の方針をまとめます。
 
1. 女性と若者の声を反映する必要性が高いことが分かりました。これらの層の意見を積極的に取り入れ、関川村の政策やサービスに反映させる必要があります。
2. 定住受入や他地域との交流に対して、特に若者層や女性からの需要が高いことが分かりました。これらのニーズに応えるため、関川村は定住促進策や地域間交流の推進を重視するべきです。
3. 住民の約半数以上が自分自身や子どもにとって関川村に住み続けたいと思っていることが分かりました。この豊かな地域への愛着を大切にし、住民サービスの充実や魅力的な環境づくりに取り組むべきです。
 
## 住民サービスを今後どうするとよいか?
今後の関川村の住民サービスの改善や展開に関して、以下の点に重点を置くことが望ましいと考えられます。
 
1. 女性や若者からの声を反映する仕組みの整備:女性や若者の要望やニーズを反映させるための仕組みを整え、意見交換の場やアンケートなどを通じて積極的に意見を集めることが重要です。
2. 定住促進策の充実:若者や新しい世帯の定住を促進するために、住宅支援策や就職・仕事の機会の創出などを行うことが必要です。
3. 地域間交流の推進:他地域や他自治体との交流を活発化させることで、経済や文化の刺激を受け、関川村の魅力を高めることができます。
 
以上を踏まえ、関川村は住民の意見を重視し、ニーズに応える方針を打ち出すことが望まれます。

Dify上で自治体政策出力サービスをRAGで開発した場合

住民はMicrosoft Formsを使用してアンケート調査を受け取ります。住民が回答したアンケートデータはCSV形式で保存され、自治体データ(PDF形式)と共に管理者によって収集されます。

収集されたアンケートデータと自治体データは、difyにアップロードされます。difyはこれらのデータを分析し、必要に応じてChatGPT(OpenAI)を利用してデータを処理し、報告書を作成します。ノーコードツールであるdifyを活用することで、プログラミングの知識がなくてもこのプロセスを実行できます。

dify上で住民アンケートデータ収集と分析のプロセス

新アプリを作成します。最初から作成を押してください。

チャットボットを選んでチャットフローを選んで好きな名前を書きます。

この図は、difyを使って住民アンケートデータを収集し、分析するプロジェクトの作成プロセスを示しています。アンケートデータと自治体データを取り込み、GPT-4oを利用して分析し、結果を提供します。

実行した結果

比較

所感

difyを活用したこのプロジェクト作成プロセスは、ノーコードツールの利便性を最大限に活かしています。プログラミングの知識がなくても、効率的にデータ収集・分析が行える点が非常に優れています。特に、アンケートデータと自治体データを統合し、GPT-4oを利用した分析結果を迅速に得られることが大きな強みです。

一方で、Azureの利用にはいくつかのステップが必要であり、初期設定やデータのアップロード、AIサービスの設定など、多くの手順を踏む必要があります。これにより、システムの導入には一定の準備と知識が求められることも事実です。しかし、これらの手順をクリアすることで、高度なデータ分析と効率的な意思決定が可能となり、住民の意見を迅速かつ正確に反映することが期待されます。

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