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過去・未来・イマ について

どうも、つついったー。です
早いもので、気づけば虹ヶ咲6thの横浜公演当日となりました。ということで(?)本記事はハルさん(@rainbowdreams_0)の6th公演ハッシュタグ企画「#愛を伝えて生きよう」に乗っからせていただいたものとなります。

このタグについては事前に「手紙のリレー企画以外のものは横浜公演まで使ってOK!」ということでしたので、こうして使わせていただきました。本当に感謝です。

はじめに

さて、こちらの企画におけるテーマは「虹ヶ咲で好きなもの」ということで、本記事ではアニヶ咲2期11話「過去・未来・イマ」を取り上げようと思います。この話、好きな人多いと思うんですよね。僕もそのうちの一人で、この話は虹ヶ咲を好きになった上で欠かせない存在と言えます。

昨日や明日のことで悩んでたら、楽しいイマが過ぎちゃうよ

この話を観たとき社会人一年目だった僕は、エマのこのセリフが凄く響きましたし、支えになりました。以降この話は、僕の中で特別な存在になった気がします。

前置きが長くなりましたね。
今回はこの話について、劇伴に焦点を当てて書いていきたいと思います。
本記事で扱う劇伴は「うつりかわり」「Crossing」「想い、花ひらく時」「未来ハーモニー with YOU」の4つです。※順不同で扱います※
それでは、どうそ~


うつりかわって、花ひらく想い

うつりかわり

この劇伴が流れているシーンは果林先輩が、ランニングをする愛さんと璃奈ちゃん、勉強をするかすみんたち、スクールアイドルとしてのこれからを志すランジュたちと、それぞれ前を進む同好会メンバーのもとへ順番に訪れていく様が描かれています。
そしてタイトルの「うつりかわり」…これは、果林先輩を取り巻く環境の変化と、彼女自身の変化の二つの意味があると感じています。

まず前者の環境の変化について述べます。これについてより直接的な表現をすると、同好会からの卒業と言い換えられると思います。
僕が思うに本話で果林先輩は、同好会をやがて卒業するものとして捉えています。そして個人的に、彼女のそういった想いは本話のあるセリフにさりげなく表れているなと感じています。

そう、頑張ってるのね…私でよければ協力するわよ。

このセリフは、果林先輩が歩夢、侑と一緒にいるランジュにかけた応援の言葉です。ランジュは、自分が仲間とどう高め合えるかやファンと一つになれるかについて考えている最中でした。…ここの果林先輩の、ランジュに向ける表情は、とても柔らかなものでした。ただ、僕は彼女のこのセリフを聞いて、少し悲しかったんですよね。僕は果林先輩に、「受けて立つわ」と啖呵を切って欲しかった。誰かと高め合うということを覚えたランジュをライバルとして見て、火花を散らしてほしかったんです。
僕は少しして、ここでなぜ果林先輩がランジュをライバル…対等な関係として見なかったがについて思いあたり、頭を抱えました。果林先輩は、ランジュを対等なライバルとして見なかったのではなく、見られなかったのではないでしょうか。なぜなら彼女とランジュは明確な差…同好会で残された時間の違いがあるからです。果林先輩はこのとき、ランジュと競い合える時間はそれほど残されていないと、考えてしまったのかもしれません。だからこそ彼女はランジュについて、"競い合う"ではなく"できることがあれば協力する"という立場をとったのではないか…と。
季節は移り変わり、高校生として残された時間も残りわずか…。このとき彼女はランジュや歩夢たち下級生のことを「私と違って来年もここに残れる子たち」という風にも見えていたのではないかと想像します。…辛すぎませんかね。

次に後者の、果林先輩自身の変化について述べます。

私も…変わっていく

これは、教室で果林先輩がエマちゃんに勉強を教えてもらっているさなか、窓の外を見つめながらぽつりと零した言葉です。言葉だけ抜き取るとポジティブな印象も持ちえますが、このときの窓の外のくもり模様を見ると、やはり不安の側面が伝わってくる気がします。

一度話を戻します。劇伴「うつりかわり」では果林先輩を取り巻く環境の変化が表れているとお話しました。僕は最初、彼女はそういった変化に取り残されていくのを恐れていたのかな…と思っていました。ただ最近改めて観てみると、加えて新たな捉え方が生まれました。僕が思うに、果林先輩は周囲の変化と同時に、自分自身の変化も感じています。「私も変わっていく」とは、そういった無意識の変化を自覚してのセリフなのではないか…と。個人的に、果林先輩がそういった変化を自覚したうえで口に出したセリフが、劇中にあると思っています。

同好会…まだ初めてちょっとだけど、想像以上に楽しくて、
充実した時間だったわ

このセリフは、海浜公園にてエマと彼方に向かって言ったセリフです。
充実した時間"だった"。同好会の一員として過ごした日々についての語りが過去形なんですね。これって凄く些細なことにも感じますが、僕の感覚として、現在進行形で起こっていることに過去形は使わないし、使いたくないです。自分を例に挙げますが、「オタクするの楽しかった~」と言い間違うことはない気がします。
僕が思うに果林先輩は、同好会の日々はもう当たり前にあるものではないとはっきり自覚してしまったと思うんですよね。放課後のチャイムが鳴って、部室に訪れて、皆で練習して…そういった日々に終わりがあること。この事実を受け入れつつある、自分自身の変化…。この事実を受け入れたくなかったら、人前で口に出さないと思います。逆に言うと受け入れられたからこそ、同じ境遇のエマと彼方に想いを、三年生である彼女たちが真っ先に同好会から去ることの寂しさを打ち明けされたのかな、と感じます。

さて、僕はこれまで「うつりかわり」で描かれた二つの変化についてお話してきました。変化とは、怖いものだと思います。ただ僕は、果林先輩はこの変化について、うずくまることなく向き合っていると思います。そういった彼女の想いが、劇伴「想い、花ひらく時」に表れていると思うのです。

想い、花ひらく時

僕がそう感じる理由は、この劇判が流れるタイミングです。そのタイミングとは、先ほど「うつりかわり」の項で引用した果林先輩のセリフ…彼女が海浜公園でエマと彼方に、自分たち三年生がもうすぐ卒業することの自覚を打ち明けるセリフの終盤です。
「想い、花ひらく時」…タイトルの雰囲気からして、何かが始まる予感がします。またこの劇判は、1期1話にて歩夢の、"スクールアイドルへの憧れ"という、新たに出来た想いの象徴として使用される音楽でもあります。
このことから果林先輩は、自分が卒業する自覚…言い換えると、同好会での当たり前の日々が"過去"として振り返るものになりつつあることを自覚したことをきっかけに、新たな想いが芽生えたのではないかと思います。
その想いとは、"イマ"を大切にしようという想いなのではないかと思います。

さて、文章に使っておいてなんですが「今」って凄く抽象的な言葉だと思うんですよね。過去は○分前、○日前と、具体的な単位で表せます。未来も同様ですね。それに対し「今」という時間軸は定量化できません(故に今だけ"イマ"とカタカナになっているのかもしれない)。
ただ最近、自分の中の"イマ"のイメージが固まりつつあります。一言で言うと「自分の過去を思い返し、未来に目を向けてみてなお見落としている部分」です。…少々抽象的なので、早速果林先輩に話題を戻して具体的にお話していきます。

彼女の過去とは、当たり前だった同好会での日々です。彼女は海浜公園でエマと彼方に想いを打ち明けたことで、これらの日々は過去のものであると自覚したのだと思います。「うつりかわり」で述べた事と重複しますが、同好会の日々を"当たり前"と思える日はもう二度とやってこないのです。
そして彼女の未来とは、卒業あるいはそれ以降の将来です。同好会から真っ先にいなくなるのは、三年生である私たち…果林先輩はそう言いました。そして彼女のことです。きっと口にしていないだけで将来のことも考えているでしょう。
これらが、先ほど僕がいった「自分の過去を思い返し、未来に目を向けてみて…」の部分です。では果林先輩にとって残りの「見落としている部分」とはなんでしょう。

それは、同好会の日々は当たり前ではないと自覚したうえで臨む、残りの高校生活です。これが果林先輩にとっての"イマ"なのだと思います。だからこそ彼女は改めて、スクールアイドル同好会についての自分の気持ちを素直に言えたのだと思います。

私、スクールアイドル同好会が好きよ!
ひとりで歌うのも、誰かと歌うのも、みんなで歌うのも、全部好き!

「昨日や明日のことで悩んでいたら楽しいイマが過ぎてしまう」「イマを全力で楽しんでいたら、寂しくないだけの未来が待っている」…果林先輩はエマと彼方の言葉に、大きく背中を押されました。ただ僕は同時に、昨日や明日のことで悩むことも、彼女にとって大切なことだったとも思います。
過去と未来…うつりかわる時間に向き合ったからこそ"イマ"を大切にしようという想いが、花ひらいたのではないでしょうか。
"イマ"とは曖昧なものです。だからこそ、それより具体的な過去と未来について目を向けて初めて"イマ"の輪郭が浮かび上がるのだと、僕は思います。

そして、果林先輩が"イマ"と向き合ったうえでやりたいこととは、同好会の1stライブでした。自分のやりたいこと/見せたいものが自分の姿だけでない、仲間と作り上げる同好会としての姿というのが、とても素敵ですね。
さて、ここで流れる劇伴が「未来ハーモニー with YOU」…初見時オタクたちの腰を抜かせた劇伴ですね。次章ではこの劇判を「Crossing」と比較する形でお話していきます。

交差点と、レインボーブリッジ

そもそもなぜ「Crossing」と比較するのか?理由はこの劇伴と「未来ハーモニー with YOU」が僕にとって対照的に映っているためです。
具体的に言うと「Crossing」は果林先輩の将来への不安「未来ハーモニー with YOU」は将来への期待が込められているような気がするんです。それでは早速「Crossing」の方からお話していきます。

Crossing

この劇伴は、果林先輩が一人で海浜公園に向かうシーンにて流れています。
このタイトル、多義語故に人によって解釈が違うと思います。既にタイトルに書いていますが、僕はCrossingというタイトルで思い浮かべるのは、交差点のイメージです。
交差点を歩く人の向かう先は、皆バラバラです。交差点には自然と人が集まりますが、交差点は目的地ではありません。一度集まった人たちも、交差点を渡り切ると、それぞれの目的地に向かうにつれて離れ離れになっていきます。皆それぞれ思い思いの方向に進んでいくけど、向かう先はバラバラ…なんだかこのイメージが、同好会…特に本話で、果林先輩が頭に浮かべる同好会の像とマッチするような気がするんです。同好会の皆とは、ずっと一緒にいられない…そういった彼女の寂しさが、この劇伴に表れているのではないでしょうか。

皆それぞれの向きに歩く人たち

また、この劇伴はもともと「逍遥」というタイトルだったそうです。ふらふらほっつき歩くという意味らしい。この事実は先述の交差点のイメージを持っていた状態で知ったのですが、なるほど!となりました。果林先輩は常に夢に向かって突き進んでいるイメージがありますが、本話では将来への不安故に、迷いが生じている気がしていたからです。
この迷いの姿勢は、本話で垣間見える気がします。かすみん部長のもと、同好会を部にするかについて話し合うシーンです。ここ周辺での果林先輩のセリフ「やっぱり、もう少し考えてみた方が…」の一言のみなんですよね。いつもの果林先輩なら、1期9話みたいにもう少しグイグイ行くと思います。こういったことから、本話の彼女の気持ちには迷いが生じていると感じます。逍遥と言うタイトルは、これからへの不安に追われ、どこにいくでもなく、目的なく歩いてしまう…そういった果林先輩の姿を表しているのかもしれません。

そして、ここで敢えて僕が元々持っていた交差点のイメージを思い返してみると、皆思い思いの方向に進んでいる、果林先輩の中の同好会の姿(=交差点)と、不安に追われて行く場を見失う果林先輩自身の姿(=逍遥)が対照的だなとも感じました。

ただここで改めて言うと、この劇伴はエマと彼方に自分の想いを打ち明ける前に流れているものです。打ち明けだ後に流れるのは「想い、花ひらく時」そして「未来ハーモニー with YOU」です。
彼女はエマと彼方に想いを打ち明けて「Crossing」時点で抱いていた悩みから吹っ切れたのではないかなと思います。僕は本記事の「想い、花ひらく時」のパートにて、この劇伴は果林先輩の"イマ"を大切にしようという気持ちの現れなのでは、というお話をしました。そして流れる「未来ハーモニー with YOU」。夢を見るたびに、色が増えていく──。ここでは将来への不安ではない、将来への期待が描かれていると思います。

未来ハーモニー with YOU

僕はこの劇伴にて、数ある全体曲の中から未来ハーモニーが採用されていることがとても嬉しいです。さて、僕は本記事の2章目として「交差点と、レインボーブリッジ」というタイトルを掲げました。ここでのレインボーブリッジとは、僕が「未来ハーモニー with YOU」に抱くイメージとそのまま重なります。理由は単純で、レインボーブリッジが未来ハーモニーのMVの舞台だからです。

MVの同好会の皆はレインボーブリッジという同じ場所に立ち、同じ方向を向いています。先ほどお話した交差点のイメージとは真逆ですね。これはエマと彼方に想いを打ち明け、前を向けた後の果林先輩が思い描く同好会のイメージだと思うんです。

皆同じ方向を向いている同好会メンバーたち

ただ話を紛らわしくしてしまうかもしれませんが、先ほど交差点のイメージ部分でお話した、それぞれ向かう先は別々と言う事実は変わりません。では、なぜ同好会の皆はここで同じ方向を向いているのでしょうか。
それは「同じ時間を生きているから」だと思います。目指す場所は違っても、同好会と言う場所で出会えて、同じ時間…過ぎゆく時間を共にできるからこそ、一緒に"未来"という方向に目を向けるのかな…と。言うならば「アイツも今頑張ってるし、僕も頑張ろう」って感じでしょうか。それぞれやりたいことが違っていても、例え場所が離れていても、未来へと足を踏み出していくのは皆一緒…そういった同好会の姿が描かれているのが、未来ハーモニーのMVだと個人的に感じています。
果林先輩はこうして頭に思い浮かべた、一緒に未来へと足を踏み出す皆の姿を、たくさんの人に見せたくなったのではないでしょうか。だからこその虹ヶ先スクールアイドル同好会全員での1st"Live"なのではないかと、僕は考えます。

あと話が劇伴から逸れますが、同好会の皆が果林先輩の1stライブの提案のメッセージをみて、すぐに海浜公園に向かったのが凄く好きです。
変な話、別にこれ「明日会ったら話そう!」でも自然だと思うんですよね。皆別々の場所にいる上に夜も遅いです。むしろ普通だったら、この日はメッセージのやりとりや通話で終わるとすら思います。にもかかわらず、全員が「今すぐ直接会いたい!」と思った。これは凄いことです。まさに"キズナ"ですね。同好会のつながりは本当に強く、温かいと思います。

おわりに

目指す場所が違ったり、物理的な距離が離れていてもなお「一緒だ」と思えるくらい強く、そして温かい人とのつながり。これは、僕が虹ヶ咲で一番好きな部分です。そして僕にとってこれが虹ヶ咲の"愛"です。

愛を抱いて生きよう 愛を伝えて生きよう

Fly with You!!

とても優しく、好きな歌詞です。
さて、6thライブのテーマは"愛の交換"でした。ライブではそういった同好会の生き様とも言える"愛"を受け取りに行きたいと思います。
…改めて、虹ヶ咲を好きになれて良かったなと思いました。

以上、僕の「過去・未来・イマ」への気持ちを文章にしてみました。
まずはここまで読んでくださり、ありがとうございます。決してサッと読めるものではなかったと思いますし、嬉しい限りです。
劇伴を軸に構成するという初の試みでしたが、書きたいことが伝わっていたらいいな…という気持ちです。そしてその上で、少しでも「あーね」とか「わかるかも」みたいな部分があったらめちゃ嬉しいですね。
そんな感じで本記事は〆たいと思います。久々にアニヶ咲についてガッツリ書けて、楽しかったです。またどこかで会えたらなと思います。

それでは6thライブ、楽しんでいきましょ~! ではまた。








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