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久しぶりの「Beepノリ」なのです


Beep21」というWebマガジンに記事を書いたのよ。Webマガジンっていうか、ここと同じnote内の有料マガジン。

記事の内容はといえば、「セガのDNA」と銘打って、要はセガ出身者に当時のことをインタビューしようという企画…の予告篇。次回からばんばん訊きに行っちゃいますよー、皆んな期待してねー、というものだ。

厳密には俺が全部書いたわけではなく、エムツー堀井さんとセガ奥成に声がけして、TwitterのグループDM上で行った会話のやり取りを、俺が再構成したもの。再構成するにあたって、読みやすい流れを作るために、両氏に「こんな文章を追加で書いてー」「ここにリアクション入れてー」などと依頼もした。皆んなの会話をベースに俺が構成台本を書いて、台本に合わせて堀井さん&奥成が演じた、というイメージになるのかな。

――実はこれ、旧Beep誌で「ライター座談会」といった記事を作ったときのやり方、そのものだったりする。

「ライター座談会」

当時のBeep誌をご存知の方なら分かるかな。ライター座談会。各人に役割があって、盛り上がりがあって、オチがある、「読み物」としての座談会。

あれも、Beep編集部のマシンルームか大机の周りに集まり(ああ懐かしい)、テーマについてあれこれ雑談したあと、まとめ担当のライターが雑談を参考にしつつも、イチから原稿を起こす、という作り方をしていたわけだ。どのライターもキャラがはっきりしていたし、雑談中には必ず印象に残るパワーワードをぶっ込んできたので、雑談の雰囲気や内容からは大きくはずれていなかったと思う。でもテープ起こしなんかは一切したことがなかった。

外部のゲーム開発者を招いての座談会やインタビューでは、もちろんテープも回すし、発言を丁寧に拾って、それを元にピックアップしたテーマに沿って原稿にするのだけれど、ライター座談会はそれとは違い、一種のバラエティ番組的な、特集の彩りとなる「読み物」だったので、こうしたやり方をしていたんだよね。少なくとも俺が言い出しっぺの座談会ではそう。

あ、この文章を書いていてあらためて気付かされた。そうだよ、「バラエティ番組」だよ。キャラが立っているタレントを集め、各人が個性を発揮するパートはありつつも、全体としてはテーマに沿った会話が展開される…というバラエティ番組そのものだったんだ、Beepのライター座談会は。

「Beepノリ」

そして今回の予告篇も、同じ。

実際のインタビュー本篇は「記録する」「遺す」という意図があるので、こうしたやり方にはならないだろうけれど、導入となる予告篇は、旧Beepファンに興味を持ってほしかったので、「在りし日のBeepノリ」を匂わせるために、あえてこういう形にしてみたわけだ。

まあ、堀井さんも奥成も、旧Beepライターに劣らず「キャラが立っているタレント」だからこそ、こういうやり方ができたんだけどね。

というか、2人ともBeep読者だったから、「こういうやり方で行ってもいいっすかー?」と尋ねたら、何の疑問も抱かずにノッてくれたという。ああ、それはまさしくBeepノリ。面白ければ何でもあり。ありがたやありがたや。

それにしても楽しい

仕事で文章を書くことは多いけれど、大半は「仕様書」か「ゲーム内テキスト」「台詞」といった、フォーマットに則ったものばかりなので、久しぶりにフリーフォーマットで文章を書くのが楽しくてしょうがない(まあ、仕様書やゲーム内テキストや台詞も、書くのはめちゃめちゃ楽しいんだけど)。

面白い、と思ったことを、楽しんで書く。Beep21のおかげで、そうした機会が増えそうで、いまから楽しみでならないよ。




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