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夜の合宿『短歌の一口メモ』(1468字)

こんばんは。^^/

連続でお送りしております、『短歌の一口メモ』。
第3回を書きます。

主に、短歌の文法に当てて書いております。

参照している本は、

『短歌の文法』
歌あそび言葉あそびのススメ

藤井常世 著 NHK出版

です。

全5章から成り、351ページあります。
今回は第3章を読みました。

記事のタイトルは、適当です。^^;
何でも良いのですけれども、
そして先生ぶる気も無いですし、
本を通じて、私の思いも加えて
お話できればと思う限りです。

対しまして、著者の方は、
おそらく筋金入りの文法の達者でしょう。

しかしながら、こんな文章の結びも
ありました。

それにしても、こんな「説明」を読んで
理解に頭を悩ますよりは、
まず使われている語に慣れるほうがよいのは
いうまでもないのである。

藤井常世、短歌の文法より

とにかく、「馴れ」「慣れ」が良いとのことでした。^^

第3章は70ページあって、
とてもこの記事では扱いきれません。
やはり一つだけに絞って書かせて
いただきます。

章冒頭のお話は、

「き」は過去

というタイトルでした。

おそらく最も有名な「き」の
使い方と思われる名歌を引用します。

たちまちに君の姿を霧とざし或る楽章をわれは思ひき

近藤芳美

タイトルにもありますように、
「き」は過去形を表します。

まず、読み方ですけれども、

たちまちに
きみのすがたを
きりとざし
あるがくしょうを
われはおもいき

と読むでしょうか。

最後の「き」が過去形の助動詞となります。
前の動詞は、「思ひ」。
旧かな「ひ」が使われていますけれども、
声に出して読みますと、

おもい

と読みます。

他の語でも試してみます。

遊びき
頼みき
探しき
恨みき

などなど、一杯ありそうです。

共通しているのは、
『イ行』で動詞を活用させているところと
思えます。
専門用語で言いますと、連用形、に
当たるでしょうか。

連用形は、

遊びて
頼みて

など、次につづく動的な用語として
扱う言葉の用法のようです。

昔、学生でした頃、

未然形
連用形
終止形
連体形
已然形
命令形

として勉強なさった方の
おられるかも知れません。

私はほとんど忘れておりましたけれども。^^;

それで、『き』ですが、
過去形。
意味としては、
「~だった。」など、
きっぱりと言い切るニュアンスを
用いる時に使われる文語(助動詞)のようです。

実際、声に出してみましても、
言い切った感がありますので、
一首の最後に持ってくることが
多いかもしれません。
強い切れも感じますし。

そしてここからは余談という訳では
無いですけれども、
元々は、
自分についての「~だった。」という
ニュアンスで使われることが
本来の意味であったようです。

どういうことかと申しますと、
例えば、こんな詠みも現代は容認されて
いるようです。

白猫に瞑想ありき(白猫に瞑想があった)
麒麟きりんの舌は何か黒かりき
(キリンの舌はなにか黒かった)

など、自分の事でないことの過去の表現にも
用いられるようになったからでした。

いずれにせよ、強い言い切りの感じのする
助動詞『き』。

現代は文語も口語も入り混じりで
使われますので、
場合によっては歌い込む機会も
あるかもしれません。

お話は一つだけにしたいですので、
今回はこれにて終わりです。^^

私も勉強中の身ですので、
書きながら、短歌文法に
慣れ親しんでゆけたらと思います。

それではまたです。m(_ _)m
お読み下さります方へ感謝です。

なぜか最近になって、文法本を
読む気になっている、つる でした。🌳

現代短歌が増えているせいか、
文語、旧かな短歌が珍しく、
格好の良いものに映るみたいです。

みなさまのご無事を。
暑中お見舞い申し上げます。

つる かく 🍵

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