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【春弦サビ小説】約束の村

「ななこ、何書いてるの?」

「あ、お母さん。小説よ。」

「小説?どんな小説なの?」

「ファンタジックな物語だよ。」

「ななこ、そういう本よく読んでたものね。」

ななこは首を縦に振って、
また書く作業に集中し始めた。

オリジナルの世界。
私だけが書けるすてきな村のお話。

タイトルは決めていた。『約束の村』。

ななこは想像を巡らせた。

ななこの机の脇にちょこんと
ホビットが座っている。

「わたしの事も書いて欲しいな。」

ななこ「うん、いいよ。」

ホビットの名は、メダと言った。

ななこ「メダの冒険というサブタイトルにしよう。」

メダは、大家族の一番下の女の子だ。
ホビット族は体が小さいけれど、
なかでもメダは小さい方だった。

メダは何にでも興味を示す女の子だった。
特に料理の好きな子だった。

色んな土地へ行って、
いろんな料理を知りたい。

メダは料理の冒険をする決意をした。

メダの両親は心配したけれど、
メダの意志は固かった。

「おいしい料理を作って、
 みんなに食べてもらって
 幸せになってもらいたいの。」

メダはそう言って、旅に出たのだった。

メダの家族は、いつでも帰って来なよと、
言葉を投げ掛けた。

メダの旅は150年掛かった。

ホビット族の長老をも超える年齢。
メダはいろんな土地、国を見た。
そして料理を学んだ。

食材博士にもなっていた。
また、
動物や植物の博士にもなっていた。
食物連鎖の専門家にもなっていた。

みんなに食べてもらいたい気持ちは、
実は彼女自身の健康を促して、
長生きをしていたのだった。

経験を積んだメダは、村へ帰ることにした。

家族の料理が食べたくなったのだった。

長い旅から帰ったメダは、
すっかり様変わりした自分の村を
見たのだった。

でも家は残っていた。
メダの両親は亡くなっていたけれども、
姉の息子夫婦、その子たちと会った。

「ただいま。メダよ。」

メダは、すっかり年を取っていたけれども、
姉の息子夫婦家族は、驚くと共に、
家の入口に立っているメダを
認めたのだった。

「メダ姉さん!お帰りなさい!
 ずいぶん長い旅だったのですね!
 母から話は聞いていましたけど。」

メダは、
姉の息子夫婦家族と夕飯を共にした。

メダ「ああ、このスープ。
   お母さんがよく作ってくれた。」

メダの家のレシピは、
今も守られていた。

夫婦の子の一人がメダに話し掛けた。

「メダおばあさん、私にも料理教えて下さい。」

メダは喜んで、受けあった。

「そうね、ひとつひとつ教えて
 あげますからね。」

(おわりです。999字)


☆彡あとがき

こんにちは。つる です。
お世話になっております。

今回の note は、
音楽企画『春弦(春とギター)』の
二次創作編、『春弦サビ小説』企画に
応募するものです。

元歌は、こちらの音源です。

Sen-sing さん(作詞・作曲)、
見据茶(みすてぃ)さん(編曲、歌:詠音サク(UTAU音源))、
大橋ちよさん(編曲)の合作です。

Sen-sing さんの歌詞はこちらです。

Note ~約束の村~
週末が羽根を たたんで眠る夜
誰かがノートを 書き始めています
目に見えない ものを 言葉にして

夜は更けもうすぐ 月曜が来る
誰かはイラスト描(えが)いてます
たいせつな 心に 色をつけて

いつの間に東の 空が明けてゆく
誰かが歌を 運んでいます
ハミングと 小鳥の 声を重ねて

春の朝ノートは 村になりました

Sen-sing さん『N o t e ~約束の村~』 より

小説を書きますのも素人で、
二次創作をしますのも初めてです。
サビ小説にはなっていないかも。💦
至らない所多々あるかと思いますけれども、
どうぞよろしくお願いいたします。

みなさまのご無事とご自愛のほどを。
失礼いたします。

つる 拝

*ヘッダー画像を、まくらさんより
 お借りしています。
 ありがたく使わせていただきます。

#春弦サビ小説

Sen-sing さん note

見据茶(みすてぃ)さん note

大橋ちよ さん note


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